小林幹利さんは芸大を出て金子さん(立軌会:故人)の家に
居候?慶応志木高校の美術教師から昭和47年慶応幼稚舎
(1874年創立)の絵画専任教師として30年間勤める。
絵描きとしては国画会の会員で、子供目線の独特の画風でした。
ある年の国画展(上野:都美術館)で小公子の様な子供が彼の
絵の前に走ってきて「お婆様、この絵は綺麗ですよ」という。
品の良いお婆様がゆったり歩いてきて「まあ!綺麗」と言われる。
私にはまだ子供目線が判らずに「ゆがんだような絵」としか見え
ない時代。
その後、子供目線というものが判るようになったのは幹利さんの
お陰です。
彼にこの話をしたら、「子供が判ってくれているのか~」と喜ば
れた。
だいぶ前に奥さんを亡くされて、えらくガッカリされていた。
時々酒を飲むという関係もしばらく途絶えて今日に至る。
案内状の阿川佐和子さんのコメントを転載します。
彼女とは幹利さんと一緒に逢っている(あれはお見合い?)。
『小林幹利先生の思い出
一九八〇年前後の数年間、慶應の幼稚舎図書室でアルバイトをしていた時代に私は小林先生と知り合った。豆粒のような子どもたちに囲まれて、写生場所を探して、のっそのっそと校内を歩かれるクマさんのような小林先生のお姿は、なんだかいつも嬉しそうでシアワセそうにお見受けした。ある日、先生がふいにおっしゃった。「僕ね、死ぬときは『どうもお邪魔しました』って挨拶したいね」。その言葉が気に入って、いつか小林先生にそう言われたら「いやいや、また来てね」と答えて差し上げようと企んでいたのに、挨拶しそびれちゃった。 (阿川佐和子・文筆家)』
6月29日(金)~7月7日(土)無休
午前11~午後6時半
本日は午後6時~8時 オープニング(私も参加)
ギャラリーオキュルス
地下鉄高輪台から議員宿舎目指して徒歩数分の右手
港区高輪3-27-7-1階
電話 03-3445-5088
慶応幼稚舎HPに案内あり。
http://www.yochisha.keio.ac.jp/kobayashi.html
画像:思いがけない庭 油彩 F120号 国画展出品作?