コッチさん
私もよく判らないんです。再稼働すべくかどうか、自分なりにずっと考えています。
でも、このコッチさんの日記を読んで、私の身近にいらっしゃる大先輩の方々のお考えを聞かせてもらうことがとても大切であることを感じました。
【国民の理解】; 現在停止中の原発が安全かどうかは私も判らない。判るようになるとも思えない。原発について大ざっぱな仕組みは私は技術屋を標榜する以上、少しは判っている積もりだが設備の詳細など知らないし、2~3日説明を受けても私のような一般人に判る筈がない。配管や制御回路、建物を見たり聞いたりしてもどの程度に安全か…判断するなんて金輪際無理。 したがって、一般国民が原発が(原発だけではないが)安全であることを理解することがある…なんてあり得ないと思われる。誰かが安全だ…というのを信用するかしないか…だけの話し。どうやって住民の理解を得ようとするつもりだろう。もう政府は信用されなくなってしまっている。しかし、火力や水力の安全性には疑問を持たず、その安全を信じているようだ。何故だろう。 【運転と停止】;福島第一原発4号機は停止状態なのに爆発した。 その理由 ①東電は3号機との共通排気管から水素が逆流した…と説明。その推定理由は報道されてはいない。 ②使用済み燃料の冷却プールにおいても水素が発生することは知られている。 一つは沸騰水に放射線をあてれば水素が発生する。 http://www.asahi.com/national/update/0914/TKY201109…40511.html ![]() ③燃料被覆管に使用されているジルコニウム合金は2000℃以上出水蒸気に接触すると酸化されて水素を発生する。 http://www2.qe.eng.hokudai.ac.jp/nuclear-accident/r…detail.pdf ![]() したがって、①②③いずれであっても停止時において冷却水の循環が停止すれば水素爆発する可能性がある。共通排気管はコストを掛けずにすぐ治せるだろうが…。 原発反対論者の小出氏も、原発の危険性は停止させても小さくはならない(どちらでも同じだ)と云っている。中性子による圧力容器の劣化に言及しているが、彼自身そのことは重要視していない。 http://bochibochi-ikoka.doorblog.jp/archives/3298850.html ![]() http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archive…91954.html ![]() 運転中の原発では燃料は格納容器の仲の圧力容器に収まっている。メルトダウンしようと飛びちりにくいところに収まっている。検査停止中の原発では燃料はオープンの冷水プール中の存在する。これは怖い。簡単に飛びちる可能性がある。運転再開の方が安全なようにも思える。 原発の存在が危険…というのは理解するが、再稼働すると危険だ…という理由が私には判らない。(パンドラの箱が閉じているなら色々云えるが、)もうパンドラの箱は開いてしまった。これから日本の苦難の道が始まるが、それは再稼働有無とは関係あるまい。今後の10万年の問題に対して40年なんて誤差範囲。原発廃止を決めたドイツでも2022年までは原発稼働を続けるのに、何も決めていない日本がウロウロしながら2012年5月に停止しそうな気配に危機感を持った世界経済フォーラムが、化石燃料への依存が増しエネルギー安全保障を危険にさらす危険がある…と警鐘を4月20日鳴らした(日経2012.04.23)。早く運転を再開させないと国際的にもブーイングを受けそう。 【津波の想定】;内閣府が津波の発表では「南海トラフ」で最大級の地震が起こった場合中部電力浜岡原発のある静岡県御前崎市には21メートルの津波が押し寄せるという。 これもよく判らない。21m以上の津波は来ない…と云うことではない筈だ。津波の高さが高くなる程、来る確率が小さくなる…と考えるのが自然。防波壁をいくらにしようとそれを越える津波が来る可能性は少ないながらも存在する。防波壁の高さに拘る理由が判らない。津波が越えてきても安全だ…としなくていいのか。 【震動】;内閣府の発表は津波の高さのみのようだ。地震(揺れ)の大きさはどうするのだろう。津波に集中していてもいいのだろうか。最近は振動の周期が問題になっているようだが…。 浜岡原発の1・2号機は1000ガルまで耐える耐震性補強工事はコストが引き合わない…としてすでに廃炉に処されている。 この想定は適切か。 【他の発電】 福島で現実に事故が起こったために原発事故が注目されるのは当然かもしれない。しかし、水力や火力も結構危険なのではないか…と私は思っている。地震の想定が変わった以上、当然に見直しをするべきだ。 【火力発電】 火力発電装置自体にはさほど危険性はないもかもしれない。私が怖れるのはあの巨大なLNGタンク(直径70m、高さ50m)群だ。LNGの爆発力は水素どころの騒ぎではない。 http://matrix80811.blog97.fc2.com/blog-entry-351.html ![]() これも約マイナス160℃の冷却装置が停止するとタンク内の圧力が上昇して危険になる。蒸気の比重が大きくて空気よりも低い所で広がっていき、一旦空気と混じって引火すると巨大ファイアボールとなって直径何10平方キロメートルを焼き尽くす。 東日本大震災では漁船燃料タンクやLPGタンクは津波による浮力で固定ボルトが抜け、転倒して大火災になった…と聞いている。LNGなら大勢の人が亡くなっていただろう。 振動や津波でタンクからLNGを出入りさせる配管がやられた時に閉じる元栓の開閉は手動のものがほとんどだと聞いた。何十だか何百だかもあるバルブをとっさに人海戦術で閉めて回る? 首都直下型地震で立川および東京湾北部で震度7が予想される場所が沢山あるようだ。東京湾には原発巨大LNGタンク群はあちこちに存在する。東京湾をウロウロしているLNGタンカーが津波で岸壁に打ち付けられればさぞかし大事故になるでしょうね。原発再稼働の是非よりはこちらのチェックの方が重要に思われる。 私は原発よりもLNG火力の方が怖いように思える。前の繰り返しになるが、原発からLNG発電への移行なんて怖いことをやって欲しくない…と私は思っています。 【水力発電】 水力発電も発電装置には問題ないかもしれない。怖いのはダム。東日本大震災で農業用の小さなダムの決壊で多くの人が亡くなった。黒四ダムなんてどの程度の地震を想定しているのか知らないが、その耐震性ももう大分劣化しているでしょうね。黒部市の人たちは避難しうる時間的余裕はあるのかしら。 【人間システム】 電力会社や政府の隠蔽体質(国民にパニックを起こさないためにも或る程度の隠蔽は必要)も問題だが、これは原発の場合に限るまい。原発について政府は国民の信頼を失った。しかし、国民は何故か火力については不信感を持っていないようである。同じ政府なのに…。再度の繰り返しだがここの所も私には理解できない。 推進組織と規制組織が同一省に存在することは確かに大問題で、規制組織は強固な権限を持っている必要があるが、これも原発に限ったことではない。 …と云ったような訳で、原発再稼働をすることは危険だ…と思っている人たちの考え方が私には理解できていない。判るように説明してくれる人が出てこないかな。私の蒙を啓いてほしい。そうでないと原発から火力発電・水力発電に移行されたりすると可愛い孫達の将来が心配で堪らない。原発停止と共にLNG発電が増加しているが、これは危険な方向に進んでいるのでないか…と私は危ぶんでいます。 |