裏口入学 白熱教室in東大@Michael J.Sandel
2010年10月27日(水)
今年8月25日サンデル教授の東大講演メモ
東大の入学試験で、ギリギリで落ちた人の親が、通してくれれば何億円かの寄付をすると申し出たら、東大は彼の入学を認めるべきかどうか。彼を入学させれば東大は立派な図書館を作ったり、プールを作ったりできるだろう…と。彼の点数なら、授業についていくことには問題ない。
聴講生のほとんどは通すべきではない…との意見だったのには驚きました。不公正だ…と云うのです。じゃあ寄付金をもう2倍にしたらどうだ…とサンデル教授。回答は金額が増えれば不公平が増えて余計ダメです…。これはもう支離滅裂。
3000人位の合格者の内の一人か二人なら問題ないのでは…との意見に、じゃあ10人ならどうだ?…には何人までならOKかの線は引けない…と。
東大に入学できるのは親が裕福な人がほとんどだから、もともと公正は確保されておらず、入れればいい…との意見も。
頭脳に優れているのは本人の努力のたまものと云えるのか。頭脳の高い両親から生まれたり、裕福な家庭育って良質な教育を受けさせて貰った結果ではないのか。どのような家庭に生まれるかは本人には選択権はないのに、家庭によって合格不合格が決まるのは不公平ではないのか。そもそも努力をする…という習慣も、生まれてきた家庭の雰囲気によって決まるのではないか。また、長子は第二子よりは合格率が高いそうだ。何番目に生まれてくるかには本人には責任はないことは明らかだが。
そもそも東大では卒業試験に通るのが大変だ…と聞いたことが無いので、格別高等な学識を持たせることが目的ではなさそうである。入学試験がもう少し楽な京大と、ノーベル賞受賞者の数は同じである。
米国の大学では公立であっても、人種のバランスを合わせるために、マイノリティの出身者を優先入学させることも結構あるようだ。不合格だった白人受験者は不公平だ…と主張する。
日本においても同窓生の子女を優先入学する私立大学があると聞く。地元優先もあるようだ。また学業はダメでも、野球ができるとか、碁が強い…などで推薦入学という制度も国立大学にもある。大学の目的は野球や碁で強くなることではない筈だ。このような風潮は不公平ではないのか。
サンデル教授は多くの例を引用して、考えるべき要因を並べているが、もともとこの問題には結論は出していない。
標題を「裏口入学」と書きましたが、目立ちやすくしただけで適切ではありません。寄付金は内緒する必要はなく、これこれこれ以上の寄付があればOKだ…と入学案内に書けばいい。あいつは寄付金で入った…なんて云われることがないようにする必要がありますね。個人情報を護れ…か。
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カテゴリ日記
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投稿日時2010/10/27 18:06
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