1,299万kW/2,025万kW (03/29 06:00)
64%
■バックナンバー
■RSSフィード
RSS 1.0 RSS 2.0 Atom 1.0
■このブログのURL
https://www.sns.ochatt.jp/blog/blog.php?key=1026278
2013年04月03日(水) 
例によって堅苦しく、かつ長文です。スミマセン。

【農業の進むべき方向】
   当然にコストダウンにより海外と太刀打ちできる産業とすることだ。その根本は人件費を減らすこと。生産に直接加わる人数を現在の3割か2割に減らす必要がある。作物によっては問題があるかも知れないが、大型の農業機械が使用できるように1区画の農地を大きくすること、原則として1農地1作物とし、作物の切り替え(工業でいう段取り替え)による手間を減らすこと、それによりムダな時期が出る場合は作物の組み合わせによる生産計画を徹底することだろう。

   生産者から消費者への流通コストを減らすために、生産者が自分に適した販売ルートを開拓するべきだろうし、作物の包装方法・ブランド化などの工夫も必要である。海外販路、自分達の農地に適した品種改良を自分達の技術として行う必用があるだろう。公的研究所の技術は自分達で独占することは困難と思われ、差別化には利用できない。農業も企業として大型にならざるを得ない。

【零細農家の生活】
   ある統計がある。
   経営(全国)の1経営体当たり農業粗収益は469万円、農業経営費は350万円、その結果農業所得は120万円。これでは生活不能。所がべっつの収入がある。農外所得が160万円、年金等の収入が183万円総収入が463万円。
http://www.maff.go.jp/j/tokei/sokuhou/syusi_11/index.html

   農外収入とは兼業農家が得た給料のこと。農業所得よりは若い人では給料、高齢者では年金が多い…と云える。普通の勤労者家庭よりは生活が苦しそうである。

   この数値をそのまま受けとれば、平均的には日本の農家では農業だけでは生活が出来なくなっている…と云えそうだ。歴代日本政府が農民票を得たいために実施してきたバラマキによる訳の分からない零細農家保護政策の成果だろう。

   日本の農業ではこれらの人々の生活を守りつつ、零細農家をなくしていく必要がある。

   上記したように農業企業が農地や経営規模を拡大して行ったときに、零細農家を全部吸収し切れるのか、吸収してもまだ人手不足になるのか、これを判断する材料と能力は私にはない。吸収仕切れない時は、彼らの生活を守るための手段(離農資金の援助など)を考える必要があるだろう。

【農協】
   零細農家が農業企業に吸収されていき、産業としての農業が力をつけていくことに農協は当然に反対するだろう。自分達の縄張りが狭まっていくからである。昔、立花隆の「農協」なる著作が話題になった。もう内容を憶えていないが印象としては農協のよい面が説明されていたように思う。しかし、日本の農政と農協による日本の農業の衰退も記載されていた…とか。また読み返してみよう。また元農林官僚だった山下一仁の「農業開国論」も読んでみよう。

【国益とは】
   日本は例えば米でいうと輸入関税は790%、現地価格の9倍という狂気的高率効率関税が課されている。実質的な輸入禁止である。これは一般消費者の利益を大いに損ねている。

   高関税を課する理由の一つに日本政府のカロリー自給率の維持という、意味があるとは思えない政策があった。世界に於いて日本だけが掲げている奇妙な政策だ。米だけ自給できても、我々の生活は維持できっこない。

   世界は各国に偏って存在する各種資源(人的なものを含む)を利用した国際分業に依る産業高効率化と、自由貿易によるコスト競争の方向に向かいつつある。日本はこれへの抵抗勢力になるつもりなのだろうか。

   農産物についての日本の輸入関税をこのまま維持するならば、他国の農産物の輸入関税を非難できないだろう。現在でも積極的な農家では輸出を試みており、食品としての安全性や味で現地での評判はいいように聞いているが、関税はこれらの輸出の増加の妨げになるだろう。積極性のある農家の利益を妨げている。

   日本の消費者の利益や、積極的な農家の活動を妨げてまでの、国益のための関税維持…って何だろう。国益の定義がおかしいように思われる。農産物輸入の高関税は日本の農業にとっても少なくとも長期的にはマイナスであり、またそうなる農業であるべきだ…と思っています。

【今後の方向】
   面積も人口も日本よりは遙かに小さいのに、世界で最強の農業国オランダをよく学ぶ必要がある。日本において農業を立派な産業として再興し、若者達が働きたがる職場としてほしいものだ。

   なお、棚田やその他各種の農法日本の農業文化の伝承という面から考えるべきであり、自家用菜園を含めて、ここでいう産業としての農業とは別個に評価されべきものだ…と思っています。

【追記】
   私は農業に関しては素人であり、情報をあまり持っていません。しかし、だからと云って判らないままに放っておくと、貴重な1票をムダにすることになります(誰に投票するべきかが見えてこない)。曲がりなりにも見解を明記しておくと、新しい情報を得たときに、意見が正しかったか、少し訂正した方がよういか、全く逆転させる必要があるのかが明確になります。ここの日記のような場所で賛成・反対の意見を戴くことは、私にとっては貴重な助けになります。いつも反応が少ないのが残念ですが…

閲覧数1,379 カテゴリ日記 コメント6 投稿日時2013/04/03 15:32
公開範囲外部公開
コメント(6)
時系列表示返信表示日付順
  • 2013/04/03 22:25
    イアンさん
    コッチさん

    “いつも反応が少ないのが残念”と言われて、何かコメントをと思いましたが、とにかく“難しゅうて、よう書きまへん”・・・
    印象としてはマクロ的、マスメディア的論調と受け取りました。
    年寄しかいない農村地帯の小規模農家、若手もが張り切っている都会近郊の農家、後生大事に米作だけに固執している農家、マーケット指向で多角化を図っている農家などなど、一概には論じられない思いです。
    ただ農業も‘(事)業’である以上、高率関税や補助金にすがって、生き続けられるものでないことは確かですね。
    次項有
  • 2013/04/03 23:40
    鉛筆コッチさん
    イアンさん

       コメント頂き有り難うございます。

       原発にしてもTPPにしても、少数派の声が大きいので、それに流されないように自分を確保する必要があります。

       ただTPPの場合、非関税障壁が私には読めてはいないので、総合的にはまだ判断不能ですが、こと農業に関してはこれでいいのだろう…と思っています。補助金頼り、土地の値上がり待ち農家が減り、多角化して若者が張り切れる農家が増えていくといいですね。


       本当はデータ付きの反論の方が私の参考にはなったのですが…。
    次項有
  • 2013/04/04 08:51
    日本の農業の問題は、山間部にある棚田をどういう扱いにしていくか
    だと思っております。
    生産性の悪い農地です。
    放置すれば、山の保水力が落ち水害リスクが高まります。
    里山との境が無くなり、猪・鹿・猿・熊等が里に出る獣害が酷くなります。
    単純に生産性で無く社会的なトータルコストを考える
    これは政治家の仕事なんですけどね。
    次項有
  • 2013/04/04 12:19
    鉛筆コッチさん
    【とっちゃん】さん

     私も時々棚田の写真を撮りに行くことがあるので、気にしています。おっしゃる通り、上に書いた通り特殊な農地であり、産業としての農業(生産性・コスト重視)と一括して論じるべきものではない…と思います。棚田以外にも日本文化として昔から行われている伝承農法(どんなものがあるのか私はよく知りませんが)も同じだと思います。

      これらは農水省の管轄外(文部科学省?)にした方がいいのではないでしょうか。
    次項有
  • 2013/04/07 13:53
    屯田兵じゃないけど、普段は棚田での営農に里山の整備、害獣駆除を
    そんな予備役に近い自衛隊を作るべきなのかなぁ~
    無医村にも医療活動できるしね。
    次項有
  • 2013/04/07 17:39
    鉛筆コッチさん
    【とっちゃん】さん

    いろんなアイデアが出て来ますね。

    近代戦争の訓練を受けている自衛隊員と屯田兵とは私の頭の中では結びつきにくいようです。災害救助に自衛隊が参加するところまではいいのですが…。

    勿論、退役した自衛隊員を行政が雇い入れてそれらの仕事をやらせることには問題なしです、ただ自衛隊員であったことが役にたつとは思えないので、むしろ離農して仕事を探している人達を雇う方が適切かな…と思います。

    農産物からは利益は出ないでしょうが、獣害予防、コウノトリやトキの餌育成をどう評価するか…ですが、税金で賄って貰うべきでしょうね。
    次項有
  • 次項有コメントを送信
    閉じる
    名前 E-Mail
    URL:
■プロフィール
コッチさん
[一言]
■この日はどんな日
ほかの[ 04月03日 ]のブログは、
■最近のファイル
■最近のコメント
■最近の書き込み