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2010年12月04日(土) 
   食料自給率の高いことが戦争時の食の確保に必要と云われているが、そのような時が来る可能性があるのかどうか私は知らない。食材があっても燃料が無ければ、芋や野菜は兎も角、米や穀物なんて喰えたものではない。天候不良で世界が飢饉に陥った時には自給率には意味があるのかも知れない。

   旧政権も現政権も日本の農業の復活に関心がないようだ。農民票を得ることにのみ関心があって、農家に阿って何かというと補助金を出すだけで農産物の生産コストを下げるための施策を怠ってきた。農業を輸入関税を世界価格の何倍にも掛けないと各国との競争に勝てない産業に貶めてしまった。

   政府は米の価格が下がれば高価格で買い入れて価格維持を図り、買い入れた米は黄変米として食料に使えないものにし、減反すれば奨励金、販売価格がコストより安い時には収入補助金を出し、生産量を増やそう、コストを下げよう…との意欲を、一部の積極的な農家以外の多くの農家から失わせて来た。補助金漬けでしか成り立たない魅力のない産業として若者達からは敬遠され、農家は高齢者主体となってしまった。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加するかどうかに無関係に、守りの姿勢しかない現状のままの農業は衰退一方と予想されます。

   コストを大きく下げないと農家の利益が出ないことは明白です。食料自給率を上げよう…と云いながら減反すれば補助金を出す…というこの矛盾。使用可能な田畑を使用しないで放置すると罰金を取るのが本当では?狭い国土に折角開いた農地を使わないなんて、食品に短い消費期限を設定し期限オーバーで廃棄することと並んで、日本の「勿体ない精神」に反するし、自給率の引き下げに寄与している筈だ。

   関税ゼロにしても競争可能とするためには国内価格を半分や三分の一にした位では無理でしょうから、もっとドラスティックに下げる必要があるでしょう。コストを下げる方法は沢山あるでしょうが、最大の手段は同じ生産量に対する従属する人数を大幅に減少させる必要があると考えます。

   穀物を家畜飼料用もしくはバイオ燃料用に変換するなどでない限り(飼料の自給率上昇は食料自給率向上になるそうだから、それへの変換は少し有効か)、単位面積当たりの生産高は二倍や三倍にまで増えないでしょうから、一人当たりの農地面積を数倍に増やすことは必須と推測します。また専業農家は農家の半分以下だと云われているし、その多くは高齢者。専業でやりたくなるような、若者にも魅力のある農業に脱皮させて平均年齢も下げる必要がある。


   日本のGDPは農業ではなく、工業やサービス業などにほとんど依存しています。工業だけで農林水産業の10数倍になります。
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/h18-kaku/18fcm3n_jp.xls

   1980年における農業総生産は6兆2870億円で、GDPに占めるシェアは2.5%。それが2007年には4兆4430億円、0.9%と、GDPに占めるシェアは半分以下になってしまった。ちなみに08年の国内総生産は515兆円である。(要確認)

   日本の生き残りのためにはTPPへの参加は必須です。日本を農業の犠牲にすることは出来ない、その逆はよくても。エコノミストや経済学者で、農業を守るためにTPPに参加するな…なんて主張するのを聞いたことがない。連中は農業そのものについては大した知識は持っていないだろうが、農業経済や農業の日本経済に与える影響への見識は農家が到底太刀打ちできる筈はないし、私は彼らを普通の農家よりは信じる。そもそも農家の中にもTPPに入ろうと入るまいと、現状のままでは農業は壊滅するからどちらにしても改革が必要で、TPPには参加するべきだ…と見ている人は結構いるようだ。


   企業戦士達は太陽と共に起き太陽と共に寝る…なんてのんびりはしていない。朝早くから深夜まで、場合によっては深夜過ぎまで働きづめだ。子供達と顔を合わすこともままならない。

   農家の人たちも負けないで欲しい。畑での作業は日没で終えても、夜には農業の経営法の勉強や検討、消費者とのコミニュケーション、あるいは作物の工場生産(人工土壌、液肥循環、人工照明)、販売戦略などの検討をしてほしい。一部のコメやリンゴは中国にも輸出されていて、十分利益が出る価格で売れ行きがいいと聞いている。コストを下げなくても競争できるおいしい農産物とするのも一つの戦略だろう。朝取り入れた野菜をその日の内に食べる…という芸当は外国産では国産よりは遙に高価となろう。


   11月30日から食と農林漁業の再生実現会議が始まったとか。良薬は口に苦し。苦いことは必須ではないが、選挙で農民票を得るための甘い施策に専念してきた愚かな施策の償いに国は智恵を絞ることが必要だ。国外との競争に、関税なしで戦うことは容易に可能であるとは思えないがやらねばならない。

      …………

   何にでも口を出そう…という訳で素人ですが書いてみました。上記を支持する、または支持しない有用な情報があれば御教示願いたく。

閲覧数510 カテゴリ日記 コメント0 投稿日時2010/12/04 00:14
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