スピルバーグ監督の映画でも、真面目な人間ドラマとなると少し人間描写が堅苦しく、長々とした台詞のやり取りも多くて少し退屈気味なのが多いのだが、この映画の場合はトム・ハンクスやメリル・ストリープの名演技もあって良い意味で緊張感がある。 報道の自由が大きなテーマだが、こうしたテーマはこれまでにもいくつかの映画で取り上げられたこともあり、特に目新しさは無いものの、会社の経営と真実の報道の板挟みで葛藤する社主の姿は印象的で、こうした独自の見応えもある。 スピルバーグの真摯な制作姿勢が伝わり、観る側も少しばかり姿勢を正して真面目に真実を伝えることの大事さを知るべきか。 結末は特に日本の若い人には意味が分かりにくいかもしれないが、当時のニクソン大統領の悪事をさらに暴いてやるぞという、まだ続編も用意されている暗示かな? ★65点 |