介護に疲れた被告(82)の介護人が妻の被介護人(79)を殺害したもの。被告はこの40年、妻の食事や入浴の世話をしてきたが、一昨年妻に認知症が始まりまた骨折したこともあって、妻は寝たっきりとなった。
被告は、訪問介護サービスを受けながらほぼ1人で介護してきたが、「介護は限界に達していたが、娘たちに負担をかけると思うと相談できなかった」と…。
ここまでは問題ない…と私は思います。
しかし、被告を非難出来なければ殺人事件という重大な事件の責任を誰に問うのか、そこへの言及がないのが不満です。主犯は誰なのか。
私は被告が肉体的、精神的に疲弊した状態にあるのを放置した、社会のシステムの責任を問いたい。それらを罰することは法律上出来ないにしても、非難・警告することは可能です。
我が社会は、配偶者や親を見る人が介護の為に職を離れることをさせるようであってなならない。共倒れになることは目に見えています。介護者が援助を求めようとしていなくても、介護者が苦痛に喘いでいる状態を見出して、援助の手を差し伸べるシステムを作らなければならない。それは行政の責任だと思います。
収容するべき施設に空きがない…などの状態を作っていることに対してやるべき事をっやっていない…という罪があると思います。
医療費の個人負担率を上げるたり、保険金を上げたりすることは場合に依ってはやむを得ないと思いますが、上記状態はやむを得ない…とは云えないように思います。
それを糾弾して改めさせないと、再発の予防にはならないでしょう。
世の中は当時から進歩はしていないようですね。
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