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2013年08月22日(木) 
   易老岳(2354m)を過ぎて尾根沿いの踏み後を辿ってきた積もりだったが、ふと気がつくと山腹を大井川の方に下って歩いている。地図にはこのような道はなかった筈だ。歩き続ければ大井川を渡れるかどうかも判らない。慌てて戻る。かなり時間ロスをしたようで、尾根に戻って間もなく薄暗くなってきた。

   日が暮れた林の中をトボトボと歩く。小さなピークを幾つも越えて尾根道は続く。柴沢小屋から光小屋への1,500mの登りで大分疲れたようだ。お腹も減った。

   朝、小屋を出てから人にあっていない。間もなく夜になった。よけい寂しい。

   柴沢小屋には私以外に2グループ泊まっていたが、格別話しもしなかったので私と同じ道を行く人がいるかいないかは判らない。私が踏み跡を間違えている間に追い越していったり、聖平の方から南下してきたりして今私が向かっている仁田池小屋泊まっている人達がもしいるなら、彼らはもうとっくに夕食を終えているだろうな。私が小屋に入って行くと随分遅いですね…と声を掛けてくるかな。よく見えない林の中を黙々と歩いていると人恋しい気分になってくる。

   突如真っ暗の中を林を抜けたら、広がりに出た。よく見ると暗闇の中に黒く池があり、その向こうに小屋がある気配。小屋から漏れてくる光はない。池を回って小屋に入る。無人。

   もし林に囲まれた丸太小屋で真ん中に薪を燃やすストーブでもあれば、一人で何かの思い出に耽る夜が過ごせそうだが、誠に変哲のない小屋。先日のような半壊の飯場なら薄気味が悪いし、暗くて蜘蛛の巣だらけで動物の骨でも転がっていたりしたら物の怪でも出てくるおそれ(それは楽しみであるかも)があるかも知れない。

   骨組みを板で囲み中央の通路の両側に板敷の寝床があるだけ。三方に窓があり、板を持ち上げれば外に開くが夜では無意味。味も素っ気もない小屋だった。

   よく見えないが池の水は汚れていて飲めないと聞いていたので池の傍から大井川側に水場を探しにかなり下り、水を汲んでまた登り、ホエーブスで夕飯の支度。

   翌朝、茶臼岳(2,604 m)を越えて亀甲状土のあるお花畑を上河内岳に向かっていると、向こうから二人連れが歩いてきた。昨日の早朝以来始めて出合う人だ。何となく懐かしい。しかし擦れ違う時に今日は!とは挨拶したが、立ち止まって話しをした記憶はない。

   仁田池小屋は今はもうないようですね。

…………………

一人で過ごした山の夜 ① (西駒)
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一人で過ごした山の夜 ② http://www.sns.ochatt.jp/modules/d/diary_view.phtml…=&l=30

閲覧数1,467 カテゴリ日記 コメント4 投稿日時2013/08/22 06:11
公開範囲外部公開
コメント(4)
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  • 2013/08/22 08:13
    おはようございます

    陽が落ちてからの移動は余程ルートを心得ていないと外してしまう
    危険がありますが、状況判断 お見事です。

    7~8年前の単独ですが、ルートのはっきりしている御嶽山ですら外して
    しまったことがあります。
    夜の8時半頃出発して順調に登り、最後に直登コースを外してしまって
    巻きながら登ってしまいました。
    途中で気がつきましたが、どちらのルートも知っていたので
    そのまま進みましたが、結局出発から山頂まで誰にも出会わず、
    星空が綺麗だったことを覚えています。
    次項有
  • 2013/08/22 09:33
    アトさん
    昭和46年発行のガイドブックでは仁田池小屋は宿泊可能になっていました。料金200円ですって。このコース、この時期だったらお花畑がきれいだったでしょうね。白籏史朗氏の写真がきれいです。コッチさんのは。

    次回は聖、赤石岳ですね。
    次項有
  • 2013/08/22 11:45
    鉛筆コッチさん
    岬のカブさん

    おはようございます。

    南アルプス、特にその南部は踏み跡が絶え絶えの所も多いので、ルートファインディングに注意が要ります。


    御岳は最後(と云っても2度行っただけですが)に行ったは50年近く前であり、
    http://www.sns.ochatt.jp/modules/d/diary_view.phtml…=&l=30

    それも飛騨側から上り、木曽側に下ったので、巻き道と直登の道の存在に気づきませんでした。
    次項有
  • 2013/08/22 11:54
    鉛筆コッチさん
    アトさん

      有料…ということは小屋番が居た…ということですね。立派な小屋になっていたのでしょうね。

      今なら茶臼小屋が使用されている筈ですね。20年程前の5月頃に雪に半分埋もれた茶臼小屋迄行ったことがあります。かなり立派でしたが、夏は小屋番がいるのかしら。

      聖平小屋以北は都会ですので一人にはなり得ず、このテーマでのこの紀行はこれだけです。別の紀行はどうしよう。
    次項有
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