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アガサ・クリスティの代表作だし、1974年の映画でも話題となっただけに、既に結末などは承知の上で観ることになるので、どうしても1974年の映画や、テレビ・シリーズのエルキュール・ポワロと比較してみることになるのは仕方ないし、逆に、ここがこの作品の見どころでもある。 推理小説だけに登場人物の人物像を詳しく描くのは難しいもので、この映画でもやや人物像が大雑把な感じだが、これは前作のシドニー・ルメットの演出が巧みだったこともあるし、登場人物に黒人を設定したり、ちょっとしたアクションも加えて少しは前作と違った味わいもあるが、ここらは賛否両論といった感じ。 前作はオリエント急行の豪華な雰囲気などが見事に再現されていたが、この映画でも雰囲気は十分に味わえるし、決して前作に劣らないので、雰囲気を楽しむことも出来るのは間違いない。 ケネス・ブラナー演じるポワロはやや風格の無さも感じるかもしれないが、これも前作のアルバート・フィニーの演技の見事さと比べるのは酷かもしれないし、テレビ・シリーズのデビット・スーシェとはまた違った味も出ているので、及第点は出せる感じ。 1974年の作品を観ていないのなら、DVDで観て本作と比較してみるのも面白いだろう。 ★65点 |