19日の日経新聞に「不識塾」が出した広告がありました。
そこに「不識塾」塾長の仲谷巌 一橋大学名誉教授の下記の文が出ていました。
『先般「不識塾」塾生と、英国の民主主義がなぜ先進的なのかを探るため、英国議会を訪問しました。結論は「直接民意を反映しない貴族院の存在が大きい」というものでした。何でも「民意によらなければ民主主義でない」思い込んでいた私たちには大変な衝撃でした。民意の暴走を止めるための「良識」という重石が必要だということですね』。
英国の民主主義が先進的である…とは誰がどのような基準で判断したのかは知りません(後戻りさせている…とも言えます)が、『民意の暴走を止めるための「良識」という重石』はかねてから必要性を私も感じています。
多くの国での二院制はその一方にそのようなブレーキ役をある程度持たせている筈です。それぞれ異なった方法で選出されて構成される議院が存在することによって、様々な角度からの意見が反映されていくことでより深い議論が出来るというものの筈です。現在の参議院はその役目をほとんど果たしていません。
原発や共同防衛法案などでは、深く考えないでマスコミの意見の従ったり、反対派の巧みなアジテーションに乗せられたり、根拠の曖昧な風評に恐れをなしたりして、偏った(あくまで私から見て困るなあ…と思われる)民意が多数を占めたりしており、それに対する制御手段が欲しい。
参議院がその役目を担ってくれなければ、参議院の存在価値はありません。
民意はどの方向を向いているのか…を知る方法は多数決など種々の方法があり、結果も変わってきます。単純多数決よりは順位付け方がより民意を代表するように思えます、集計が大変ですが。
衆議院は現状のままとしても参議院は総選挙ではなく、学識経験者、政党から離れた過去の政治経験者などの互選から選びたいですね。その参議院は民意を代表する衆議院が作成した政策を拒否する権限はなくてもいい(民意優先は維持)ものの、忠告・修正・再考を求める権限を持たせることにより、民意の暴走を制御する役目を担って欲しいものです。
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