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「テロリストのパラソル」の著者、藤原伊織氏のご冥福を祈ります。
【閲覧数】461
2007年05月19日 22:00
四月末から藤原伊織氏著短編集「雪が降る」を読んでいました。
この短編集には六編が収められています。
その中の「雪が降る」は団塊世代の中年サラリーマンの話です。
大企業の中間管理職の主人公は毎日雀荘から出勤する、怠惰な生活を送っていました。
有能な年下の部下には、経験上から鋭いダメ出し指示を出し。
でもその部下の人事考課には「A」を付ける。
同期の親友の上司には仕事をもう少し頑張れと言われ。
社内では大規模な人事異動が始まろうとしている。
自分は誰が昇格しようと関係ないと常々思っているのに。
その上司の息子からは「母を殺したのはあなたです。」とメールを受ける。
若い頃恋人だったその人。
四年前偶然に入った映画館での再会。
その結果が。

学生時代、歌を歌って世界平和が来ると思っていた奴、デモや政治活動で日本が変わると思っていた奴、雀荘の中からそんな奴を眺めていた僕。

同年代の作者の感覚は素直に胸に響きます。
周りの人々に対して情の深い主人公の生き方、そんな生き方に憧れを感じました。
心に染み入る感動作品です。

藤原伊織氏のご冥福を祈ります。

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