ある報告の抄録を読みました。その時に感じたことを書こうと思います。この抄録を非難する積もりは全くありません。単なる私の心構えを紹介します。技術屋の性といううべきものでしょうかね。 技術論文でなくても通用する場合もあるでしょうが… …………… 好奇心の強いハイエナほど問題を解決 プチハイエナの中でも、探索行動がより多様で幅広い個体のほうが、問題解決能力が高いことが明らかになった。これは、創造力が問題解決を助ける人間の場合と全く同じだ。 ミシガン州立大学のSarahBenson-AmramとKay Holekampは開けるににほと工夫いるスチール製パズル箱を考案し、その中に厚切り肉を仕込んだ。2人は1年かけて、ケニアに生息するプチハイエナの2群れにいる62頭が、この箱に対してどんな行動をとるかを観察じた。箱に触りたがらないかどうか(新奇なものを恐れる気持ちの代理指標になる)や、箱を開こけようとするのに使った戦術的行動(歯みつく、押す、ひっくり返すなど)の種類数を調ぺた。すると、成獣でも子どものハイナでも、より多様な行動を見せた個体のほうが、箱を開けるのに成功ずる確率が高かった。 …………… 結論はそうだろうな…と私にも思われ、疑問のないものです。 しかしそうであるだけに、実験方法に落ちはないだろうな…と気になりました。ついついデーターによる実証がないことに気づかず、自分の思い込みで結論を書いてしまうことがよくあるので注意が必要です。 より多様な行動能力を持っている方が箱を開ける可能性が高いことは当然の理。 問題は好奇心と多様な行動を見せることとの結びつけの実証はなされているかしら。 好奇心の強さはどうやって測定したのだろう。私に心理学に疎いので、好奇心の測定法を知らない。人間の場合はアンケートにより好奇心の強さを評価できそうだが、動物はね…。 もし、箱をいじり回している時間の長さを好奇心の強さだ…と見たのなら問題だ。 私の知人には牛肉は大好きだが鶏肉は絶対食べない者が何人かいます。使用した厚肉の種類には偏りはなかったのかしら…と気になりました。嫌いな肉なら箱を開けたい気持のないでしょうからね。牛肉はいいが鶏肉が嫌いなハイエナはいない? 腹が空いている動物と満腹の動物でも熱心さが相違する筈だが、偏りはないかしら。好奇心はあっても嫌いな肉であったり、満腹であったりすれば熱心に箱を開くことはしないでしょうね。 したがって、行動の多様性が好奇心の強さの結果なのか、食欲に依存していないか、知能程度の表現なのか、をどうやって見分けたのだろうか。 確認するために図書館に行って原報を読むほどには関心はないが…。 こちらに原文はありましたが…。 コピー取り寄せは¥900。 http://www.nature.com/nature/journal/v488/n7411/ful…8256a.html ![]() http://news.msu.edu/media/documents/2012/08/b841d20…522e3b.pdf ![]() |