かつては司馬遼太郎の歴史小説は人気で、ちょっとした“司馬遼”ブームのときもあったが、今は、若い人はあまりこうした歴史小説は読まないかもしれない。 ということは、やはりどちらかと言えば年配の観客対象に作られた歴史ドラマだが、特にこの時代の主従関係、敵対関係は複雑で、映像ではなかなか理解しにくい。 人物関係が交錯し過ぎて、石田三成、徳川家康の人間描写がやや希薄になってしまった感じで、合戦に至るまでの互いの葛藤もあまり伝わって来ず、人間ドラマとしてのインパクトが少し弱い。 若い人でも退屈せずに観ることができるようにと、有村架純演じる忍びに対する恋心の描写も挿入したみたいだが、むしろこのあたりでのドラマ性を詳しく描いたほうがドラマらしくなっていたかも知れない。 やはりメインとなるのはクライマックスの合戦のシーンで、久しぶりの重厚なスペクタクルとしても楽しめるのは間違いなく、これだけでも観る価値はあるのは間違いないだろう。 ★60点 |