相変わらずLP三昧をやっています。毎日LPを片面もしくは両面を聞いています。もう三分の一ほどは聴き直しはできたでしょうか。
先日、こんなのがあったなあ…と見つけて聴いたのはダンディのフランス山人の歌による交響曲。交響曲というよりはピアノ協奏曲。ジャン・フルーネ指揮ラムルー管弦楽団のモノーラルLP故、音はよくない。主題がセバンヌ地方の山の民謡だとのことで、山の情景を描写した訳ではないが、気のせいか、山を彷彿とさせるものがある。
そこで山を思い出して聴き直したのが、グロフェ作曲の大峡谷。「日の出」、「彩られた砂漠」、「山路にて」、「日没」、「雷雨」は山の雰囲気そのもの。持っているのはレオナード・バーンスタイン指揮ニューヨークフィルのLP。「山路にて」のロバの足音を背景にした旋律を憶えていない人はいないだろう。
山を主題にした情景音楽がリヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲。こちらはズービン・メータ指揮ロスアンジェルスフィルハーモニックのCDしかもっていないが、CDが正解。
標題が「夜・日の出・登り道・森に入る・小川のほとりの旅・滝・幻影・花の牧場・山の牧場・林で道に迷う・氷河・危険な瞬間・頂上にて・見えるもの・霧が立ちのぼる・日は次第にかげる・悲歌・嵐の前の静けさ・雷雨と嵐・下山・日没・終結・夜」とめまぐるしく替わるので、今どこを演奏中なのか、曲No.が判らないと行方不明となる。
LPだと解説と時計をにらめっこしている必要がある。CDだとプレヤーに表示が出る。曲想からどこを演奏しているか判るといえば判るが境目逃すまいと緊張して聴いていると疲れる。標題が具体的すぎて、聴いていて深みがないようだ。大峡谷の方がよい。
リヒャルト・シュトラウスのツアラストラはかく語りきの導入部の混沌した部分は山の夜明けを思い出させる。
http://www.sns.ochatt.jp/modules/d/diary_view.phtml…09&m=5 山には関係のない曲だが、シュッツのムジカーリッシュ・エクセクヴィエン。この第三部の二重コーラス。天上のコーラスと地上のコーラスが初めは対比的に演奏されるが、次第に一体化される。
好天の山の開けた場所でのんびりしているときにはよくこの曲のムードを思い出す。カルル・リヒター指揮ハインリッヒ・シュッツ合唱団・他。モノーラルで、プチプチとうるさい。
http://www.sns.ochatt.jp/modules/d/diary_view.phtml…08&m=9 このLPを教養課程と修士過程で一緒だった友人の結婚祝いに贈った。彼はイギリスに留学した時に唱ったことがある…と喜んでくれたが、こちらは僻ましい気分になった。20年程前に彼は肝臓ガンで逝ってしまった。