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鵜飼の話 vol.3 「各地の鵜飼①中部編」
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2008年07月26日 16:45
今回からは各地の鵜飼を紹介します。

現在日本では12か所の地域で鵜飼が行われています。
昔はきれいな川のあるところでは漁業としてもっと多く行われていたと
思いますが、漁具の発達などにより漁としての鵜飼は徐々に廃れていきました。
現在行われている12か所でも、今は漁としてではなく観光用としての鵜飼がほとんどです。

では、北から順に紹介します。

★ 山梨県笛吹市石和(笛吹川)★
ここの鵜飼の特徴は、なんといっても徒歩(かち)鵜飼。
鵜飼とひとことで言ってもやり方は様々。主に次の3つのやり方があります。
・舟鵜飼→一艘の舟に鵜匠1人、船頭1~2人が乗り、鵜匠は舟の上で数羽の鵜を操って鵜飼を行う。
・徒歩鵜飼→1人の鵜匠が1羽の鵜を連れて川に入り、歩きながら鵜を操る。篝火の変わりに松明を使い、右手に松明、左手に鵜を持ち川面を照らしながら漁をする。
・放ち鵜飼→字の如く放して行う鵜飼。鵜の首にはくくりがしてあり、鵜匠は鵜を連れて舟で魚がいそうな場所を探し、そこで鵜を放ち鵜は魚を捕らえたら舟に戻る。残念ながら現在日本では見ることができない。
笛吹川では地元の高校生など伝統文化を残そうと集まった有志の方々が鵜匠として活躍しています。
そして、一般の方でも予約をすれば鵜飼体験ができる!というユニークな企画もあります。
因みに、毎年行われている「全国鵜飼サミット」の今年の開催地はこの笛吹市なのです。私も初めて行くのでとても楽しみです。

★ 岐阜県岐阜市長良(長良川)★
鵜飼の代名詞ともいわれる長良川の鵜飼。12か所のなかで一番集客数も多く最も有名です。
長良川の鵜飼のポイントはなんといっても鵜飼をする鵜匠に宮内庁式部職が与えられているということです。この長良川には天皇家の御漁場があり、毎年8回御漁鵜飼を行いその時に捕れた鮎は天皇家に献上されます。
長良川では岐阜市長良とその上流に位置する関市小瀬の2か所で鵜飼が行われており、長良に6家、小瀬に3家代々鵜飼を司る家があります。
長良川は川幅も広く毎日6艘の鵜舟が出船し1人の鵜匠が10羽~12羽の鵜を扱います。
舟の順番はくじ引きで決まり、どの舟もまんべんなく魚が取れるよう位置を変えながら川を下りながら漁をし、そして最後に「総がらみ」が行われます。
「総がらみ」とは6艘の鵜舟が一斉に魚を追い込む長良鵜飼のクライマックスで、その雄大さと迫力は一見の価値があります。「総がらみ」を見ることができるのは長良だけです。
余談ですが、私はこの長良という街で生まれ育ちました。なので、鵜飼には子供のころから馴染みがあったのです。宇治川の鵜飼シーズンが終わると必ず実家に帰り、長良の鵜飼を見に行きます。

★岐阜県関市小瀬(長良川)★
岐阜市の北東に位置する関市でも鵜飼が行われております。上に書いたとおり小瀬の鵜匠にも宮内庁式部職が与えられております。
こちらは、長良に比べると規模もお客さんの数も少ないですが、短い鵜飼の時間に凝縮した鵜匠の技を見ることができます。
宇治川の鵜飼は、この小瀬の鵜匠から教えてもらったことが多くスタイルは岐阜の鵜飼によく似ています。今でもアドバイスを頂くことが多くあります。

★愛知県犬山市+岐阜県各務原市(木曽川)★
国宝犬山城のすぐ下を流れる木曽川。ライン下りなどでも有名なこの場所で鵜飼が行われています。形式的には長良や小瀬の鵜飼と似ていますが、ここでは4年くらい前より昼鵜飼が行われるようになり話題となっています。
鵜飼は夜行うものと思われますが、鵜の扱い方に種類があるよう、行う時間帯によっても「夜鵜飼」と「昼鵜飼」と2つに分かれます。
現在「昼鵜飼」を行っているのはこの木曽川だけです。
・「夜鵜飼」は魚の動きが鈍る夜に、岩陰で休む魚を起こし(舟べりをコンコンとたたきその音で魚を起こします)驚いた魚が篝火(明るい方)に集まってくるところを鵜に取らせます。
・「昼鵜飼」は魚の動きが活発なので捕まえるのは難しいですが、周囲が明るいので鵜も水の中を見渡すことができます。
木曽川の鵜匠は、なんと市の職員なのです。なのでここで鵜飼を行うにはまず公務員試験を受けないといけないんです。
宇治川では鵜匠になるのに特に決まりはありませんが、場所によっては世襲制だったり公務員だったりと様々なのです。


今回はここまでです。
次回は関西の3か所(宇治川・嵐山・和歌山健有田川)を紹介したいと思います。次回をお楽しみに!

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