安保関連法案に反対のデモが「戦争反対」のプラカードをもって歩いているニュースを見る度に何となくやりきれない感覚に襲われます。
今時、日本において戦争に賛成する人なんて実質的にいない筈です。
我々は戦争というものが如何に悲惨なものかを見てきました。可愛い孫達にあのような思いをさせたくない…と誰もが思っている筈です。安保関連法案を成立させよう…としている人達も当然にそうです。
意見の分かれ目は、子孫の平和を護る…という目的ためには、集団自衛権の実施、安保関連法案がプラスに作用するかマイナスに作用するかの判断であって、戦争の賛否ではない筈です。他国と共同歩調をとることによって高まる戦争抑止力によりプラスに働くか、他国の戦争に巻き込まれることによりマイナスに働くか…の判断の相違です。
インタビューを見ていると私は戦争に反対だから法案に反対します…という人が結構多く、もう一歩先の判断をしていないのに驚かされます。
世の中には戦争反対は即法案反対…という途中の思考を停止した直結回路が出来ているようです。
法案反対派のデモは戦争反対のビラで強く宣伝していますが、政府側は政府には国民の平和を護る義務がある…と国会でボソボソいうだけです。宣伝合戦では法案反対派が断然勝っています。
国会の実況放送なんて、非能率で長時間続くので見る人はそんなにいないでしょう。政府も「戦争反対」のビラを掲げて街頭に進出し、何故共同防衛なのか、民衆に直接説明するべきです。国会で質問に答えるだけでは聞いている人は僅かです。マスコミもそこをほとんど報道しません。
与党は国会はどうせ通る…と高を括っているようです。それでは一般の人々の共感を得られる筈もありません。
一般の人々もマスコミが作り上げた、戦争反対なら安保法案反対へ…とのムードに流されたり、各種団体の声明に影響されたることなく、自分で一生懸命考えてほしものです。
勿論、法案に賛成・反対の是非などに正解はある筈がありません。自分で一生懸命考えて出した結論はその人にとっては是なる答えです。
中間の思考を飛び越えて、戦争反対から法案反対に直結している人が多そうな日本の現状に、私は悲しい思いをしています。
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