1ドル81円台が続いています。日本人はお金持ちになりましたね。120円当時の5割増し。しかし、日本は青息吐息。 為替レートは長期的に見れば、購買力が同じになるように落ち着くものだ…との説もどこで読んだような気がします。1ドルが消費者物価では135.86円 、企業物価で104.87円、ビックマック価格では85円なのだそうです。 日本で135円する日常的な購入物が米国に行けば1ドル(81円?)買えることになるので、買い物に外国旅行するといいですね。 http://www.iima.or.jp/pdf/PPP/doll_yen.pdf 経済についての知識が乏しい私にとって、増田俊男氏の下記主張はその独自性に目を見張らせるものがあります。この考え方が正しいかどうかは判りません。通貨安誘導は世論に引っぱられた、間違った政治だ…との考えのようです。円高は日本経済にプラスである…とは言い切っていない点が気がかりですが。 余剰利益を国内に還流についての考えが正しいのなら法人税を下げることも有効に思えます。日本の税収の減少を気にしなければ…のことでしょうが。① また内需拡大には税金のムダ使いを薦めています。税金が余っているのならねえ。② 増田俊男氏の意見をご参考までに。 ① http://chokugen.com/opinion/backnumber/h22/jiji1010…1_608.html 9月27日の本誌でAmerican Job Creation Act 2004(海外の米国法人の余剰利益を国内に還流するための税削減法)が再開されるかもしれないというGood Newsをお伝えしたが、今度は9月28日下院に中国輸入品に対する関税制裁法案が提出されたことについて述べたい。 これはもし商務省が、中国政府が人民元安の市場操作をしていると認めればオバマ大統領は何時でも中国輸入品に関税制裁を掛けることができるというものである。 これはオバマ政権の基本方針である「大きな政府」の一貫とも言える。 アメリカでは、アメリカの雇用が中国に輸出されるとか、中国の低価格の輸入品でアメリカ企業が倒産に追い込まれていると広く信じられている。 そのため人民元安の対抗策としての、対中制裁を正当化する世論が生まれる。 中間選挙を目前とした議会での対中輸入品制裁は国民の支持を得ることは間違いなしである。 事実は小説より奇なりと言うが、実際アメリカ企業は中国製品と価格で競争しようなどとは考えてもいない。中国に出来ない分野で競争をしているのである。 また中国からの輸入が増えるほどアメリカの雇用は増大している。 通貨が高いか安いかを決めるのは国内の生活水準と賃金の国際比である。 だからアマとプロが一緒にプレーをする(人民元を自由化する)わけにはいかないのである。 こうした国際自由経済と通貨の原則はわかり難く、わかり易いのは「円高は貿易大国日本(日本は貿易大国でなない)にマイナス」、「人民元安はアメリカ経済にマイナス」である。 マスコミはわかり易いのが大好きだから世論はわかり易い方になる。 世論の支持を得るためには「事実無根」の主張や法案までが必要になるのである。 日本の生活水準と賃金がアメリカに追い付いた時、円は自由化した。中国の生活水準も賃金も日米の水準にはほど遠いので人民元がドルとのペッグ制から解放され自由化するのは当分あり得ないのである。 中国、アメリカ、日本がハンデ無しでゴルフをしたらまったく面白くないが、それぞれハンデを持ってプレーすればテレビ番組になるというもの。 American Job Creation ActはGood News であるが対中輸入品制裁法案はBad Newsである。 …………… 【コッチ 註】 なお、The American Job Creation Act 2004とは海外の米企業の利益を米国本国に送るなら事業税を35%から5.25% に引き下げるという時限立法であり、再度その実施について上院で審議されることになったそうである。 現在海外の米国法人の余剰利益は100兆円以上ある。2004年では約30兆円が本国に帰り2007年10月までの株価高騰に貢献した。 George Town University のMr. Andrew L. Stern氏によると、いま再現すれば240万人の雇用増になるという。 …………… ②別の所ではこうも云っています。赤字を恐れない主張ですね。 http://chokugen.com/opinion/backnumber/h22/jiji1010…4_611.html 資本主義にとっての基本、すなわち資本主義が存続出来るか出来ないかは「無駄」に掛っている。オバマ大統領は内需拡大の本命として日本が最も嫌うコンクリート型公共投資に借金(国債)をつぎ込んでいる。 建てたばかりの公共施設も不便だと言っては壊し又建てる。成熟した経済にはこうした無駄こそが内需拡大と成長の即効薬なのである。 日本は無駄を経済の敵としているのだから、とても内需拡大などおぼつかないし、デフレ脱却など夢の又夢と言うもの。 日本に比べて何十分の一の生活水準の国民が7億も8億人もいる中国では放っておいても内需は拡大します。何億人もの低額所得者が日本並みの生活水準になるまで中国の内需は拡大し、経済は成長し続けます。 だから中国には今後20年くらい短期のインフレはあってもデフレはあり得ないのです。 成熟国家とは、国民がもうこれ以上何もいらないような生活水準を保っている国のことをいいます。必要なものはすべて揃っているご家庭の国のことです。 成熟国家にとっての経済成長とは「不必要に」生活水準を上げること、すなわち「無駄」をすることなのです。 国家の経済成長を考える時、我々はその国は成熟国家なのか未成熟国家なのかを見極めなくてはならないのです。 日本を含む先進国の経済成長は、一に「無駄」に掛っていると言っても過言ではありません。 日本が本当に経済成長を望むなら、ご先祖様に謝った上で、無駄に専念することです。 |