「永遠のゼロ」は結構な量の本で、読み始めて途中です(笑)
先ず原作読んで、映画と考えてます。
そのうちに映画の上映が終わってしまいそうですが・・・
原作も読まず、映画も見ず。漫画も見ず。しかし小川栄太郎の「永遠のゼロと日本人」を読んで、内容はほぼ把握しました(つもり)。面白かったです。 3本の映画「永遠のゼロ」・「風立ちぬ」・「終戦のエンペラー」 が記載されて、解説、批評がされています。「風の谷のナウシカ」にも触れています。著者はやや右よりなので、気楽に読めました。纏まりのわるいのが欠点ですが。 著者の立場は、大東亜戦争(太平洋戦争)は真珠湾攻撃より前の米国の日本締め付けが原因である…と云うものです。しかし、政治的な記載は僅かであり、戦争を称えているわけではありません。戦う日本の兵士の美学が主旨です。戦争反対を唱えていれば戦争は起こらない…という戦後の甘い平和主義に対しては痛烈批判です。現実に対して眼を開け…というわけです。 上記3本の映画が史実と相違する点を詳しく説明しています。私としては歴史的認識と歴史的事実の問題に思えます。小説や映画はフィクションですから事実をどうひん曲げてもいい筈ですが、読者がそれを事実と混同して、それを基本に歴史的認識を形成されては困ることだ私は思います。著者のその当たり意図は判りませんでしたが、適正なことと思われます。 特攻隊についても一章を設けて詳細に評論しています。隊員の死の前の遺文の冷静さを、ソ連やアメリカの兵隊の狂気のような残虐さ(引用元つき)と対比して記載されています。 この本は「永遠のゼロ」の原作賛歌、更には特攻隊賛歌とも云えるでしょう。 ただし戦争や軍国主義の賛歌ではありません。それらを考える材料提供としたいそうです。巻末の多くの引用文献リストは有用と思われます。 |