コッチさん
いいですね。
学生時代ですね。私にはよくは分からない世界ですが、
美しいBGMと相俟ってコッチさんの山へのロマンに共感できる思いです。
国鉄軽井沢駅を降り立った時、あたりはまだ目覚めていなかった。駅前で朝食や昼食を食べたり買ったり…と考えていたが、軽便鉄道(草軽電気鉄道)の初発の時間(6時前?)になっても動きはなかった。国境平で降りる予定だが、食事はそこを降りて考えよう…。 列車は機関車、客車、貨物車の3輌。客車にはストーブがおいてあり、数人の客と車掌がそれを囲んでいる。乗客と車掌は顔なじみらしく、婆さんが、あんたはまだ結婚しないのか…などと車掌をからかっている。 国境平を降りたのは私一人。駅には人が一人か二人は入れる小屋があるだけ。あたりには林の中に作業小屋らしきものが2~3棟あるだけで店はおろか人家のある気配もない。朝食と弁当は諦めて、西に浅間山を目指して歩く。雪の上には足跡が少し見られるので、たまには通る人はあるのだろう。林の中の道は泥、雪、凍った水たまりが続き、どんよりと曇っている。 2~3時間も歩いたろうか、雲が少し晴れて浅間山が見えるようになった。人家も行き交う人も全くなし。 浅間山がよく見える場所で野糞をする。冷たい空気に懐かしい臭い。上から何も入れなくても下からは出るらしい。 浅間山を登り始めると、空腹が応える。小浅間を見下ろす所まで来たところで引き返すことにする。 野糞をやったあたりまで戻って南に下る。沓掛駅(今の中軽井沢駅)あたりで早朝歩き始めてから初めて人に会った。午後やっとラーメンにありつく。 列車に乗って小海駅まで行き、近くの安宿に泊まる。 . |