昨日、京都北山にオープンした京都府立京都学・歴彩館に行って来ました。 コンサートホールの南側あり、建物は完成しているが外廻りは未だ工事中。 開館記念事業シンポジウム「京都の歴史を彩る-幕末から明治へ-」に参加。 本日のお目当ては何と言っても武士の家計簿で一躍有名になった歴史学者磯田道史さんの基調講演です。 気さくな人柄で開場前に入口に並んでいる私たちにご苦労さんと一言声をかけてくれました。最初京都府立大学に1年だけ在籍、当時府立大学には博士課程が無くその為慶応大学へ変わったそうですが、歴史いっぱいの京都が大好きだそうです。 講演内容は戊辰戦争の頃の「目安箱」についてでした。 明治の新政府は民衆の声を聞くために全国に先駆けて京都にに目安箱を設置しました。その原本34通を磯田教授が2,3日前に京都市内の古書店で発見入手。 本日がこれに関する本邦初講演となり、内15通の訴状の披露がありました。 当時の庶民が明治維新をどう受け止めたのか、生の声が分かり、貴重な情報とのこと。おおむね御一新を好意的に受け止め、前向きな提言が多いという。 「京都府を桓武天皇以来の由緒ある平安府にせよ」とか 「公費で長屋を作れという蛤御門の変などで荒廃した京の復興」に関する提言や 「新政府の紙幣発行に伴う物価高騰へ」の苦情、 「新政府の役人が酒や女色にふけっている」といった告発ものもあり庶民が遠慮会釈なく訴えている様子がうかがえます。 「京都市内には小学校が出来たが宇治にも作ってほしい」という嘆願を教栄寺の和尚と百姓恒治郎の連名で訴えているのもありました。 なかなか有意義な講演でした。 |