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2012年01月10日(火) 
3.五蘊皆空で、さわやかに生きる

●3-1 五蘊を空じ、あるがままに生きる

   それでは、観音様はどのようにしてこの三つの働きを手に入れられたのでしょうか。それは「観自在菩薩」の次に、「行深般若波羅蜜多時」と書いてありますでしょう。これがその答えです。

   「行」というのは修行という意味です。「深」というのは甚深(じんじん)と言って、徹底することです。「若波羅蜜多」というのは智恵の完成ということです。ですから観音様は、智恵の完成の行を極められて、そうした境地に到達されたということです。

   その挙句にどうしたのか、というのがその次に書いてあります。「照見五蘊皆空」です。「照見」というのは悟るという意味です。「五蘊(ごうん)」は皆空である、こう観音様はお悟りになられたということです。

   では、「五蘊」とは何か。蘊というのは大変難しい字ですが、一つ目が「色」、二つ目が「受」、三つ目が「想」、四つ目が「行」、五つ目が「識」。色・受・想・行・識。この五つを五蘊と言います。そして、蘊というのは、寄り集まるという意味です。五つの物が寄り集まってできているということでございます。

   まず、「色」は何かと言いますと、これは色身(しきしん)と言いまして、私達の身体のことです。身体、肉体のことです。「受」とは、感受すること。
「想」は想念、思いを巡らせること。「行」というのは囚われること。そして「識」は認識すること。
ですから、色以外の、受・想・行・識の四つは心の働きを指しています。そしてこの四つの心の働きと色、つまり身体を合わせて、「五蘊」と言うのです。

●3-2 足るを知る生き方

   我々は、身体と心があると思うから悩み苦しみます。辛いな、苦しいな、歳をとったな。そう言って悩むのです。これを、空じていくことです。

   「五蘊皆空」。五蘊は皆、空である、仮の物だと思っていればいいわけです。身と心、これを「身心」と言いますが、仏教では身心(しんじん)と読みます。これは空であるということです。

   昔、唐の時代に、玄沙師備(げんしゃしび)という修行僧がおりました。玄沙は雪峰義存(せっぽうぎぞん)和尚のもとで一生懸命、修行をしておりました。昔の禅僧たちは、悟ろうと一生懸命修行をするのです。

   玄沙も一生懸命修行をして、悟りたい、悟りたいと思っておりましたが、悟れない。いつまでたっても悟れない。ついに玄沙は思います。「雪峰和尚のもとでだけいるから悟れないのだ。これから行脚に出て、多くの師匠に会って教えてもらえば悟れるに違いない。そうだ行脚に出よう」。

   玄沙は和尚に許しを請いまして、旅装を整え、寺を出て、行脚の旅に出かけました。昔のことですから、道はでこぼこ道です。玄沙は何かを考えながら歩いていたのでしょう。思い切り道に出ていた石に足のつま先をぶつけてしまいます。ものすごい痛みが走りました。玄沙はかがみ込みまして、「あ、痛たたた」と言って、つま先を押さえました。その時、「ふっ」と玄沙は思ったのです。

   「和尚は、一切万物は『空』であると教えてくれている。なのに、この痛みは一体どこから来るのか」。

   すごいでしょう。昔の禅のお坊さんというのは。こうして思っているうちに、ふっと閃いたのです。悟ったのです。

   「そうだ、今まで『空』というのは、何もないことだと思っていた。『無』だと思っていた。でも、そうじゃない。では、『空』とは、あることなのか、ないことなのか」。

   玄沙はこの時気づきました。

   「有無を超越し、囚われない心」。

   これが「空」なのだ、と悟ったのです。そこで玄沙は旅を止めまして、寺に引き返して帰ってくるのです。そして、和尚に、「ただいま戻りました」と言いました。和尚はびっくりして、「おまえ、今、旅に行くと言って出たばかりじゃないか。一体どうしたんだ」。すると、玄沙が答えました。「私はもう二度と世間からだまされません」と、玄沙はこう言ったそうであります。

   これは禅の公案ですので、ちょっと難しいのですが、絶対に世間からだまされないというのは、「真実を会得した」ということでございます。そうすれば一切の雑念に迷わされない、という意味なのです。

   玄沙は、「雑念が払われて迷いはありません」と、こう答えたというのですが、そうした境地が「空」というものです。つまり、あらゆることに囚われていると、苦しみや悲しみが増幅してきます。そうしたことから離れていく。それを空じていく。そういう智恵が、この般若心経の智恵なのでございます。

                                     (つづく)

  …………………………………………

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閲覧数638 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2012/01/10 10:29
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