場所は上溝駅と番田駅の間の土手の上。
周辺は畑で、近くに住宅も見える。
この大地震(津波)発生の時間は私と娘は八王子から
の帰りでJR相模線内にいた。
三陸沖では午後2時46分。
この地点では2時50分。
この相模平野迄4分懸ったことになる。
ゴリゴリギリギリと停まったのに唸りを上げて揺れる。
やや東に車両が傾いているので、転覆するかと想う。
前のオジサンは「人を曳いているが、何でこんなに長
く粉々にするのかな。スピード鈍いので曳かれた人は
まだ生きているぞ!」なんて叫んでいる。
その後、何度もゴリゴリキシキシと揺れが続く。
相模線は茅ヶ崎から北へ橋本迄の単線で電化3両。
前のオジサンがIポッドを実ながら実況をする。
相模原市は震度5弱、
震源は三陸沖でM7、8・・・
次に来た大揺れは・・常磐沖だ!
何!M8台に変った。
車が流れている・・・石油タンクに火が出ている。
ウオ~大地震だ!
娘は携帯で見ようとするが、時々しか見えない。
携帯電話は通じない。
メールをあちこちに打ち始める。
ミクシーの中学仲間、高校仲間のコメントは読めると。
「茅ヶ崎高校は部活を直ぐ再会・・暢気なものだ」等。
娘はオジサンのIポッドを見ながら、あれは電源が長く
使えて強力だな~と言う。
傾いた電車は土手の上のまま。
子供達が帰宅で下を通り、指差して手を振る。
犬散歩組が何組も通る。
中学生20数人が手を振りながら通る。
閉じ込められたままの我々。
「離れた駅から線路伝いに要員がこの電車に向っていま
す」は停車から1時間後の放送。
それから1時間後、彼等が到着。
前の車両の土手側ドアを開けてハシゴを設置。
(都営地下鉄の様に前の運転席から線路に降ろすべきだ)
皆さん降り始める。
今日卒業式の袴美人が降りる。
コートを着たオジサンが降りるが、最後の着地に失敗。
土手の傾斜が強いので何度も回転して転げ落ちる。
下がコンクリートのよう壁だったら、頭を打って怪我?
幸いネットフェンスで良かった。
二人の要員では、注意が足りない(訓練不足?)
単線の線路を歩く。
神戸のように変形していないので歩きやすい。
800m程で駅へ付く。
駅の手前に焼き鳥屋を発見。
(駅前に何も無いのが相模線の駅では普通)
駅に駅員が一人いる(無人駅もあり)。
停電中・・・
タクシー会社を聞くが電話繋がらず。
これ以上は何の対応もないJR。
バスを聞くがこの周辺にバスルート無し。
困った!
幸いこの駅の前に小さなカウンター居酒屋あり。
5時開店・・
ドアを開けて親父と話す。
「停電中ですが、ガス使えるのと仕込み終わっているの
でどうぞ!」
助かった!酒と夕食はここでOKだ。
もう一人、茅ヶ崎から八王子経由杉並へ帰る途中のオジ
サンがつられて入る。
彼は3時にはこの駅に到着。
近くの停電中のコンビニで酒を買い、電車内で飲んでい
たそうだ(かなり酔っている)。
彼は福島の出身で明日新幹線で帰る予定だったとか。
親には電話繋がらず・・
彼もIポッドを持っている。
この店には携帯ラジオも無く情報ゼロ。
このオジサンのIポッドでいろいろと情報が入る。
非常時に情報源として役に立つIポッドだ。
6時過ぎ、娘の陸上競技仲間からメール入る。
厚木の家(停電無し)から母の運転で其処に向うと。
助けの神がいた!
隣に3人組みが来る。
「真っ暗なのにやっている!」と。
近くの会社から駅へ来たが、電車停止でこの店へ。
この3人の会話が面白く退屈しない。
店はアロマロウソク3本。
親父は懐中電灯とクルクル回して発電するランプを使用。
刺身2品(大きな切り身で一品600円は安く)
モツの煮物
焼きオニギリと蛤の汁。
酒は酔わない程度に・・。
番田駅前「なかの」は良い店でした!
午後7時半茅ヶ崎のカミサンと携帯が通じる。
茅ヶ崎は停電無し。
CDが沢山落ちたが、僕の書斎は被害地並みで総崩れ。
廊下に本が流れ出していると。
8時半厚木から救援母子の車が到着。
帰れないオジサンは駅停車の車両で夜明かし。
隣の3人組は一人が橋本迄歩き、他は会社に戻り宿泊。
駅前には30人位がタムロ。
駅反対側は8時に電気が付く。
帰りは厚木から相模川渡り海老名の競技場横から寒川
経由産業道路(すいていた)経由で10時半帰着。
この車は自宅帰着は12時。
あり難い救援隊(娘の縁で助かった)
5時間の労は、ねぎらい様が無い。
風呂に入り温まって寝る。
翌日は雪崩の本の山を片付ける。
終日全局がこの大震災・大津波を報道。
岩手や仙台に車で通っていた時の道や寄る場所が壊滅。
あの家、あの人、あの宿、あの食堂の夫婦
仙台の荒崎は何時も食事をして土手越えて海を見る地。
また陸前高田の酒造(津波で流れるのを放映)
は酒の会で電話で話したり、その酒を愛好していた。
また宮城の海岸(野蒜:200人以上死亡)
は馴染みの場所。
サファーが死ぬのは仕方ないが・・・
生活者の死は・・・完全にトラウマになる。
名取の海岸近い佐々木酒造や寿司屋さん
ご無事かな~。
名取等では津波が5km迄到達。
また、その南ではそれ以上の地もある。
高さも10数mになった模様。
あの10m堤防で周辺固めた田老、簡単に津波が超えた。
恐るべき自然のパワーです。
昨日原発の漏れに絡んで、民主党政府が東電に迎合して
突然の地域別停電を決める。
猶予時間も説明もない。
おまけに休日の発表・・・何なんだ!
東電と名を変えた我が家の縫いぐるみ
私に苛められる朝でした。
今朝5時台の防災無線・・
『断水の恐れある、東海道線と相模線の終日休業』
寝耳に・・・慌てて水を溜めて珈琲などを入れる。
我が茅ヶ崎は6時台から停電、しかも夕食前後に2回目
の停電がある。
それを4月終わりまで・・・と東電。
大津波にやられていない首都圏の力を殺いで何を考える。
政府と東電。
首都圏が頑張って(日本でこの地域しか頑張れていない)
初めて東北の復興もある。
アホナ政府が危機対応なのが、悲しい~。
昨日の夜にトラウマから抜け出した私ですが・・・
またトラウマに入り込みそうだ!
画像:あの野蒜海岸 2005年
少し先の集落の子供達、元気かな?
追記:相模線は結局翌日の昼過ぎから運転開始