神の不在は数学的、哲学的に証明されている…との文が広告の端に記載されているのにつられて 『なぜ脳は神を作ったのか』苫米地英人(2010.06.15フォレスト出版発行)を購入しました。神が実在するかしないか…なんて議論などあまり意義のあるようには思えないのですが、面白そう…。
著者が引用する数学者・論理学者クルト・ゲーデルとコンピュータ-科学者グレゴリー・チャイティンの不完全性原理・不確定性原理が何故神の不在の証明になるのか、判りませんでした。チャイティンの不完全性原理を引用した宗教哲学者パトリック・グリムは神(完全なるもの)の存在には言及したが、必ずしも一般的な神の存在を否定した訳でもなさそうです(私の解釈)。
『ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論』高橋昌一郎(講談社現代新書)によれば、
すべての真理を知る「神」は、もちろん自然数論も知っているはずであり、無矛盾でもある。ところが、不完全性定理により、ゲーデル命題に相当する特定の多項方程式については、矛盾を犯すことなく、その真理を決定できないことになる。したがって、すべての真理を知る「神」は、存在しないことになる。
……のだそうです。
完全に理解することは私には困難ですが、「神」及び「存在」の定義によると思われます。論理に矛盾があるようにも思えます。面白そうなのでもう少し掘り下げてみようかしら。
私は来世や神の存在を信じてはいません。しかしそれらを信じている人々に、そんなものは存在しないよ…と説得する意思はありません。信じないよりは信じる方が幸福だろう…と推定しており、人を不幸に陥れることは不本意だし、説得できる私なりの論理付けがある訳ではない。苫米地氏の本によりその理論が納得できるかも…と思いましたがムダでした。 お遊びは取りあえず失敗。もう少し調べてみる積もりです。
ただ苫米地氏の著作の目的は神の不在論ではなく、幸福になるためには神や宗教,他人の価値観その他の束縛から離れて自由になれ!ということにようですが…。そちらは私の関心外。