ので、裁判所に行って裁きを受けました。事件名;道路交通法違反。
仕事上、東京地裁や東京(知財)高裁には頻繁に出入りしていましたが、S簡易裁判所はまだ二度目。一度目は北海道の狩勝峠の下り坂を90キロで走って30キロオーバー。上り坂では100キロを遙かに超えて走っていましたので、カーブのある下り坂ではさすがにスピードを落としていたようです。
その時の記憶では、同時に出頭した者は数人で、判事のの簡単な尋問があり、1時間も掛からなかったように憶えています。
今回も前回と同じ、隣の市にあるS簡易裁判所です。決められた9時より大分早くいったのに、受付番号は29。小さな平屋の建物で、玄関から裏口に向かって
罰金納付室、警察取調室、検察庁取調室があり、その前の廊下が我々の待機室。椅子が数10脚、ギッシリ並べられています。最終受付番号は9時半ころに入ってきた59でした。私と一緒に犯罪を犯した人が60人とは少し少な過ぎます。通過した車の9割はスピードオーバーの筈だから、取り締まりは1時間ほどしかやっていないのでしょう。暑いし4時を過ぎると通行量が増えてしまって、10人位のお巡りさんでは取り締まれないでしょうしね。
2週間後にも同じ場所でやっていましたが、そこを通ったは10分ほど遅かったせいか、片づけの最中でした。昼休みが終わってから、道具を準備し車に積み込み、署を出発し、現地で準備をすると始まりは3時頃になるでしょうからね。
さてS簡易裁判所の廊下はT字になっていて我々の後の方に向かう廊下には、片側には女子トイレ、パントリー、男子トイレが並び、その向かいが事務室、その先に審理室(?、戸に覗き窓が着いている)が3室ほどあって別の裏口へ。職員は数人もいないのではないかと思われる程の小さい建物です。当日は職員以外に80名近く。
手続きは、違反時貰った「告知書・免許証保管書」が基本になります。
「告知書・免許証保管書」はペラペラの紙で、現場で免許証の記載事項を全て手書きで写し取り、車のナンバー・違反内容・時刻・場所を記入して取調官が署名・捺印したものです。さらにお訪ねしたいことがありますので何月何日何時にS簡易裁判所に出頭してください…と記入されています。免許証がない間はそれが免許証の替わりになります。
先ず「告知書・免許証保管書」を受付に渡して、番号札と交換して待機します。番号を呼ばれたら、警察取調室に入り、記載内容を確認され、若干の気のない説教(私ならもっと丁寧・詳細な説教をする)の後、審理を簡易手続きでやっていいかどうかを問われ、よければ署名・捺印。「告知書・免許証保管書」は10枚毎くらいに、担当官が隣の検察庁取調室に持っていく。検察庁取調室から番号を呼ばれたら、そこに入室し、また記載内容を確認し、若干の説教と略式手続きでよいことを確認され(同じことの繰り返しだが、それぞれ責任があるのでしょうか)、また待機。検察庁取調室では、呼出役の女性がやはり「告知書・免許証保管書」を10枚毎くらいどつ纏めて、我々の後の事務室に持っていく。そこで判事が刑罰(罰金の金額) を決めて、「告知書・免許証保管書」に金額と自分の名前を記入、裁判所書記官が確認し(多分)、署名し裁判所の大きな赤い判を押す。、それを事務の女性が罰金納付室に持参し、部屋の入り口で番号を読み上げる。呼ばれた者は入室し、罰金額を教わり、持っていればその場で支払い、持っていなければ納入方法(現金書留)を説明してくれ、「告知書・免許証保管書」が返される。説明者と現金を受け取って領収書を書く人の2人の担当です。返却された「告知書・免許証保管書」と番号札を持って受け付けに返し、犯行時にとられた免許状を返して貰う。「告知書・免許証保管書」には「無効」の捺印がなされる。それで終わりである。
何か、前回の記憶と全く違っていた。前はこれも経験と正式な審理を要求したのだったかしら。
廊下だかロビーには冷房がなく、暑い暑い。玄関と裏口のドアは開放されているので、時々弱い風は入るが、汗っかきの私はタオルと扇子が手から離せない。たちまちタオルがじっとりと濡れてきました。これでは言われるままにあることないこと何でも白状したくなる。
暑い廊下で待っている犯罪者達には格別凶悪な人相の人はいませんでした。私も悪い人相ではない筈。若い女性は何人かいましたが、中高年の女性はゼロ。男性は私よりは高齢の人から若い人まで各種。ネクタイをした紳士が一人。
私が建物に入った時は、 警察取調室では制服姿の若い男性お巡りさん達が10人ほど、きびきびと打ち合わせ中でした。8時45分になると、取調が始まり、番号を呼ばれたら入室します。取調官は5人。若干遅れて、「検察庁」の腕章を捲いたが検察庁取調室に入り、机を並べたり、冷房を入れたり。9時少し前にやはり「検察庁」の腕章を捲いた男性2人女性1人が書類箱を抱えて検察庁取調室に入室。9時になって、先に来ていた女性が部屋の入り口で番号を読み上げて取調が始まりました。9時15分頃、「検察庁」の腕章を捲いた恰幅のいい人が入室し、一番奥の机に着席。どうも管理者らしく、3人の取調官の作成した書類をチェックしていました。チェックはすぐに終わるのでこれは暇な仕事のよう。私が見ている間には調査官に突き返した書類はなかったようでしたから、その人の存在価値はなかったものと思います。ご本人もやっていても面白くない仕事でしょうね。企業の管理職は普通はてんてこ舞いですが、お役所の管理職は暇そうですね、全部が全部ではないでしょうが。
私の検察庁取調が終わった頃には、警察取調室では50番が呼ばれたころであり、また罰金納付室には数人が中にはいっていましたが、それらの人の処理が終わった所で罰金納付室内の動きが止まりました。20分ほどして中を覗いたら、2人の担当者が喋りもせず、ジッと座っていました。やがて1人が部屋を出て行ったので、判事にサボらないで仕事を早く片づけろ!とせっつきにに行ったものと思いましたが、トイレにいっただけの模様。
30分ほどの停止の後、女性事務員が「告知書・免許証保管書」の束を持って来て罰金納付室の入り口に立ち、11番からの番号を呼び始めました。警察取調室では呼出時の不在者以外の取調は終わったようで、お巡りさん達は受付と呼出の人を除いて座っておしゃべり。29番の私は11時半頃に釈放されましたが、私の3つの部屋での処理時間は合計で10分もはありませんでしたが、トータル3時間近くかかりました。
午後の仕事に出かけながら、車のなかで考えました。処理をする人、処理される人の合計の待ち時間をできるだけ少なくするためには、警察署、検察庁、裁判所にトヨタのカンバン方式やJUST IN TIME(通称JIT)の講義をする必要があるな…。今回は警察は処理者が多すぎであり11時頃から後は仕事をしていない。それにしても判事は何をしていたのだろう。犯人の過去の犯罪歴をチェックしながら罰金を決めているならそんなことは事前にやっておくことは当然の理だし、今更過去の罰金額の実績を調べる筈もなかろう。S簡易裁判所は空調が不備で仕事が出来ない…ならまだ許せるが、予算を獲得して仕事の能率を上げることは担当者の義務だ。
PRや人を説得することも能力の内。
また、9時全員集合も問題だ。9時から10時半の間に適宜集合するようにするべきだ。犯罪者の時間とはいえ、その時間を無駄にすることは社会の損失だ。顔を見た範囲では、暇ができたら犯罪を犯すと思える人はいなかった。それぞれの周囲へのお務め(多分、社会の利益)の時間を失わせている。
会社に出る途中に先日捕まった場所も通りましたが、正午前だったし、交通課の内の10人は裁判所に詰めているので、今日はやっている筈はなし…と気にせずに走り抜けました。
こんな内容の長文を読むのは苦痛だったでしょうが、お読み戴いてて有り難う御座いました。
自然の中の紀行文などなら読んでいても楽しかったでしょうが、残念でした。