2010年名護市長選で辺野古海岸埋め立ての反対派の稲嶺進が賛成派候補を僅差で破って(52%対48%)当選した時に、何か変だなあ…という思いがして、頭に引っかかっていました。もともと辺野古海岸浅瀬埋め立て案は名護市主導で作成されたものだった筈です。辺野古は名護市と合併したために、発言力が弱くなってしまったようです。 辺野古への基地移設を巡って、地元の名護漁協が総会で埋め立てに同意することを賛成多数で決めた時は賛成88、反対2でした。 http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130312/plc13…002-n1.htm ![]() http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/pos…-c854.html ![]() 2014年の知事選挙、投票率64.1%、翁長雄志知事の得票率は51.7%、有権者の32.9%でした。. 最近、大久保潤、篠原章の「沖縄の不都合な真実」(岩波新書)を読み、沖縄の社会構造を知って納得しました。 基地問題に関心ある人にはお勧めです。 走り読みしただけなので、うまくは纏められませんが。ここでし主張に偏向があるかどぶかは確認する余裕は私にはありませんが、沢山引用されているデータは間違いないと思われ(引用元が記載されている)、それから見れば至極順当な主張だと私は思います。 沖縄の大きな問題は貧困と格差社会です。 沖縄は日本でもっとも貧困な県であること、格差社会であることが種々のデータから示されています。 格差の上層にいる富裕層は県や市町村の職員、警官、教員、公共施設の職員です。一般の雇用者に比べて1.65倍、他の要素も計算に入れた筆者の厳密な推計では2.67倍の報酬だそうです。それらの人々の雇用者総数に対する比率は10.7%(日本の平均は6.4%、(経済が破綻したギリシャの25%に比べればまだましか)。 これらの公務員と電力・銀行・建設大手が沖縄の支配階級を形成しています。歴代知事はこの層から出ています。 本来なら権力に抵抗する筈の地元マスコミや左翼はこの支配層についています。日本の大新聞は日経以外は沖縄県民版を出しておらず、読者も少ない…とのことです。(地元紙は県の支配階級への異論は記事にしない。) 基地の見返りに日本政府から出される振興予算はこれらの層のみを潤しているようです。基地反対!を叫ぶことによって、沖縄に対する贖罪意識を持っている政府は振興予算を増やします。それにより沖縄の自立心が消えて行きました。補助金漬けにより零細農業を維持し続け、農業をダメ産業にしてしまった農業政策に似ているように私には思えます。 支配層のキャッチフレーズは基地反対に加えて日本政府による「沖縄の差別」に向かっているそうです。 この本は沖縄批判ではなく、既得権限を守る公務員を中心とした「沖縄の支配階級」批判です。 沖縄のサイレント マジョリティの声を県政に反映させたいものです。 筆者達も沖縄問題解決のプランはまだ出来ていないようですが、取りあえずは沖縄に寄り添うことを止め、ゆっくり少しずつ基地を減らした方がよい(彼らの主張通りになくしてしまうと沖縄は破綻する)だろうとしています。それによって振興資金頼りの甘えを抑えて沖縄の自立心を育てるべきだろうとしています。それにより我々の無駄になっている税金を減らせることになります。 沖縄に関心あるかたのご一読を! このような読みやすい本を次々に先読みしてしまうので、春から読み始めた、ピケティの「21世紀の資本」はなかなか読み進みません。今やっと400頁/600頁 までです。 . |