① 尖閣諸島は中国固有の領土? 1895年、尖閣諸島を日本の領土とする前にも、尖閣諸島に関する資料は当然に沢山あるだろう。問題は清、明、琉球(「流求國」もしくは「琉求國)において自国の領土であることを認識していた公文書が残っているかどうかである。
もし清や明において自国の領土としていた証拠が見付かれば、1895年の日本領土としたことが武力による奪略になるかどうかである。領有に際して武力が使用された気配はないが、日清戦争で日本が優勢であることは明瞭だったようだ。
仮に現在は否定されている武力による取得であっても、1895年当時の武力による領土獲得は国際法違反になるのかどうか…である。もしなるなら、ソ連による択捉島・国後島・色丹島・歯舞群島、韓国による竹島の実効支配も武力に依ったものと云えるだろう。
目下の所、琉球側にも中国側にもハッキリした証拠はなさそうである。
清は「反清復明」を掲げる台湾の鄭氏政権を倒すことには熱心だったが、台湾を領有することには消極的だったようだ。ましてや人の住みにくく、資源の存在も確認されていない尖閣諸島を領有しよう…などの意識はなかった…と推測される。それに反する証拠が出てくれば話しはひっくり返るが…。
したがって尖閣諸島は国際法でいう「無主地」であったと推測される。したがって、両者のいずれかに証拠が出てこない限り、尖閣諸島は1895年に日本の領土とされて初めて「無主地」ではなくなった訳だ。日本による先占と云えそう。
こんな話しをいくら突き詰めても、紛争の解決になりそうには有りませんが、法的にはどうなっているかを考えておくことは無意味ではないだろうと私は思います。
②尖閣諸島は台湾のもの? 台湾は1895年、下関条約(日清媾和条約)によって日本のものとなった。ここには尖閣諸島の記載はない。
清国は、遼東半島、台湾、澎湖諸島など付属諸島嶼の主権ならびに該地方にある城塁、兵器製造所及び官有物を永遠に日本に割与する。(第二条、第三条) 【註】清国は台湾を部分的には統治していたが、統治の及ばない部分が沢山あったようだ。しかし、自国の領土との意識はあったのかも知れない。
その後のサンフランシスコ平和条約により台湾と澎湖諸島は日本の敗戦により中華民国のものとなった。しかし尖閣諸島については言及されていない。中国は台湾に含まれる…と主張する。台湾に非常に近い澎湖諸島でさえ台湾と併記されていて、台湾と区別されている。台湾から遠い澎湖諸島は格別の証拠がない限り、台湾に含まれているとは考えられない。
記載のない尖閣諸島は日本から中国に移譲されてはいないとしか読めない。
もし台湾の領土であれば、当然に中国の領土ではない。
③日本政府の巧拙 一体日本政府はどう解決するつもりだろうか。
中国の政権交代が終われば沈静化すると見ているのだろうか。
しかし、やや親日的であった胡錦濤主席に較べて次期主席となることががほぼ確定している習 近平は嫌日である…と聞いている。
http://blogos.com/article/47476/ 中国領土の主張を引っ込める筈もない中国をいやがる次官協議会に引っ張り出しても、日本の提案がない限り、議論が進む筈もないのに無駄なことをやっている。妥協案を提出する意思はないのか。
これまでの棚上げの約束を、2010年9月7日中国漁船を捕獲して破ったのは日本だ。それを元に戻す責任は日本にあるのでは?
日本が棚上げの約束を破ったので、もう棚上げの約束を気にする必要はないことを中国の軍部は喜んでいる…と云っている人もいる。
またある人の別の意見;
第二次大戦後、北方領土、竹島、尖閣諸島をもとに日本、韓国、中国、ロシアに領土問題が起きるように仕掛けたのはアメリカである。 それは近代史におけるアメリカの一貫した政治戦略を知れば分かる。アメリカは国家至上戦略としてあらゆる機会を利用して日本を中国から引き離してきた。パックス・アメリカーナ(アメリカの世紀)を保証しているのはドル基軸制と世界最強の軍事力であることは自明のこと。 もし日本と中国の同盟化が進展すればパックス・アメリカーナの保証が消滅する。 アメリカは今も日本と中国との関係を悪化させながら、日本を再軍備化することでアメリカの軍事力に日本の軍事力を加えて中国を抑えようとしているのである。 アメリカは中国の対日デモを反政府デモに世論操作しながら、民主国家に比べてはるかに効率的な中国の独裁政治を去勢する。 竹島と尖閣諸島領有問題が起こったタイミングは、パネッタ米国防長官のアジア訪問のスケジュールに合わせただけであった。 http://chokugen.com/opinion/backnumber/h24/jiji1209…0_763.html …………………
さて、日本はどう考え、どう行動する? 日本経済に悪影響を引き起こさない方策を考えてほしい。
CIAのように情報収集、情報操作、種々の対外裏工作を行う諜報機関があって、それにより日本の利益を図ることもあってもいいのいではなろうか。日本人の心情には合わないような気もするが…。
せめて各国の言語もによる、ネットを利用した、戦後の日本が各国に行った援助活動、平和への寄与(原爆不所持などに依る)などPR活動があってもいい。