不正と違法 ⑥ 私にとっての法律の位置づけ (長文です。お暇な方はご覧下さい)
2010年11月13日(土)
私の仕事には三本の柱があります。最も後から入ったのが知的財産権関係、特に特許業務です。特許法は大分勉強し、裁判も何件かを直接担当しました。
その勉強の目的は特許法を守るため? とんでもない、どちらかと言えば逆でしょうね。特許を利用して儲けることが目的です。守るために法律を勉強するのは、戦時中の食糧不足の時に闇米を買うことを拒否して餓え死にした裁判官くらいだと思います。
警察・検察・裁判所は合法か違法かを判断すること、場合によって世の中の違法行為を少なくしようとするこはを業としていますが、自ら法を守ろうとの意図は格別には持っていないだろうと私は思っています。違法行為をやった人の職業を分析すればすぐに判ることですが、結構、警察官の犯罪も多い。
企業の特許マンは、そこから利益を得るために勉強します。自社の発明を針小棒大に効果を主張して、強く広い権利の取得に励み、特許庁の審査官の疑義に対してあることないことを主張して特許成立を目指し、他社特許にはぶっ潰すのに都合のいい情報のみを特許庁に提供して成立を妨げます。
バレナイことが確実なら侵害を社内で奨励します。違法行為といえば違法ですが、企業マンはフェアープレイだと思って居る筈ですし、私もそうです。真似されたくなければ、公開して特許にすることを止めればいい。
自社技術を関連するか包含する他社特許が出てきて、それを潰せる情報が有った場合、それを見せて潰さないから無償で実施権を寄こせ…と出願ん人を脅します。普通はOKしてきます。コストを掛けずに権利だけを得る訳です。
特許になるかならないか、侵害となるかならないか、その限界を見きわめるための勉強であり、侵害にならないギリギリの所でそれを利用するしようとします。裁判で勝つことが目的です。法律以外にも裁判テクニックも重要です。
米国のあるコンピューターグラフィック制作企業があります。そこに交通事故などの裁判の支援を依頼すると、人に心理をついたCG説明を作ってくれ、依頼者の90%が勝つそうです。こんなことで判決が決まるわけです。CGの作成の勉強も必要ですね。
特許に関して、違法行為をやったから悪かったな…なんて思ったことはありませんし、よのそ例を見ても、特許侵害事件は山ほどあるので、よそ様も同じ考えだと思います。
私の部下の発明で私達の会社がある技術の基本特許をとりました。それに或る一流企業が異議申し立てをしてきましたが私の防衛により特許が成立しました。その企業はそれを知って40名の開発プロジェクトを解散しました。我々の知らない所で多くの企業が研究・開発を中止したものと想像されます。我が社ではその量産技術を特許有効期間に完成出来ませんでした。結局我々は世の中の技術の発展を法律を利用して邪魔しただけなのでのではないか、社会に悪いことをしているのではないかと私は随分気にしていました。不正をやったのではないか…と。その後別の一流大企業が我が社のその特許を侵害して企業化していることを知りました。
会社の経営者に処置を進言しましたが、上得意先なので提訴できない…とのことでした。地団駄を踏みましたが、ずうずうしい会社が違法行為をやってくれたので、私はさほど反省する必要はないわい…とホッとしました。まったく邪魔した訳ではなかった。 違法は兎も角、合法であっても社会に害を及ぼすようなことはやりたくない。
遵法闘争というのがあります。通常は違法状態がまかり通っているので、団体交渉の手段として違法行為を無くそう……とプレッシャーをかける訳です。妥結すれば元の違法状態に戻ります。
人権尊重の主張は、西欧社会では当然の事ですが、中国では違法行為です。我々は西欧側の主張がが正義に叶い、中国は不正な法律体制を取っていると考えています。問題は国家発展のある段階ではそのような不正が許されるかどうか…です。
…というような次第であります。法律なんてその程度のものだと思います。
私のスピード違反、30キロオーバーで裁判所に出頭までして罰金6万円。捕まると以後注意しようとは思いますが、捕まらないように注意するだけで、スピードオーバーをしないように注意するなんて積もりは全くありません。数年に1回位ならさほど痛くはない。ただ、人を危険に曝さない範囲を守りたい…とは思っています。違法だからではなく、人(自分も含めて)を危険状態に置くことは悪いことだ…と思うからです。それ以下の速度は違法であっても問題なし…です。
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カテゴリ日記
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投稿日時2010/11/13 17:11
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