皆さん、プライバシーの保護には熱心ですが、このお茶っ人の日記では多くの場合それぞれのプライバシーの一部を自ら公開して目んばーの人々との交流を図っている訳です。勿論秘したい部分までは公開しないでしょうが…。護りたい部分は人それぞれに異なるようですから話しが難しい。 最近、プライバシー問題が気になる事件がいくつかありました。 ①一つはCIAとNSAの局員だったエドワード・スノーデン氏が米国家安全保障局(NSA)が密かに個人情報を集めていることを暴露した事件です。合衆国内で30億件/月、全世界で970億件/月のインターネットと電話回線の傍受が行なわれていたことを明らかにしました。 ②もう一つはJR東日本がSuica(スイカ)のデータを個人名を消去して日立に売り、日立はそれを使用して乗車履歴データに基づき駅のマーケティング資料を 作成・販売していることが明らかになったことです。 ③更に、ソニーが電子マネーに使われる自社開発の非接触ICカード技術「フェリカ」で、ビッグデータ分析事業に参入すると発表しました。勿論、分析結果は販売されるものと思われます。 ④パナソニックと富士通とがパナソニックのスマート家電の情報と富士通クラウド技術を使って生活がより便利に快適になるサービスの創出しようと共同実証実験を始めるそうです。 ⑤NTTデータは米ツイッターと組み、日本語のつぶやきデータを企業向けに販売するそうです。 ⑥防犯カメラの映像が決め手になって、重要事件の犯人が逮捕されることが増えています。先日誰かに殺害された三重県の女子中学生もちゃんと撮られていたようです。私達も知らない間にあちこちで撮られている筈です。 ⑦旧聞ですがグーグルマップのストリートビュー で 下着などの洗濯ものを干してほしてある家の写真が公開された…。 ⑧ 中国のネット上の反政府書き込みのチェック・削除。ケータイでデモに行く話しをしていると、官憲から「見張って居るぞ!」との忠告がかかってくる…とか。 NSAの①ではメタデータと云って、メールや電話の中味ではなく誰が誰とどの位の頻度で連絡をしているか…という所謂書誌的事項の収集のみだそうで、連絡の内容、例えばAさんとBさんが何時どこでデイトの約束をしている…などの情報は収集してはおらず、そこまで取り上げたら情報が多すぎて解析不可能なのだそうです。米国ではプライバシー保護の点から止めてほしい…という人と、テロ対策として有用だから、もっと進めてほしい…と云う人とが半々だそうです。 ②のスイカの例では個人を特定可能なデータは削除してある…と説明しており、また個人から申し入れがあればその人のデータは削除する…とも云っています。 ⑧の中国の場合は言論の自由や人権が無視される国ですから問題にはならないですね。 サテ、プライバシーとは何でしょう。 「個人的な日常生活や社会行動を他人に興味本位に見られたり干渉されたりすること無く、安心して過ごすことが出来る自由」なのだそうです。 災害時の避難のために、各家の要介護者の調査などをしようとすると、個人情報だ…と答えてくれないことがあるそうです。個人情報保護法制定以来、プライバシーと個人情報とのはき違いが多いようですね。 プライバシーの保護については、言及された法律はありませんが、憲法の基本的人権に含まれているのだそうです。 個人情報とは、特定の個人(人間)を識別することができる情報を指します。プライバシー情報とは、私生活をみだりに公開されないという法的権利に基づく情報のことだそうです。 封書の表面の宛名や発信者の情報が個人情報であり、封書の中身がプライバシー情報だ…との例えは判りやすいですね。 私の見解では⑦がプライバシーの問題で、⑥の防犯カメラは判断が難しい所、⑤はどう使われるのかはっきりしていないので判断不能。他は個人情報の問題なのでしょうね。 ⑥の防犯カメラを防犯以外の目的の使用、例えば亭主の浮気を探るために疑われる女性の家の近くの防犯カメラの記録を見ること…などはプライバシーを侵害することになるだろうと私は思います。 過剰なプライバシーの主張は匿名社会を作り出し、公共の利益とぶつかることもある…との意見にも注意を払う必要があると思われます。 http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/c/08/ ![]() |