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2010年12月29日(水) 
   功利主義は道徳の至高の原理は幸福、即ち苦痛に対する快楽の割合を最大化することである…との考え方である。最大多数の最大幸福が正義とされる。

   お金持ち、たとえばマイクロソフトのビル・ゲイツから100万ドル分捕って、100人の困窮者に1万ドルずつ分配する。ビル・ゲイツはそれポッチのお金では資産が減ったことに気づきもしないだろう。すなわち苦痛もなければ幸福度が減ることもない(どこかの首相は6億円の相続税を払わねばならない程のお金を母親から受けとっていた事に気付かなかった)。一方分け前を貰った100人は狂喜するだろう。功利主義的判断からすれば、それにより最大多数の最大幸福は達成できる。それに賛成する貴方は功利主義者だ。貧者を救うために金持ちに税金を課そう…というのは正義に叶う。

   これは正しくない…という反論に二つがあり得る。一つは功利主義者の内部からのものだ。ビル・ゲイツに高率の税金を課すと彼は勤労意欲をなくして仕事をしなくなる可能性がある。収入が減った彼からの税額も減るだろう。また彼が仕事をしなくなるとマイクロソフトの収入も減り、そこから取りたてる税額も減るかもしれない。ウィンドウズの品質も低下し、パソコン使用者に損害を与えるかも知れない。そうすると最大多数の最大幸福が得られなくなる…というものだ。これは功利主義における正義の判断の難しさだ。

   もう一つの反論は、ビル・ゲイツが公平な手段で自分の能力と資本を得、それらを使用して公正な手段で稼いだ資産を自由に使用する権利を彼は有する…という思想から来るものだ。勿論彼の選択肢には慈善事業に寄付することも入っているし、何台もの自家用ジェット機を買うことも入っている。しかし、上記課税は彼の権利、自分の資産を自由に使う権利を侵害するものであり、正義に反する…という自由至上主義者(リバタリアン)の反論だ。これに賛成する貴方はリバタリアンだ。

   少数派の犠牲において多数派が幸福を得ることを正義とする功利主義は間違っている、どの人間も自由への基本的権利―他人が同じことをする権利を尊重する限りみずからが所有するものを使って、みずからが望むいかなることも行うことが許される権利を有する…というのが自由至上主義の考え方です。

   彼らの主張によれば、契約を履行させ、私有財産を盗みから守り、平和を維持することのみを行うのみの最小国家が正しい。それ以上のこと、特に冨の再分配を行うために行うための課税は個人の権利を侵害するものだと考える。

   富める者が貧者を支えることは望ましいことであっても、強要されるべきではなく、富める者の自由意思によるべきだと主張する。

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4人の遭難漂流者 Justice @Michael J Sandel ②http://www.sns.ochatt.jp/modules/d/diary_view.phtml…=&l=30

肺ガンで儲ける Justice @Michael J Sandel ③http://www.sns.ochatt.jp/modules/d/diary_view.phtml…=&l=30

ミミズ食べ賃Justice @Michael J Sandel ④http://www.sns.ochatt.jp/modules/d/diary_view.phtml…=&l=30

閲覧数686 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2010/12/29 00:28
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