去る5日、夜に行われる講演会に行ってきました。
静岡理工科大学のSISTOサロン。夜18:00~19:30が普通で、嘗てはほぼ毎月行われて、種々の世界の話しが聞けて面白かったのですが、最近は三~四ヶ月に一度となり、同大学の定年になった教授の最終講義が主体になっています。いつも仕事を早めに切り上げて、東名高速をぶっ飛ばして行っていましたが、出勤日ではなかった今回は家から無料バイパス利用で。
今回の講演者は物理学の佐々木祥介教授。「物理学を旅して」とのテーマで、彼の研究分野を縦断的に説明しようとの意図。
*水の沸騰現象と臨界点の化学
気体の状態方程式(ボイル・シャールの法則)と実際のずれの問題の検討から発生した、まだ未解決の問題が多いとのこと。
*携帯電話の技術とその背景
固体表面波の伝播速度は普通の振動よりも非常に早く、これが動物の地震予知能力になっていると思われること、この技術がケ-タイにも使用されているとこと。
*量子ホール効果その研究 (分数量子ホール効果についても触れる)
種々の公式を並べられ、チンプンカンプンでしたが昔の量子化学の講義で出てきたハミルトニアン演算子が顔を出し、分からないままに懐かしい印象。
彼の講演の思想は、ある程度認められた理論にも、少し突っ込むと不明な点が沢山あること。理論式を立てるだけではなく、種々の前提で数値データーを入れて、詳細な全体図を作成すること、その結果生じる疑問点は実験装置を工夫して確認実験をすること、そうすれば子供の時に習うような疑問を持たれていない公式にもおかしい所がで来、それらを解明するこいとで、既存の種々の理論を評価・取捨選択することができるようになること。
これは物理に限らず、すべての問題解決にあたってのとるべき態度であろうと私は思っています、難しいからと逃げないで、自分なりの評価に挑戦する…との気持ちで基本に立ち返って見なおすことが必要だと。