ジョージアで1991年に起こったアブハジア紛争を題材に、小さな村で、エストニア人は全て退去したのに、みかんを栽培して生活費を得ようと、未だに残り続け、また、理由を明かさずそれを手伝うためにミカン箱を作り続ける二人のエストニア人。 そこに、敵対するジョージアとチェチェンの二人の兵士が負傷し、運ばれ、初めは憎み合っているが、看病される間、段々と互いに心を開くようになる。 そもそも何故敵対するのか、どの民族同士が仲が悪いのか、そもそも紛争の原因は何故なのか? こうしたことは、例え詳しい情勢、社会背景を知っていたとしても、誰にもわからないものであり、だからこそ、結末はこうなってしまうのか。 複雑な民族間同士の争いがあっても、やはり人間は同じ、では何故いがみ合うのか?というのは、これまでにも何度も取り上げられているテーマだが、未だに混沌としたもので、だからこそ、何度観ても、こうした内容の映画はやるせなさを感じてしまうもの。 最後、回復した兵士はチェチェンの傭兵であり、結構したたかさも持っているようだが、結構意気揚々とした感じで帰って行くところに、少しばかり未来も暗示しているのか? ★65点 |