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2009年11月23日(月) 
  先日、電車の駅の反対側ホームにあった看板が気になりました。
泌尿器科、内科、人工透析 ××医院とあります。

  神経質かも知れませんが、この人工透析という言葉に私はいつも引っかかります。

  透析とは低分子は通過するが高分子は通らない、セロフアンで代表される半透膜という膜を隔ててコロイド溶液と普通は水を流し、コロイド溶液中の不純物を除去し、精製する、昔から汎用されている化学実験手段です。コロイド溶液側に圧力を掛けると水も出て行きます。

  腎臓の一つの機能として半透膜の性質を持っていて、血液から水や不要の低分子の溶質(塩分、尿素)を除去することをやっています。そこで腎臓の機能が弱った人には血液透析装置(人工腎臓)を適用して、腎臓の血液精製機能を代行させています。

  看板を出している病院は血液透析なる言葉と人工腎臓という用語を勝手に組み合わせた言葉を使っている訳です。透析とは一つの化学的事象ですから、人工という形容はおかしいと云えます。

  病院の人は判とんのかいなあ…と気にはなりますが、治療法に間違いなければ、用語の使用法など、どうでもいいと云えないことはありませんが、病院の格を低く見たくなるのは私だけでしょうか。

【余談】
  腎不全の対処療法(人工腎臓は腎不全を治療するものではない。)としてほぼ類似の技術(術技;どちらが正しい?)として血液濾過があります。これは半透膜ではなく、多孔膜をへだてて透析液と血液を流し、水や低分子のみならず、もう少し大きな、人体に好ましくない物質も除去します。有用な低分子の補給もやります。現在はこちらが主流になっています。上記看板の人工透析なるものも実際は主としてこちらをやっている筈です。

  また対象となる病気は異なりますが、術技として似ているものとして、濾過膜による血漿分離なる療法があります。血球と血漿を多孔膜により濾過して分離する血ものです。同等の役目をするものに、遠心分離で血球と血漿を別ける方法もあります。分離された血漿はそこに含まれている、病気の原因となる物質(例えばリュウマチの因子)を除去されて、その後に血球と会わせて身体に戻します。病気の原因の物質を除去する工程は血球には有害なのだそうです。

  透析と同様に濾過や遠心分離も昔から化学実験で利用されてきた精製手段です。今の医療には化学が多く利用されています。考えて見れば人体というのは各種の化学反応を総合的に行うシステムですね。

閲覧数645 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2009/11/23 02:15
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