2002年9月21日に、会社の電子掲示板に掲載した文章です。古い事件がテーマですので、事件内容を最後に追加記載しました。 …………… 以下の様な話題をここで提起するのが具合が悪ければその旨ご忠告ください。私もひょっとしてやばいかな…と思いつつ、私の下記意見への皆の反応を聞きたくて書き込みします。 私は不正と違法とは別物と考えています。不正行為とは社会正義に反する行為であり、違法行為とは文字通り法律違反の行為です。正義と不正、違法と合法を組合せて4通りの行為があり、それぞれが存在すると思います。両者が一致して2通りになることが望ましくはあるかも知れませんが、別の概念故、完全一致は無理でしょう。 何故このようなことを考えるかと言うと、東電の原発問題です。社長がこのような不正を繰り返さないと言ったのに違和感を感じたからです。政府への報告内容を改竄(かいざん)したのは違法ではあっても不正と言えるのかしらん…と思うからです。改竄は何ら不安全状態を引き起こす原因になるとは思えません。修理するべき欠陥が生じたのに修理を怠り、社会を危険に陥れた時には社会に対して悪いことをやったと言えると考えますが。 修理するべきことを修理しなかったのかどうかは私は知りません。雑誌によれば、少しでも傷が生じればすぐに修理するような世界にも類のない厳しい基準になっているようで、基準の作成経過を追跡しないと、判断は出来ないと考えます。他国に較べて厳しいと言うことは基準に問題があるのだろうと推測します。発電コストも安全性と同様に重要です。日本の場合には町が近くにあるので、安全係数を若干高めに取っていると言う程度の差であれば問題ないでしょうが。 原発は使用済み燃料の処理コストを先送りしていると言う大問題を抱えています。コンクリートで固めて地下に貯蔵するだけで済む筈もなく、いずれ処理が必要です。安全とコストのバランスをどうするかが重要でしょう。チェルノブイ事件を国内で起こせば日本の原発は壊滅すると思われます。また、絶えず修理のための停止があるようでは、それによってもコストが跳ね上がってしまい、他の電力源の探索が必要になるでしょう。絶対に事故を起こしてはならないが、不必要な修理は抑制するべきです。一々政府に報告すれば何かと話しがややっこしくなるケースが多いように思います。 政府に正しい報告書を提出しても安全性には無関係だと考えます。政府に安全性を評価する能力があるような話しを聞いたことがありません。東海村の事故の場合も後で聞いたら、科学技術庁だったかが定期的に監査をやっていたそうで、それなら責任の大半は科学技術庁にあるのではないでしょうか。監査には嘘を見抜く能力が必要です。監査能力がなくても、能力を養成していないのはサボっているだけであり、監査責任がある以上、事故は政府の責任です。要するに現場を見て安全かどうかの判断する能力が政府にはないのです。報告は社会告知の役にはなり得るとしても、直接には安全には無関係です。 東電の場合、漏洩事故を起こしたら、会社は壊滅する可能性が高いことは自覚している筈であり、それを自覚している現場技術者が安全だと真に考えているなら、悲しいながら私は政府の基準よりはそちらを信用します。 経済産業省も来年度での法改正をめどに安全基準の見直し作業に入ったそうです。基準が厳しすぎることを認めたようです。問題が生じてから見直しを始めると言ういつものパターンです。 三菱自動車もリコールしたことを報告しなかったとして責められました。報告をサボッただけなら、違法かどうかは知りませんが、不正ではないと思います。消費者が危険なのでリコールしなければならないのにそれをサボッタり、ユーザーへの連絡がいい加減だったりしたのなら、社会への義務を怠ることによって出費を抑え、それにより不当な利益を得たことになり、これは道徳に違反し、不正と考えます(新聞報道ではリコールも一部サボったことも有ったように記憶します)。 BESの牛肉問題で各社は詐欺をやり、問題になっています。これは問題にして当然ですが、これらの根本的問題を起こした農水省は、諸外国の勧告もしくは発表を無視して防御策を取ることをしなかったことで、違法かどうかは知りませんが、社会を危険に陥れた罪があり、義務を怠った不正があると考えます。役人には学術発表などを理解する力がないのかも知れませんが、勉強しないのは勝手で、それにより罪が軽くなる筈もありません。むしろ、早く情報を仕入れてそれを行政に生かそうと言う姿勢さえないと言うことで、責任感が不足していて余計に罪は重くなるのではないでしょうか。各社の詐欺よりよほど罪は重いと考えます。詐欺の原因を作った訳だから…とは言い過ぎでしょうか。かかる農水省関係者の不作為を罰する法律があるなら結構ですが、ないなら早く制定されることを望みます。その時初めて不正が同時に違法となるのではないでしょうか。問題を起こした張本人のトップ(問題を起こした責任は前任者にしかないとしても)が問題会社幹部の責任の取り方に口を出し、さらにそれが認められるなんて、日本は何か変な国だなと言う感じが深い思いです。 どうも不正と違法が混乱して使用されているのが気になります。 不正競争防止法と言う法律があります。これにより、社会正義に反する競争を違法とするための法律であり、不正と違法が一致します。 はて違法と不法とは同じなのでしょうか。無法とは? 無法地帯とは法律による制御が効かない場所と言うだけでしょうね。 やっぱりこれは役人批判だけとなったようですね。扇動的なマスコミも糾弾したかったのですが。不法と不正の誤用はマスコミのことなのです。 長すぎる書き込みで相済みません。 ………………… 追記 東電 データ改竄 2002年8月29日 - 原子力発電所における過去の点検記録に改竄等があったことを公表。これが契機となって原子力発電所における設備の維持基準が制定されることとなった 下記資料はあまり適切ではないようですが…。 http://www4.ocn.ne.jp/~wakasant/pulthermal/toden916.pdf ![]() 東海村事故 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E6%…B%E6%95%85 ![]() 三菱自動車リコール隠し http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%…0%E3%81%97 ![]() |