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2011年02月23日(水) 
   このような記事を読む度に切ない思いがします。研究内容に問題あるのか、記者の理解力に問題があるのか。

   少数の施設で実施された実験計画には問題ある場合も多いのですが、大々的なものではミスは少ないでしょうし、講演会で発表する場合に比べて学会誌に記載される時は論文内容の審査がなされるので、問題ある可能性は低いので、報道力の問題か。  詳しく読もうとする読者をいらいらさせる記事だと思います。

記事

【 乳がんリンパ全切除の有効性疑問 一部切除と生存率変わらず】 2011.02.12 日経記事

〔ワシントン共同〕早期の乳がん患者の外科手術で、転移を防ぐために脇の下のリンパ節全体を切除する「郭清」をしても、リンパ節の一部しか切除しなかった場合と生存率に変わりはないとする米国の多施設臨床試験の結果が、9日付米医学会誌に発表された。

   「郭清」はがんの再発を防ぐために広く行われているが、むくみが出るリンパ浮腫などの合併症が起きやすいとされる。研究グループは「(郭清をやめる)新手法を取り入れることによって、術後の生活を改善できる」と指摘している。

   100カ所以上の医療機関が参加。1999~2004年に、手術前に脇の下の「センチネルリンパ節」を検査して転移が見つかった早期がんの患者を対象に、リンパ節全体の郭清をした場合と、転移が見つかった一部だけを取り除いた場合の生存率を比較した。

   転移を防ぐための抗がん剤や放射線治療なども続けた結果、5年後の生存率は全切除した445人は91.8%、一部切除の446人は92.5%と、ほぼ同じだった。

   一方、合併症は全切除では70%で起きたが、一部切除では25%で、大きな差が出た。

   研究グループはリンパ節切除よりも、抗ガン剤や放射線による全身治療が再発を防いでいるのではないかと見ている。

http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011021001000315.html

意見

   重要なポイントが記載されていない。報告書に記載がないのか、記者にはそこが重要であることに思いつかなかったか。前者なら報告者の、後者なら記者としての能力の問題。

①どちらの治療をどの患者に行うか、無差別に2グループに分けて行ったか、

   これは患者に無断で実施することは人道的に問題あるが、患者の要求によって治療を変更するとデーターに偏りを生じ、結論の信頼性を低下させる。

②郭清有無による再発率の相違、死亡者の死亡原因の分析、種々のケースの場合のQOLの比較等の検討がぬかりなくされたのか。

    例えば 郭清しなかった場合、再発率は高く、死亡率は高くなったが、郭清しなかったのに再発しなかった人達は合併症に罹らずに寿命が長くなった(郭清しないことで体力が維持された)ので両者を平均すれば郭清しなかった患者の生存率は一部切除の患者と同じになったのではないか。そうなら生存率は変わらなくても郭清は医学的には意義があったことになる。


    また重要なのは生存率よりはQOLだと思うのですが、その評価をどのようにし、どのように集計したのか記事に記載されていない。

    このような記事を読む度に私は口を尖らせたくなります。私は不満分子かしら。

閲覧数1,674 カテゴリ日記 コメント4 投稿日時2011/02/23 00:47
公開範囲外部公開
コメント(4)
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  • 2011/02/23 07:13
    MIYUさん
    コッチさん


     読む側の「しょせんデータ されどデータ」という態度も必要かも。

     切羽詰まっている立場の人ほど誤読してしまう可能性があると心得て。

     寿命が長く個体差も大きい人間ををデータで切っていくことには少し無理があるかもしれません。

     生存率という患者の幸せとは微妙に違うものに自信のある医師ほど挑戦して自分の成績をあげてみたいかもしれない。

     治療法についてそれなりの知識や意見をもち自助努力もする(有効かどうかはまた別)患者と「先生にすべてお任せします」というタイプの患者との違い(生活態度とか精神状態とかも含め)は無視していいほどのことか…


     などなど最近親を亡くし(自分も遺伝的体質を受け継いでいる?)また大切な親戚や友人の症状に気をもんでいる身として関心を持たざるを得ません。

      

     


     
    次項有
  • 2011/02/23 10:37
    このての記事は、情報の垂れ流しで
    ひとつの学説情報に過ぎませんからねぇ

    マスコミって、真実を報道するんじゃなく
    垂れ流し記事も少なくありません

    情報リテラシー

    垂れ流される情報を選別出来ないといけない時代ですね
    次項有
  • 2011/02/23 23:41
    鉛筆コッチさん
    MIYUさん

    記事だけが問題の時、治療医は一般紙の記事だけ読んでそれを治療に取り入れることはないでしょうから問題は起こりません。問題は患者が治療を受けている医師に口を出すことです。医師の意見よりはいいかげんな記事を信じて…。

    研究報告が問題の時、それを読んだ治療医がその報告の問題点に気付けばいいのですが、そこまでの能力がなくて、鵜呑みにして取り入れられると、間違った治療をすることになります。

    医者として有能な人でも、実験をやって得られたデータからどう結論付けるか…のデータ解析能力に欠ける人はよくいます。医者に限らず、研究者は信頼性を高めるためにどのようなやり方で実験を計画し、自分のやった実験方法からどのようにデーターを処理し、その結果何処までが確かで、どこから怪しいかの判断が必要です。必要な時は統計的にデータ処理をできる専門家とペアを組んで研究計画と結果の解析をやるべきです。

    私はそちら側を専門の一つにしているので、このような所が非常に気になります。

    患者としての私は、種々調べたことに対して医者に質問はしますが、最終的にはお任せ派です。自分の身体や病気には個性があって必ずしも一般論が通じないことも多い…と思うからです。それが判るのは私ではなく担当医師のみです。それが信じがたい時はセカンドオピニオンを求めて歩きます。

      
    医師が貴方の病気は治らない…といっても、なあに治してみせると自分で種々工夫して頑張ってみるのは別の問題です。
     
    MIYUさんのコメント、ちょっと難しいですね。
    次項有
  • 2011/02/23 23:44
    鉛筆コッチさん
    【とっちゃん】さん

    垂れ流し記事ねえ。気に入りました。この言葉、何かの時に戴きます。

    記事には全て署名が欲しいですね。あの人の書いた記事なら信頼性が高い…。

    巷に溢れる情報から本当に自分に必要な情報のみを集める能力と、情報の信頼性を判断するのと、別の能力のようにも思います。
    両方が必要なのでしょうね。

    私のようにちょこっと調べてコピペで日記を書く人が増えて、情報過多の時代です。
    次項有
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