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2012年01月26日(木) 
 ニールヤング、アメリカを代表するロック・フォークミュージシャンが、公によくぞ言ってくれました。日本の関西の片隅から喝さいを送りたいものです。
 ほかにしようとしていたことがあったのですが、忘れないうちにと思って、思わず日記につづってしまった次第です。他の方もこれについて書いていらっしゃるかと思いますが、同じようなことであったとしても、自らのことばで感じたことをつづっておきたい気がして。

 まずはこちらのURL
http://www.mtvjapan.com/news/music/20356
 から、彼の言っていることを読んでみてください。

 以下、引用です。

2012-01-23
ニール・ヤング、最近の音楽の音質に「腹が立つ」
ジョナサン・デミ監督の新作ドキュメンタリー「Neil Young Journeys」のプロモーションのため、米ユタ州にて開催中のインディペンデント映画祭「スラムダンス映画祭」に参加した伝説的フォーク・ロッカー、ニール・ヤングがMTV Newsの取材に応じ、昨今の音楽の音質に懸念を抱いていることを明らかにした。
「最近の音楽の音質には少々困っているんだ。俺は気に入らない。とにかく腹が立つ。これは音楽自体の質の問題ではない。俺たちは21世紀に生きているというのに、音質は史上最悪だ。78(RPM=レコードの毎分回転数)よりもひどい。天才はどこにいるんだ? 一体何が起きた?」と語ったヤングは、MP3にはマスター音源の5パーセントのデータしかフィーチャーされていないと訴えた。
「もし君がアーティストで、何かを作ったとして、マスター音源は100パーセント素晴らしいものなのに、購買者にはその5パーセントしか届けられないとしたら、良い気がするか?」と彼は訊ねた。「アーティストたちには、その点を指摘したい。ああだから、最近の人の音楽の聴き方が変わってきたんだ。低音とビートが全てを動かしているとされている。最近の音源のせいで、他には何も聴こえないからだ。良質な温かみや深みは失われてしまった」
上位1パーセントの富裕層の収入が増加することを問題視し、「私たちは99パーセント」をスローガンに政界や経済界に対して行われている抗議活動「ウォール街を占拠せよ」を引き合いに出したヤングは、「音楽を占拠せよ、っていう感じだよ。今の俺たちは5パーセントだ。昔は100パーセントだったというのに!」と、音楽シーンの現状を危ぶんでいる。
「マムフォード・アンド・サンズとマイ・モーニング・ジャケットは素晴らしいバンドだ」とヤングは述べた。「2組とも大好きだし、よく知っている。そう発言できて気分がいいよ」

 ぼくが中学生だった頃、初めて音楽cdが発売されましたが、当時はまだ一般的ではなく、ぼくはレンタルレコード屋さんで借りたレコードをカセットに録音したり、fmをエアチェックしたりして音楽を聴いていました。たまにレコードや発売されていたミュージックテープ(カセット)を買ったりもしていましたっけ。もちろん、80年代前半くらいまでは音楽ソフトもアナログだったわけですし、録音されている音源も、ほぼ生の楽器でしたよね。
 詳しくは知りませんが、当時はシンセサイザーなどのキーボード類もアナログのものが多かったのでは、つまり、人がちゃんと演奏していたんですよね。

 ところが、80年代中半くらいから、いわゆる打ち込みが急速に普及し始めて、ラジオや街角から聞こえる音楽にも、打ち込みのサウンドが増え始めたと記憶しています。特に、ドラムやベースの音とか違う気がしたのを覚えています。

 大学生だった80年代後半になると、cdがレコードにとって代わり始めたと記憶しています。90年代初頭には、レコードはほとんど店頭からも姿を消してしまっていたのではと記憶していますが、たぶんそうでしたよね。

 その後、90年代にはウィンドウズ以前のdosのパソコンでもcdが聴けるようになって、2000年代に入ると、wamやmp3などのデジタルの音源や映像のファイルが一般的に普及し始めて、音楽ダウンロードや携帯音楽プレイヤーとイヤホンでのリスニングが主流になるという今日の音楽状況に至っているわけですよね。
 ざっと流れをつづってみました。間違いなどあったら教えてくださいね。

 子どもや学生のころは、高価なアナログのオーディオなど持てる環境ではありませんでしたし、大人になってからはほぼデジタルの音楽ソフトから音楽を聴いていることになりますよね。だとしたら、本当に良い音源の音質を知らずに生きてきたのかもしれません。

 ということは、ニールヤングが指摘する、マスター音源の5%に限りなく近い音源ばかり聴かされていて、耳がその音源に慣れさせられてしまっているかもしれませんね。
 慣れさせられているということは、細かい音や良い音が聴き取れないだめな耳になってしまっているということかもしれません。

 つまり、だめな耳しか持ち合わせることができなかった、音楽のリスナーや、楽器の演奏者、歌い手などが再生産されていっているという現状が生み出されて久しいのではないだろうかとも考えてしまいます。20代・30代くらいの人だと、レコードの音源や生演奏が主流だったころの音楽状況を体験していないとか、幼くてほぼ記憶にないという人も多いのかもしれませんね。

 そうした世代の人たちが、リスナーやミュージシャンや音楽ソフトの製作者になっていて、今後はその世代の人たちが音楽の世界の主流になっていくんでしょうね。レコード屋生演奏が主流だったころの記憶がなんとかぎりぎりあるぼくらにしても、思春期後半にはデジタルが世を石鹸し始めたわけですし、ぼくなんかの耳だって怪しいものだなあと思ったりします。

 誤解を恐れずに言えば、だめな耳しか持ち合わせられなかったリスナーやミュージシャンがどんどん増していっているとしたならば、音楽文化、とりわけ、ポピュラー音楽文化は崩壊への道をひた走りに走っているということにもなるのではないだろうかと、とても危惧してもしまいます。

 デジタルや打ち込みを否定するわけでは決してありません。また、音楽の流通や再生のためのハードやソフトの主流を、アナログに戻すのは現実的には難しいことなのでしょう。ライブや録音の際の演奏を、打ち込み・dtmなどが主流という状況から、生演奏主体に戻すのも、今の状況では困難なのかもしれません。

 でもあえて言えば、これ以上だめな耳の維持・再生産ばかりを繰り返す状況もなんとかしないと、ゆくゆくえらいことになっていくようにも感じます。

 まずは多くの人ができるだけ気軽に、マスター音源の100%に近いような良質な音質の音源や、生の演奏に触れられる場や機会を、少しでもたくさん草の根的に創出していくすべを、みんなで共に知恵を出し合って、考えていくというのはいかがでしょうか?

 雑駁ですが、ニールヤングのことばに触れて、すぐに感じたことをつづってみました。

 みなさんもいろんな感想をお持ちになることでしょうね。またぼちぼちお聞かせください。
 ではまた。

閲覧数1,239 カテゴリ日記 コメント2 投稿日時2012/01/26 18:36
公開範囲外部公開
コメント(2)
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  • 2012/01/27 08:57
    テツヲさん
    CSNYは私の青春時代でした。クロスビー&ナッシュ、ニール・ヤングの来日公演にも行きました。CSNY関連のアルバムは殆ど持っています。
    やはり、アナログの暖かさ、手作りの良さを見なおすべきかもしれませんね。
    次項有
  • 2012/02/02 03:06
    鉛筆guitarmanさん
    てつおさん、まさにレコード世代というか、ロックにとっては黄金期とも言えるときを、体験なさった世代なのですね。
    本当にアナログの良さ、その音の暖かさを見直したり発信したりする必要がある、そんな時期に今来ていますよね。
    次項有
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