雑誌を開いていた爺は、ある企業の我が社はこれこれの植林をやって炭酸ガスによる地球温暖化防止に寄与しています…との広告を見ながら、ウソ抜かせ…とブツブツ。テーブルの反対側で黙って読書に耽っていた婆は顔を上げて「またお怒り?」と笑う。 爺は広告を説明して、彼らは多分自分たちをも騙しているのだろうな…と呟く。 婆;そうするとそれはウソなの? 爺;植林したかどうかは知らんが、それは本当でも地球温暖化に寄与しているというのはウソだ。植物は生長中は確かに炭酸ガスを吸収するが、成長が止まれば吸収も止まるし、山火事で燃えたり枯れて腐ったりしたら貯め込んだ炭酸ガスを全部放出するので、最終的には温暖化防止には役立たない。成長が止まれば切り倒して、地球内部に埋め込んで、石炭か石油になるようにすれば役立つが…。 婆;砂漠に木を植えればそこが涼しくなるんじゃない? 嬉しそうにニヤッとした爺; ホウ、それで地球温暖化が防止できるなら話しは簡単だね。日傘を沢山持って行って砂漠に立ててくるといいよ。ついでに水も持って行って打ち水などをしては如何でしょう。 婆;ダメ? 爺;地球温暖化防止というのは地球に溜まる熱をどうやって宇宙に放出するかという問題なので、熱を地表の別の所に移しても影響はないと思うよ。 婆;じゃあなぜ皆植林に熱心なのかしらね。 爺;古紙やペットボトルの再生は地球温暖化防止にはマイナスであるとの見解が強くなっているが、植林がマイナスとの意見は聞いたことがない。大陸の砂漠化防止とか人の生活圏拡大、自然の生態系維持、食料増産にはプラスと思うから、おおいにやって欲しいと思うがね。ただ地球温暖化防止に寄与したいなら、本当に温暖化防止に役立つことをやって貰わなくちゃあ。 婆;どうせ貴方は言うだけで自分は何もしないのだから、私とほぼ同じ時間にお風呂にはいれば、沸かし直しによるガス消費が大分減って地球のためになると思うわよ。 爺;12時頃に入ったら寝るまでに風邪を引いてしまうよ。薬が必要になると資源を消費することになるしね。君こそ2時ころまで起きていて、僕と同じ頃に入ればいい…。 そのあとのやりとりは非公開。 |