ジブリのアニメを見てきました。
入場が早くて時間が余ったので、リケダン(理系男)で何も知らない私にブケジョ(文系女)の家内が風立ちぬについて蘊蓄を披露してくれました。(皆の常識? 私が知らないだけ?)
映画の内容は置いておいて、そちらの受け売りをやります。
「風立ちぬ、いざ生きめやも」;この文くらいは私もしっていますが、これはポール・ヴァレリーの詩『海辺の墓地』の中のLe vent se leve, il faut tenter de vivreを堀辰雄が翻訳したものとされているそうです。
「風立ちぬ、いざ生きめやも」は口語文に直すと「風が立ってしまった。さあ生きよう。でも生きようとするかなあ。しないだろうなあ。」となり、一方原詩の直訳は「生きることを試みなければならない」となり、両者は方向性が相違しています。そたがって堀辰雄の誤訳だ…とする人が多いそうです。
ジブリのアニメ「風立ちぬ」でも「生きねばならぬ」とされています。
調べてみると、2013年8月28日 (水)に更新されたのウイキペディアでは下記の如く上手に収めています。
ヴァレリーの詩の直訳である「生きることを試みなければならない」という意志的なものと、その後に襲ってくる不安な状況を予覚したものが一体となっている。また、過去から吹いてきた風が今ここに到達し起きたという時間的・空間的広がりを表し、生きようとする覚悟と不安がうまれた瞬間をとらえている。
映画? あまり印象に残りませんでしたね。ジブリ作品にしてはファンタジー性に乏しい。夢想はあちこちで出てくるのですが…。
中に出て来た「会議は踊る」の「Das gibt's nur einmal」は幼い頃に映画を見た筈だし、父親がSPを持っていたので、なつかしく聴きました。昔唱っていたデートリッヒだった…と思っていましたが、違いましたね。パウル・ヘルビガーって私の記憶にはない…。SPの裏に入っていた曲もなつかしい。Das muss ein Suck vom Himmel sein だったのかしら。メロディは憶えていますが…。
Das gibt's nur einmal,
Das kommt nicht wieder,
Das ist vielleicht nur Traumerei.
Das kann das Leben nur einmal geben,
Vielleicht ist's morgen schon vorbei.
Das kann das Leben nur einmal geben,
Denn jeder Fruhling hat nur einen Mai.
ただ一度だけ
もう二度と来ない
ただの夢かもしれない。
人生にただ一度
明日にはもう消え去っているかも。
人生にただ一度
だって花の盛りはただ一度だけ。
(フランス語、ドイツ語でお茶っ人で表現できない文字があるので、近いものに変更してあります。)