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不耕起農業ゼミ/SRI農法研究の「不耕起で卒論まで書いた大学生の喋る場所」
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不耕起で卒論まで書いた大学生の喋る場所
【閲覧数】1,249
2009年03月06日 20:41
分科会を前にしてですが、私のほうから、不耕起農法になぜ興味をもったのか、またどんなことを卒業論文で書いているのか、卒業論文では明らかにならなかったけど、こんなことを考えられるのでは?ということをこのトピックに書かさせて頂きます。

①なぜ不耕起栽培に興味を持ったのか?

僕自身は、不耕起栽培に始めて出会ったのは、大学一回生の冬でしてた。
岩澤信夫氏の「不耕起でよみがえる」を読んで、衝撃を受けました。

ちょうど、そのころ大学に入ってから、農業や環境の勉強をちょっとずつ始めたころなのだったのですが・・・。
「有機農業って、全然儲からないし、可能性もないんじゃないか」と弱気になっていたことを覚えています。
(もともと環境問題などをやりたくて農学部に入学した口なので、有機農業=善 と考えていた 若いですね)


これなら、無農薬栽培・無化学肥料で、収量も落とさずに、米を収穫することが出来る。
しかも、耕さないんだって。へー。そんな農法あるんだ。
↑ここ注目。
 単なる学生であった僕には、「耕さない」ということの不自然さが、そこまで伝わってこなかったのです。
 だからこそ、僕がこの本を読んで次に思ったことは

「自分もやってみたい!無農薬で、お米を作ってみたい!」

というものでした。


書き込み数は6件です。
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Re: 不耕起で卒論まで書いた大学生の喋る場所
【返信元】 不耕起で卒論まで書いた大学生の喋る場所
2009年03月06日 23:50
なんだか、途中からです・ます調がである調になっていますね。

どうしても、話が堅くなってしまって悪いなあ。
僕の悪い癖です。


「要は」
不耕起農法に注目しているのは、2つあります。

・省労力技術としての注目。
直播栽培を達成するのに、愛知式不耕起V溝直播栽培のような技術が存在する。ポイントは不耕起。
直播を達成するには、不耕起栽培が一番いいんだ!

・無農薬栽培で手間をかけず、収量を落とさない技術としての注目
無農薬栽培を行うのに、岩澤氏の提唱する冬期湛水・不耕起移植栽培が非常に役に立つんだ!


というわけです。
長々となってしまったので、次のトピックではもっと別角度から話をしたいと思います。
Re: 不耕起で卒論まで書いた大学生の喋る場所
【返信元】 不耕起で卒論まで書いた大学生の喋る場所
2009年03月06日 23:43
佐原氏や、安井氏を聞き取り調査させて頂いて時に一番感じたこと。

それは、両者とも、不耕起移植栽培を始めたことで、新たな楽しみを得ていること。

安井氏であれば、関西地方において不耕起移植栽培の第一人者として、新たなネットワークを作りだし、農家との交流を深めており、またその普及に努めている。

佐原氏であれば、収穫祭として地域の消費者と交流を持ち、また結いの田という農作業体験ワークショップを開催している。自らも楽しむ形で地域の交流を生み出し、また消費者へ安心な米作りを啓発している。

不耕起移植栽培という、あまり有名ではない特殊な農法を選択するには、どうしても人の助けが必要になってくる。
だから、人的なネットワークが生まれる環境はある。
また、そのような「価値ある」農業を行うことで、人が集まる。
そこに交流が生まれる。

両者の米作りは、単に無農薬栽培を行っているのみならず、交流を生み出している。その交流の中で生み出された米こそ、本当の「安心」が手に入る米であると思う。


特別、不耕起栽培だけが、このような「安心」を手に入れられるのではないと思う。
しかし、「地域で、顔が見える人が作ったお米で、しかも無農薬。その気になったら、自分も農作業の現場を見学・体験することが出来る」
という高いレベルで消費者へ「安心」を提供しているのは、両農家の絶賛に値する点であるだろう。

Re: 不耕起で卒論まで書いた大学生の喋る場所
【返信元】 不耕起で卒論まで書いた大学生の喋る場所
2009年03月06日 23:30
2、「質的な」食の安全について

昨今のマスコミによる食の安全神話崩壊、事故米の存在など、様々なニュースで日本人は「安全な食」も欲しがっている。

安全とは、科学的に考えた場合「無農薬栽培」がいいのかもしれないが
(個人的には、農薬の使用=危険 と決め付けるのはおかしいと思いますが)

作物に「これは無農薬栽培です」と書いてあっても、もはや消費者はそれを素直に信じることが出来ないのではないか。



岩澤氏の提唱する、不耕起移植栽培では、収量を落とすことなく無農薬栽培を達成することが出来ている。
この栽培方法を確立したこと。これは非常に評価することが出来る。

しかし、この栽培方法を継承した農家の活動は、単に無農薬で米を作っている以上の効果を生み出しているだろう。
Re: 不耕起で卒論まで書いた大学生の喋る場所
【返信元】 不耕起で卒論まで書いた大学生の喋る場所
2009年03月06日 23:26
1、「量的な」食の安全について
これから、日本の農業に関わる人口は少なくなってくる。
というか、日本全体の労働人口が減少してしまう。

そのときには、一人当たりの生産性を高める必要がある。
そのときに、不耕起直播移植栽培が必要になってくる。

これは、愛知式不耕起V溝直播栽培と呼ばれる不耕起で直播を行う農法で、愛知県で開発されたものが有名である。
その特徴は、収量を落とすことなく

・極端な省力化(移植栽培より4割労働時間が削減出来る)
・作業分散(直播栽培を行うと、移植栽培と収穫期をずらすことが出来、機械を効率的に動かすことが出来る)

を達成したことである。

この技術が全国に広まれば、労働人口が少なくなったとしても、日本人全体に必要な米をまかなえることが出来る。

これが、僕の考える「量的な」食の安全です。
Re: 不耕起で卒論まで書いた大学生の喋る場所
【返信元】 不耕起で卒論まで書いた大学生の喋る場所
2009年03月06日 23:15

□なぜ不耕起農法が広まってほしいと考えて、農作業体験ワークショップ「結いの田」を開催したのか?


それは、「不耕起農法が、今後日本の農業を支える上で必要な農法だから」
です。


なぜ必要なのか。
それは、食の安全を守るためです。
特に、僕は稲作、米の食についてこの不耕起農法が必要になると考えています。


食の安全って何か。
それは
1、「量的な」食の安全
2、「質的な」食の安全
の2つに分けることが出来ます。
Re: 不耕起で卒論まで書いた大学生の喋る場所
【返信元】 不耕起で卒論まで書いた大学生の喋る場所
2009年03月06日 23:12
そんなこんなで、素人の僕が、田んぼ経験3年というほとんど素人の方と一緒に舞鶴市で岩澤氏の本をもとに不耕起の田んぼを作り出しました。

そんな僕が、不耕起栽培に対して自分で行うまでの魅力を感じたのは、単に無農薬栽培を行いたいからだけではありません。

無農薬栽培を行うだけなら、合鴨農法や米ぬか除草、また人力による除草などが考えられます。

しかし、振り返ってみると、それらのどの農法にもない魅力を不耕起農法が持っていたのです。

その理由は、大きくわけて2つ。
①機械を使用しないですむし、他に必要な資材がないこと。

不耕起農法は、他の農業技術とは違い、「引き算」の技術です。今までは耕す必要があったのに、耕さないでいいという。そのような技術は、僕ら機械もお金ももたない素人から見たら、非常に嬉しい技術です。

②生物がたくさんいる田んぼが出来るから

これは、作業中に特に感じたことですが、田んぼには多くの生き物が棲んでいます。しかし、それらの生き物は、耕されることによって、死んでしまうこともあるのです。

自分が耕すことによって、生き物を殺している。このような事実を知り、素人で楽しんで農業をしているのに、土の中の生き物を大量に殺すことはしたくないな、と感情で思いました。

だから、不耕起という農法で、生き物を田んぼにたくさん保ったまま、農業が成り立つというのは、感覚的に気持ちのよい農法でした。