前提【前提1】 私企業は事業を継続できる状態を維持するための少なくとも最低限の利益を確保する必要がある。さもなければ、資本が逃げ出し、事業が継続できない。これは最重要要件である。場合によっては公益を無視せざるを得ないだろう。公益のための犠牲によって潰れてしまっては、責任が果たせない。
【前提2】 社会主義的に、または公益を目的に営業する企業は経費は売り上げよりは税金から出さざるを得ない。投資しても利益が得られない企業に投資をする資本家はこの世にいる筈がないからである。あれば国連関係でなければ、妙な下心を持った連中だろう。今、中国が原料輸出国への出資が多いと聞く。
【前提3】何かの作業もしくはサービスを行って、その対価を得るという仕事において、民間企業と行政(国・地方)事業において、方向が根本的に相違する。前者は儲けが何よりも必要だし、後者は国民・県民・市民に奉仕すると云うところにポイントがある筈だ(たまには国よりは所属省庁の防衛を優先していると問題になることあるが)。合理化に依って何とか利益を捻出して赤字を出さないようにする経営技術、これは後者はからっきしだめであることは多くの例が証明している。民間企業でも国策会社であったり、霞ヶ関から天下ってきた者が経営している会社には何かと問題が多い。
【前提4】民営化してはいけない事業はいくつかある。軍隊、警察、司法、立法などが代表だ。しかしそれだって、本当に民営化できないのは根幹部分だけの筈だ。合理化のために一部の端末部分を民間に委託することは可能だろう。警察だって捜査のために走り回ったり、今後は必要とされる捜査の記録などは派遣署員でもいい筈だし、自衛官だって一部は傭兵だっていい。健保や年金のデータインプットなども民営化すべきだ、後で抜けや間違いが発見されれば弁償に応じる…との前提で。省庁が使っている箱物の管理は当然に民間がやるべきだろう。裁判所だって、裁判官は不可能にしても書記その他の機械的作業は当然に民営化だろう。必ず合理化できる筈だ。
これまでの例【鉄道】 少なくともJR東海は民営化後は利益を出しており、第二新幹線も自己資本で建設するとか。政治家が好き勝手に建設した鉄道による負債を分離した故にこそでしょうね。
【NTT】 民営化して独占性を除いて他社と競争させてからは見違えるようによくなりましたね。まだ電話線の敷設すること、それを他の企業に利用させることと云うマイナスを押しつけられているようで、完全な民営化とは云えないのに。
【航空】 日航は赤字、全日空は黒字。前者は公益のために利益の出そうにない路線にも運営する義務を負わされているみたい。そのために親方日の丸的雰囲気が強く、放漫経営。日航が放棄する赤字路線を地方民間企業が引き継ぐ気配。
【上水道】 最近は地方行政から私企業に変換する都市が増えてきているようで、コスト低減、利便改善効果が大きいようだ。ただし会社が経営に失敗して破綻した時に、市民の生活への支障が大きいので、急速には拡大していない気配。
【空港】 成田・羽田・関空と中部国際空港。さすがに後者も今は赤字だそうだが、前三社よりははるかに良好。
主題さて第一主題の【郵政】 地方までの均一サービスという公益を負わされている。私企業の本筋に反する。別に利益がタップリでているなら、その一部を恩返しに地方均一に振り向けるのもいいだろうが。
地方と都会では生活の便宜性がまったく違い、あらゆる生活の利便性において地方は不利である。それに見合うプラス面があるからこそ、地方の居を構えている訳だ。都会に出る経済力がない…という場合は、経済力がなくても生きていける…というメリットがある。空気がきれい…、仲間がいる…などなど。
多くの不均一な利便性に置いて、何故日本郵政の郵便と保険や貯金だけの均一化が要求されるのだろう、他の民営の宅急便・保険会社・銀行には何の義務もないのに。まずは競争に勝って利益を出すことを優先にすべきだ、潰れてもいいのなら問題はないが。
地方の都市と比較して不利な分野の、食料、医療、救急、燃料、交通、日常の食品、種々の生活用品、子供の教育等々。それらを個別に国隅々までの均一化を企画すれば高コストになることは明らかである。地方毎に一括して均一化が何故出来ない?
ある地方企業(私営でも公営でもいいが)が、食料・燃料・医師・病人などの運搬を纏めて請け負い、また保険事務を週一か月一に開く事務所を貸したり自分で代理業をやったり、客が買った物配達したり、場合によっては注文を受けに廻ったり、商品を軽トラに積んで巡回販売をやり、その軽トラに郵便や荷物・さらには時間帯によっては学童を運べばいい。何でも屋の店を開いたり、集会用の部屋をもって公民館の役目も果たしたり、時には幼稚園や保育園まで一手に引き受ければ、低コストで多くのサービスが提供出来るだろう。受け持ち範囲によっては利益が出にくい場合もあるだろうが、その場合には何処が補助金を出すかを検討すればよい。地方行政がふさわしいようには思えるが。
赤字必至の事業を私企業に押しつけることは原理的に誤った経済原則に立っている。日本郵政はサービスを落とすことなく安価に業務の委託を受けてくれる企業を探すだけでよい。自分で上記の全てをやる手もあるが無理だろう。民営化により、同一サービスを低コストでできるようになり、赤字の穴埋めに使用されていた税金が不要になったり、僅かだった利益が増えたりすることにより、他の有用なことにお金を回せることになる。
政府が郵貯をコントロールしたいので民営化を取りやめる…のなら理解可能。政策関連事業への融資を優先したいなどの理由で…。しかし高コストになることは明らかだし、高借金状態の現政府には返せない可能性もあるので、赤字転落にならないかしら。
巷の反対論の中に、郵貯銀行とかんぽ保険の膨大な総資産が海外のハゲタカの脅威にさらされる…との心配があるようだ。これまであった政府の保証は消えたので、並みの銀行や保険会社れベルに契約残高は縮小するのではないだろうか。何となく政府の保証があると思い込んで本郵政の契約残高が多い間は株の51%を公的機関で持っていればいいのではないだろうか。政府が51%持つのは、政治家のいいようにされる虞があるので好ましくない。
郵貯銀行の総資産は約196兆円、かんぽ生命の総資産は約113兆円。
この一部を株式にして売り出せば、かなり金額が政府に入る筈なのに、禁止にしたようだ。
第二主題の【高速道路】;通行料の無料化で、競争もなく、営業努力の不要な請求書を国に出すだけ…なんて、もう民営化は立ち消えだね。コスト低減努力が行われっこなっしになる。第一東名と第二東名を別私会社にして熾烈な競争をやらせればそれぞれが立派な民間企業になり、利用者の利便性も多いに高まる筈なのだが。
私の主張は下記
http://www.sns.ochatt.jp/modules/d/diary_view.phtml…9&m=10 次第に尻すぼみになっていく気配なのか結構だが、発想自体が不可解。
ガソリン税や重量税等と環境税。ごたごた云わないでまとめて名前だけ変えればいいじゃん。
いろいろお金が要ることが多いこ時期に、あれもこれも…と収入源を断つことはないと思うがなあ。
やっと最後に到着しました。お読み頂いて有り難うございました。