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2008年10月19日(日) 
赤福が行政にいじめられて1年が大分過ぎたようです。

赤福事件に関しては、一般的には騙された…と怒っている人が絶対的に多いようですが、品質管理や食品安全の専門家には赤福同情者が結構います。私も同情者の一人ですが。

ある品質管理の専門家が今年の夏に、下記メールを寄越しました。

 「賞味期限」で営業停止処分となった老舗の特別報道を聞いていて、おや違うぞ! 品質にこだわる老舗が出先店頭まで品質管理を適用し、味になんらの問題を生じなかったが、浪費奨励の法律に触れてしまった。三百年の老舗にとって製造を縛る法網はまだ三十年、老舗には馴染まなかった。


品質重視の老舗の赤福が法律の変遷について行けなず、トリッキーな法律にひっかってしまった…との意見には私も全く同感です。当時のお茶っ人の日記にも書いた筈ですが。

赤福餅は1回か2回しか食ったことがなくて味も覚えていないし、会社にも格別の関心があるわけでもないが、事件が起こってニュースなどを見るに付け、行政やマスコミの行為に腹立たしい思いがしました。詳細は忘れましたが、腹立たしい思いは今でもしており、霞ヶ関の連中への怒りは強まっています。

反対意見の方も多いでしょうが、私の思いを書かせてください。

食品メーカーは、それぞれの試験で製造後の安全期間を実験で確認して決定し、製造日を起点として計算された消費期限を記載する。ところが販売店は消費期限が大分先のものを売りたがらない。消費者が防腐剤が入っていると考えてしまうそうだ。 かくして製造後1週間以上もつ食品が2日ほどで消費期限が計算されて記載される。本来消費期限はほとんどこのような偽装がなされているようだ。そうして偽装して記載された消費期限間近になれば、店ではこれ見よがしに廃棄処分とする。販売品の安全性の過剰宣伝である。そうして食料自給率39%の我が国において30%以上の食品が廃棄されているようだ、まだ4~5日は食べても問題ない食品が。(30%全部が安全という訳ではないかも知れませんが。しかし、それを工夫して食品として再利用できれば自給率は70%となる)

赤福は作りたてを強調する方針で製造日と消費期限を2日の差で記載したく、記載の義務もないし定義があいまいな製造日を謹製として記載することにした。販売できるのは謹製日から2日しかないとすると、購入者は購入後1日位の余裕が欲しいだろうから謹製当日完売の必要がある。当日売りきるためには早朝に出荷し、開店と同時に販売開始することが必要である。製造作業は出荷日の朝0時から8時ころまで…では大変だ。だから出荷分は前日までに作って直ちに冷凍され、適宜解凍出荷することなる。赤福では賞味期限は解凍し、出荷される日を起点として計算した。
安全性には問題はありそうにない。

まだ3~4日は食べられる売り残り品は回収して、必要はないと思われるが念のためにまき直しして通常製品ルートへ。解凍・出荷日を謹製として記入した。トータルとして本来の賞味期限以内であることの管理ができていれば、これも安全上は問題はない。

食品の表示に関しては、厚労省(食品衛生法)と農水省(農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、通称JAS法)の両者が絡む。日本の行政の縦割りの所為で一般には判りにくい。

赤福は謹製の日付に解凍日を記入するにあたて、三重県の保健所に可否を質問したが、保健所(厚労省の管轄)はJAS法の存在を知らずにOKを出したと聞いている。

立ち入り検査をした農水省は、原料の記載順を含めて2箇所の表示を早急に改めるように求めただけで、製品については安全性に問題ありとは言わなかった。
マスコミが勝手に騒ぎ、それを見て三重県知事が営業停止処分にした。
優良企業赤福は県や地元への貢献が多かったようなので、知事はマスコミの勘ぐりを恐れて取り乱したのかも知れない。

赤福は餡や餅を自社生産していたのか、それぞれ専門メーカーから購入していたのか、また後者の場合はそれぞれが決めた消費期限はどうなっていたのか、製造月日とは下請けが餅や餡を作った日なのか、赤福が赤福餅を仕上げた日なのかもあいまいである。重要な要件についてはマスコミは報道しないので、私には判らない。偽りの消費期限が過ぎたものはまき直しにより安全な方(餡?)を再度製品に仕上ていたのはコストを上げないための当然の行為。本当はまき直しの必要性もない筈だ。

私が気になるのは、消費期限の書き直しにあたってそれが偽装されていない本来の消費期限(4日か5日位?)を越えないための管理がきちんとなされていたかどうかである。何が重要かが分からないマスコミはこれも報道しない。

その管理ができていれば、表示方法が違法であるかどうかは兎も角、製品には何の問題もない訳である。事実、長期間この方法で続けてきたにも係わらず、消費者に事故はなかったようである。

昨年の騒動により赤福は冷凍装置を廃棄したと聞く。したがって今後は赤福の製品の安全性に問題が出る可能性がある。行政が意図したかどうかは兎も角、結果として不安全側にし向けた訳である。マスコミのいい加減さがそれに輪を掛けた…というよりは直接の犯人はマスコミかも知れない。 事故を起こした雪印乳業とは少し状況が相違する。赤福は縦割り行政の複雑怪奇な制度の犠牲者である。

(記憶で書いており、事実の再確認はサボって書きました。)

閲覧数1,530 カテゴリ日記 コメント6 投稿日時2008/10/19 23:46
公開範囲外部公開
コメント(6)
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  • 2008/10/20 05:16
    コッチさんのご意見に全く同感しています。

    私の子供時代、父が仕事でよく伊勢に出張していました。その時の手土産は必ず「赤福餅」でした。ですから馴染みもあって何処の駅やデパートでも買えるようになってからも安くて美味しいので時々買っていました。

    海外に出ていると日本は異常だなと思うニュースがいろいろあります。赤福餅もその一つです。

    >昨年の騒動により赤福は冷凍装置を廃棄したと聞く。したがって今後は赤福の製品の安全性に問題が出る可能性がある。

    結局、冷凍装置をなくしてしまったら新鮮なものは食べられないと言う事ですよね。ちょっと心配になってきました。

    孫の誕生日のプレゼントに何時も悩まされます。ふと思いついたのがBirthday cakeです。インターネットで注文すると指定した日に冷凍で届きます。解凍に4時間ぐらいかかるのですが、新鮮でとても美味しかったと報告がありました。
    次項有
  • 2008/10/20 07:59
    MIYUさん
     コッチさん
    おはようございます。

     うちでは小人数なので何でも冷凍しますよ。
    肉 魚 野菜 お菓子
     冷蔵庫も冷凍庫が大きくて急速冷凍室があるタイプを使っています。
     「何をどう冷凍すれば美味しく食べられるか」は井戸端会議の重要案件だし。

     コッチさんのように「理論武装」してはいないけれど「赤福」同情論は絶対多数のはずです。今度の件で「作りたて赤福しか売られていない」という情報と「冷凍しても大丈夫」という情報が得られたので大量買いして自宅冷凍する人も増えたはずです。
     消費者が自宅冷凍する分にはどこのお役所もなんとも言えないですよね。(笑)
     
    次項有
  • 2008/10/20 23:31
    鉛筆コッチさん
    よねはるさん

    長文を読んで戴いて有り難う御座います。

    私は関西に居た時分はコーヒーと洋菓子がもっぱらで、和菓子には関心がなく、赤福もどこかで土産に買った記憶があるだけです。多分伊勢ではなく、名古屋あたりで買ったのではなかったかと思いますが。

    煙草と日に何杯かのコーヒーで十二指腸をやられ、日本茶と和菓子に転向したのは10何年か前くらいです。
    る日記が多かったです。私も忘れていた赤福なる名前を思い出しました。

    今はコンプライアンス経営が叫ばれていますが、善良だが時代に疎い人たちを苦しめないような法律体系で在って欲しいと願っています。

    会社でもコンプライアンスが会社を悪くする…と小声でキャンペーンを張っていますが、時代には逆らえないようです。
    次項有
  • 2008/10/21 00:11
    鉛筆コッチさん
    MIYUさん

    こんばんは。

    赤福に同情者し行政を批判する人の方が多くあってほしいと思っていますが、騙された…と言っている人の方がかなり多いようです。マスコミの所為だと思っています。

    ケーキやお菓子、残飯の冷凍はいいでしょうが、野菜と魚の冷凍はもう一つ旨くいかないようですね。表面から凍って行くのが悪いのだそうです。

    19日朝のNHKの経済羅針盤で、磁場を掛けながら冷凍すると過冷却が起こり、その後に材料の表面も内部も同時に凍り、野菜や魚の水分が外に出ず、旨味や食感を落とさずに冷凍する技術を持っている会社(アピーとか言いました)の紹介がありました。

    30年ほど前、私の部下に動物の肝細胞を冷凍保存し肝不全患者の治療に利用することを研究しているのが居ました。当時にこのような冷凍技術があったら成功したかも知れません。

    家庭用冷蔵庫でそれができるようになれば何でもこい…ですね。

    嘗て、押し入れに入っていたキスリングから何年か前のチーズ(扇型で銀紙を捲いたもの)が出てきたことがあります。とっても硬くなっていましたが、味はまずまずでした。ナチョラルチーズは賞味期限が過ぎてからの方が味わい深いと思っています。マヨネーズなどは賞味期限が1年以上過ぎても、味で区別ができなかったと昔の「暮らしの手帖」の報告を読んだことがあります。

    消費期限とか賞味期限なんていい加減なものです。自分の舌を信用しましょう。
    ただし、牛肉もカビが長くのびて生えたものは止めた方がいいです、ひどい目に遭いました。
    次項有
  • 2008/10/21 17:52
    MIYUさん
     カビが長くのびて生えたもの…コッチさんの蛮勇に脱帽!!。

     発酵食品は結構いけるのかもしれませんね。

     私はこの頃 干す+冷凍を試みています。

    一夜干し(魚)や半干し野菜を冷凍しているのです。
    水分の多いものほど難しいですからね。

     糖分のおおい果物は大丈夫ですね。
    バナナ 巨峰(ブドウ)などはむしろ凍った物の方を美味しく感じます。
    次項有
  • 2008/10/22 01:48
    鉛筆コッチさん
    MIYUさん

    >蛮勇

    いえいえ馬鹿なだけです。牛肉は冷凍庫でゆっくり熟成(自ら中に持っている酵素による)して旨味を出すと聞いて、それと腐敗とを一緒に考えてしまっただけです。

    干物ねえ。登山食ならアウトドアショップでフリーズドライ食品を種々売っていますが、あまり旨そうにないですな。のどくろの一夜干しは旨いですが。
    次項有
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