蒼い空を見ると想い出すことがある。幼い頃から 運動神経は悪くはなかったにもかかわらず球技の才能はなかった。それに未だ不幸にも気付かなかった頃、父や姉がテニスがとても上手だったものだから何も考えずにテニス部に入部した。人一倍の練習量と本を買って研究したり、あらゆる努力をしたにもかかわらずいっこうに上手くならない、、、だからもっと頑張った。2年、3年とやっていくうちに、いくら鈍感な私でも自分に才能のない事にようやく気付いた。 そこで常識的な判断がつく人ならば、もっと自分に合ったものを探して、さっさとやめていくものだ。無駄な動きは避けたほうがいい。でも… 私は懲りもせず、その意味の無い事にがむしゃらになって頑張った。 ある日の事、嘘のようにボールがラケットの芯にスパッ!と当たった!!無論、偶然と思った。しかしそれは夢のようだけれど、どうやら偶然ではない事がその後分かった。 厚い雲を突っ切って、スーッ!と真っ蒼な空へ抜け出た感覚・・・ その爽快感は今だに鮮明にこの体が覚えている。