読みました。全部読む気は初めからありませんが、拾い読みで知りたい所は読みました。
人に自由はあるのだろうか…が昔から私の疑問でした。社会的な意味の自由ではなく精神的な自由の話しです。自分では何にも束縛を受けていないと思っているのですが。
全ての事象にはその原因が存在します。原因なしにある結果が起こることなどあり得ない。現在の世の中の状態は、一瞬前の状態の延長上にあり、もしその状態を知ることができれば、現在を予測できる。実際にはすべての原子分子の状態を知ることはできないから、目の前で木の葉がホロリと落ちてくるかどうかも予測できない。
私の心の動きも自然現象の一部でしかない。幸福とか悲しみとかは神経の動きだろうから、環境と体内の物理的化学的な状況から予測できるだろう。
今、私の顔の前を蚊が飛んでいます。私はそれを無視するかパチンと叩きつぶすか、そのどちらが実現するかは5分前に原因が存在し、その時から結果は決まっている。5分前が何万年前であろうと変わることはない。私は自分の意志で叩きつぶすことを決めて行動し、失敗したが、そのことは昔から決まっている。
私が今、自分には自由意志があるなかないのか考えている。そのことも昔から決まっている。運命と云えば運命。運命を切り開くとは何か。私が運命を切り開こうと考えること、その目的で行動を起こして新境地を開くこと…それは昔から決まっている。
長生きをしようと自分で決めて、せっせと汗を流して運動をしています。長生きに成功するかどうか、それもお釈迦様の手のひらの中の問題で、お釈迦様は私がそう決めてそのように頑張ることは昔から十分にご存じ。?欖斗雲(きんとうん)に乗って天空を駆けめぐる孫悟空もお釈迦様の掌から飛び出ることはできなかった。自分の自由意志と信じ込んで、仕事をしゃかりきに頑張っている。私がそうすることは昔から決まっている…。
茂木氏本を読んで私の考えはまだ現在でも否定できていないこと、むしろ正しい可能性が高いことを知りました。悲しいと云えば悲しい。
すっ飛ばした所(ほとんどはそうだが)はまたゆっくり読もう。それなりに面白そうだし、衒学の材料にはなるだろう。