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2011年10月16日(日) 
   111~113頁に記載されています。
   これは電気事業連合会が2003年12月に発表し、あちこちで引用されている試算(http://www.nuketext.org/yasui_cost.html#cost )に対して云えばそんに安くはない…とは云えますね。

   その証拠として小出氏は立命館大の大島堅一氏の2010.09月発表のデータを引用しています。

   大島堅一氏は現在のコストの見直しを提案し、電源別のデータが存在しないので、ある試みとして各種の資料からデータを作成し、ある試算として提出したものです。火力、水力と比較されているだけで、太陽光、風力は含まれていない。そうしてこの試算に使用した源データへの疑問を後部にならべています。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo20…ryo1-1.pdf

   小出氏はその試算をそのまま使用し、それを前提としています。作った本人が疑問視しているデータをそのまま自説の前提として利用しています。そ方が自説に都合がいいからでしょう。

   秋元圭吾氏は大島堅一氏のレポートの問題点を訂正して2011.05月に原発は廃炉費用(使用済み燃料の管理)を含めた発電コスト比較をやっています。
http://www.rite.or.jp/Japanese/labo/sysken/about-gl…201105.pdf

原子力 (バックエンド費用10兆円を見込む)8.1~12.5円/kWh
   立地交付金を含むと0.3円/kWh ↑(比較相手でもそうする必要あり)
    汚染被害補償を40年で10兆円とすると1円/kWh ↑。
     安全対策強化対策費用は入っていない。
   揚水発電についての記載はないが、多分含まれてはいないだろう。
   
石炭 8.8~12.4円/kWh
天然ガス複合発電 10.7~14.4円/kWh
    温暖化対策の炭素価格を炭酸ガス1トン当たり1ドルから100ドル にすると3.4円/kWh ↑

風力 16.1~18.1円/kWh ↑
太陽光 51.4~63円/kWh
     2030年頃では 25~45.6円/kWh

   確かに原発のコスト自体は従来発表のデータよりは上がったが、他の発電と較べて相対的には上がってはおらず、原発が最も有利な発電方式となっている。

   また2011.09.13の原子力委員会でも報告されたいます。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo20…ryo4-1.pdf

   (余談ですがソフトバンクの孫論文はここでも論理的に否定されています。)

   各種コスト計算の比較は
http://www.nexyzbb.ne.jp/~omnika/
http://www.nexyzbb.ne.jp/~omnika/hatsudentanka.html
でもなされており、いろんな論文も掲載されていますが、ここを運営している人がどのような人かが判らないので客観的に読んでいいのかどうだか。

   火力発電所も天災時の被害は原発に劣らず大きいと思われるが、近隣の被害者への補償は原価に入っているのでしょうね。水力発電だって、移動する村の人たちへの生活保障や土地の手当て、生活道路の新設等々、多くの費用が使われている(国? 電力会社?)筈ですが、電気料金の原価としては兎も角、発電方式間のコスト比較には当然に含めておかないと、間違った選択の原因になります。多分過去のデータよりはかなり高額になるのではないでしょうか。

   原発に限らず、電力会社は国の基幹産業であり、殿様企業。コスト計算もおおらかで、何もかも原価に入っているようです。保険会社・銀行と同様に給料も高く、福祉施設もタップリ。(我々自社製品を納入する会社も顧客としての要求が多くて無理を飲まされていた気配でした。)

   この考えから云えば本当は全ての電気料金はもっと安い…とも云えそうです。



   2010年に米国エネルギー省エネルギー情報局(DOE/EIA) が公表した2016年にアメリカで運用を開始する新規発電所の百万kWhあたりの発電コストは以下の通り。

☆石炭火力
従来型石炭火力 94.8 米ドル =8.5円/kwh
改良型石炭火力 109.4 米ドル =9.8円/kwh
改良型二酸化炭素貯留石炭火力 136.2 米ドル =12.2円/kwh

☆天然ガス(LNG発電)
コンバインドサイクル 66.1 米ドル =5.9円/kwh
改良型コンバインドサイクル 63.1 米ドル =5.7円/kwh
改良型二酸化炭素貯留コンバインドサイクル 89.3 米ドル =8.0円/kwh
従来型燃焼タービン 124.5 米ドル =11.2円/wh
改良型燃焼タービン 103.5 米ドル =9.3円/kwh

☆改良型原子力発電 113.9 米ドル =10.3円/kwh
☆風力 97.0 米ドル =8.7円/kwh
  洋上風力 243.2 米ドル =21.9円/kwh
☆太陽光発電 210.7 米ドル =19.0円/kwh
☆太陽熱発電 311.8 米ドル =28.1円/kwh
☆地熱発電 101.7 米ドル =9.2円/kwh
☆バイオマス 112.5 米ドル =10.1円/kwh
☆水力発電 86.4 米ドル =7.8円/kwh
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%…6.E7.AE.97

   日本と米国では原料事情が相違するので、そのまま比較することは無理でしょうが、原発はやはり事故った時は怖いLNG発電よりは少し高くなりましたが、洋上風力や太陽発電の汎用使用は高コストで無理のようですね。太陽発電については別途アップ予定。

閲覧数1,899 カテゴリ日記 コメント4 投稿日時2011/10/16 00:44
公開範囲外部公開
コメント(4)
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  • 2011/10/16 23:34
    鉛筆コッチさん
    【とっちゃん】さん

    競争のない各高速道路株式会社なんかも同じだろうと思います。

    政府が高速料金無料化をやってみたり、中止してみたり、好き勝手に決めています。各高速道路株式会社は自分で合理化をやったり、業務改善をやろうとの意欲など出る筈がない。営業活動などはなく、天下りを沢山引き受けて政府からお金を貰うだけの会社になっているのでは?

    厳しい競争に曝されないと、真面目な仕事などは出来ないと思います。確か利益がどうなっているかもはっきりしない財務管理状況だったと思います。

    藤井元総裁もそれで解任されたのだったと記憶します。不当解雇の訴訟は9月の東京地裁で敗訴したようですが。

    政府と縁の切れない日本郵政もそうなりそうです。
    次項有
  • 2011/10/16 19:16
    そして関連会社は、各電力会社からの天下り会社を持って
    甘い汁を分けあってますから…
    次項有
  • 2011/10/16 11:04
    鉛筆コッチさん
    【とっちゃん】さん

    東京電力に関する経営・財務調査委員会の報告によると過去10年で計6186億円分見積もりが実績を上回っていた…との事ですが、「天下りの費用や偽装企業献金の費用」はその中に入っているのか、6186億円に更に上積みされるのかどちらでしょうね。

    http://www.asahi.com/business/update/0929/TKY201109…80716.html

    東電に限らず、各電力会社の体質はそうだろうとかねてから私には感じられました。さらには電力会社に限らず独占的な公共性のある企業はほとんどがそうだろうと思います。完全民営化と情報公開と競争会社の存在が必須です。
    次項有
  • 2011/10/16 07:18
    日本の電力料金は、天下りの費用や偽装企業献金の費用もあるから
    他国より割高ですね。
    地域独占は、かなり無理があると思います。

    電力会社は、電力供給の公共性と
    政管癒着の甘い汁の功罪併せ持ってます。
    次項有
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