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2016年06月03日(金) 

   赤川 学 の「子どもが減って何が悪いか!」を読みました。いい本ですが看板に偽りあり…です。子どもが減ってもいい…とはどこにも書いていないからです。また少子化防止に有効と思われる提案もありません。

 

   著者は現在行われている少子化を防止する施策について、実データーの解析に基づいて疑問を呈しています。リサーチ リテラシー によって 調査方法や分析方法が誤っているもの、あるいは分析者や発信者によるミスリードをチェックしようとするものです。

 

   そうして少子化防止についての過去の多くのレーポートに於けるデーターの集め方や解析結果解釈について否定的です。

 

   データーを見直す…と云うことは、その結果としてレポートに賛成・反対どちらになろうとも、自分の意見を主張する人は見習って欲しい態度だと思います。統計解析を囓った私には説得性があります。(「統計でウソをつく方法」といったような本がよく出ていますが、いいかげんなデーターに騙されないようにすることが重要です。)

 

  話が横にそれましたが、本論に戻します。

 

【本の要旨】

① 女性の就業率の高い国ほど、出生率も高い。;反対。サンプルに使った国数が少なく、しかも偏っている。

 

②男女共同参画;その必要性は認めるが、少子化防止には無効。

 

③夫の家事負担によって子どもが増やせるか;既存のデーターからは増やせない。むしろ逆である。

  夫が管理職や専門職である程、妻が高学歴で常勤の場合が夫の家事負担が大きく、子どもの数は少ない。子どもが多いのは農家。(私は両者に因果関係があるのではなく、別の要因が夫の職業や子どもの数に影響していると考えます。)

 

④出産補助金や子育て補助金を増額すること;(産む/産まない)の自由を侵すことになる。(これはデーターはない。著者の意見でしかない。私は著者に反対)

 

⑤出生率の低下への寄与は、結婚した男女の出生率低下よりも結婚しない男女が増えたことの寄与が2倍大きい。

 

   後半はデータなしで著者の意見が主体となり、紹介は割愛します。

 

【私の感想】;
   ①②③⑤についてはデーターの裏付けがあり、解析結果の解釈にも問題ありそうには見えないので納得です。

 

   ④に関し。産む/産みたくない は個人の自由意思によることは当然であって、行政が強制するべきではないことは当然である。

 

   ただ「産みたいが産めない(経済的理由で)」人を支援して産めるようにすることは、自由を妨げるどころか自由な行動に対する障害を除去することになると考えます。支援が大きすぎて、産みたくない人が、多額の支援によって儲かりそうだから産むことにするか…と考える人が出てくると問題だろうが。儲かるようではダメである。

 

   ただ、子どもを作ることに対する支援に使われる税金は産みたくない人からも徴収されていることが差別のようで少し気になるが、産みたくない人が高齢になった時に、産みたい人が産んだ子どもが産まなかった人の年金や保険料の支えになることになるのだから、損する…とは必ずしも云えないように思います。

 

   既に子どもを二人以上育てている人がもう一人産んでも経済的な負担が全く増えない程度であっていい…と私は思っています。


   この本は少子化防止についての提案が全くありません。従来やられている案を否定するだけです。

 

   我々が若いころは多くの人が見合い結婚だったと思います。子育てを終えて余裕が出てきた人が見合い写真を持って相手として相応しいと思われる適齢期のいる家庭をよく訪問していました。我が兄弟は3人とも見合い結婚でした。私は見合いを12回やりましたが、話は何件来たのやら。

 

   現在の有閑マダムは昔の有閑マダムを見習ってほしい。独身でいること、仕事に専念することを決めたわけでもないのに、結婚相談所に行く程の積極性のない人達が結婚するように誘導してほしい。

 

   国の施策としては夫の収入を増やして生活を豊かにする。妻はが専業主婦として家事に時間がタップリ使えるような状態にすることを考える(女性のキャリアー云々は今は考えない)。自然豊かな地域に広い屋敷をたてて住む。子どもを保育園や学童保育に教育目的で入れるのはいいとしても、入れなくても十分に手をかけることのできる時間的余裕が持てるようにして欲しい。妻と夫を入れ替えてもいいが、出産時の休暇の点から、入れ替えは子育てを終えてからの方がいいように思います。

 

   (私の意見を支持するデーターを探す能力が私にないのが残念ですが。)

 

   子どもが独立して手が離れたら、昔の如く有閑マダムとして月下氷人をやってほしい。

 

   午後、道を歩いているとあちこちで子ども達の遊ぶ声が聞こえる…、そのような街になってほしいものです。子どもの声がうるさい…と嫌う人もいるようですが、私には理解困難です。

 

.

 


閲覧数1,649 カテゴリ日記 コメント8 投稿日時2016/06/03 06:24
公開範囲外部公開
コメント(8)
時系列表示返信表示日付順
  • 2016/06/03 18:41
    NOSSYさん
    少子化対策は農漁村、特に過疎地に若者を移住させ農業で生計を立てるための支援を積極的にやればいいと思います。
    都市部の若者に少子化対策をしても効果は限定的でしょう。
    日本の将来の成長産業が農業、漁業、林業、牧畜となるような政策を立案して若者の移住を中心に据えて財政支援をすればよいと思います。
    核融合施設とリニヤ新幹線や高速道路の新設はこれ以上必要ない。その費用を少子化対策に回せばいい。
    次項有
  • 2016/06/03 21:51
    鉛筆コッチさん
    > NOSSYさん

    同じ意見です。

    添付の図は女性の就業率と出産率の関係を示している…というよりは都市部と地方部の生活パターンの違いを示している…と思われます。

    地方では女性は家事をやりながら夫がやっている農業も手伝う…ということなのでしょうね。農業地域では子どもが多いことは気にならない筈です。

    農業もこれまでの零細農家から大農経営へと変わっていく時に生活パターンがどうなるか、まだよくは判りませんが、やはり大勢の人が都市部から地方に行って欲しいですね。

    http://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h26/hakusho/h27/…12000.html
    次項有
  • 2016/06/03 11:01
    興味深く拝見しました。
    確かに少子化はよくないことですが、そうなってきたスタイルを受け入れ、身の丈に合った国策をとるといって方法はないのでしょうかね?
    いつまでも消費拡大で景気を改善しようという手や、公共事業に費やすのをやめて、小国の生き方を選択することはできないのでしょうか。

    少子化を改善するって、聞こえはいいんですけど、ようは税金を払ってくれる人を増やしたいという風にも受け取れて、(特に現政権のやんちゃさを見ていると)素直にうんそうだ!とは言いにくいです。
    他の皆さんはわかりませんが、私は娘を生んだとき「こんな世の中に生んでしまってごめんよ」とまず言いました。荒波が見えてましたから・・・
    私の周りの方で一人っ子の親御さんを見ていると、わりと同じ考えの方がいらっしゃいます。「こんな世の中で大人になるなんて、かわいそうと・・・」もう20年も前なのにこんなこと考えてる人結構いたんですよ。言い訳に聞こえるかもしれませんが。
    正直、うちも一人ですけど家計は自転車操業です。一人でこれなら複数いらっしゃるおうちは本当に大変だと思います。
    次項有
  • 2016/06/03 12:00
    鉛筆コッチさん
    > うさきょんさん

    著者も同様に考えているようです。少子化が進行することは認めて、問題が起こらないような対策を…とのことです。そのための提案がないのでコメント不能です。

    私は困った状況になりつつあるのを、手をこまねいて放置したくはない、何か少子化防止の手はないものか…と思っています。

    賑やかな子ども達に囲まれて、皆が生き生きとして暮らしをしている…そのような環境に戻ってほしいです。子どもが可哀想…なんて思わなくていい世界に…。

    .
    次項有
  • 2016/06/03 08:57
    少子化で無い特徴
    先進国で増加傾向なのは、移民系です。
    アメリカだとヒスパニック系やアフリカ系
    欧州でもアフリカ系や中東系は増えてます。
    きつい仕事についている方が出生率が高いように思うんですよね。
    自分も平均寿命を全う出来ない可能性があるし
    子供も育たない可能性がある。
    先進国だと・・・難しい
    次項有
  • 2016/06/03 11:49
    鉛筆コッチさん
    > 【とっちゃん】さん

    一般的のは生活レベルが高くなると出生率が下がる…されているようですね。子どもが増えることによる生活水準の低下を気にしている…とされているようです。

    ただ添付のデーターから直ちにそう考えていいのかどうか、GDPと出生率に因果関係がある…と言っていいのかどうか、よく分析して見る必要があります。先進国と後進国の宗教的、もしくは文化的な相違を示しているだけかもしれません。

    .
    次項有
  • 2016/06/03 08:22
    CONTAXさん
    子どもの声がうるさい・・・と保育園の建設が中止になったところがありましたが、一部に反対の人が居るのは仕方ないと思いますが、地域が反対するっていうのは私には理解できません。
    次項有
  • 2016/06/03 11:40
    鉛筆コッチさん
    > CONTAXさん

    運動会などでスピーカーを使ってガンガンやられてはうるさいでしょうから、それは遠慮してほしいですね。

    ただ肉声のみだといくら騒いでもたかがしれているように私は思います。却って好ましい。

    人にはいろんな障害を持った人いるでしょうから、昼寝が出来ない…とされる不眠症の人には耐えがたいのかもしれません。

    .
    次項有
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