武田邦夫教授は輿論やマスコミに流されず、情報を鵜呑みにしないで、一つ一つ自分で情報源から確認して自分の見解を築き上げていく方です。地球温暖化騒ぎや環境問題の各種のリサイクル運動のばかばかしさに反論を続けておられた頃もあり、主張の表現に幼さはありますが、私は尊敬しています。 http://www.sns.ochatt.jp/modules/d/diary_view.phtml…=&l=30 ![]() しかしウッカリミスはあるようで、彼の今日のブログで発見しました。嬉しいので報告します。 http://takedanet.com/2011/03/27_c745.html ![]() 間違い部分; 「54000ベクレルのホウレンソウは大丈夫だ。規制値の3000ベクレルは毎日、1年間、食べ続けた時の値だから」と言った広島の放射線の専門家も割り算ができなかっただけで訂正が必要です. 54000のホウレンソウは水洗いした後の茨城産のホウレンソウです。 54000を3000で割ります. そうすると18になります。つまり規制値の18倍です. 365日を18で割ると20日になります。毎日、ホウレンソウを食べると20日で規制値を超えます。 毎日でなくても、1ヶ月に20回食べると1年分の規制値を超えることになります。 正しくは下記のようになる筈です。 水洗いした後の茨城産ホウレン草は1キロ当たり54,000ベクレルの放射性ヨウ素で汚染されていました。規制値が3,000ベクレル。 ベクレルとは放射能の量の単位であり、規制値とは1年間毎日食べ続けることが許容される1日当たりの放射能量ですから、許容される総量は3,000×365日=1,095,000ベクレルであり、食べてよい汚染されたホウレン草の量は1,095,000÷54,000=20キログラムです。 家内に聞いたら我が家では精々1日100グラム/人であり、毎日…なんてことはない(他の汚染野菜を含めればどうなるかは不明)。即ち200日間(20キロ÷100グラム)で規制値を越えますが、食べるのは4日に1度以下と思われるわが家では規制値を越えそうにない。100グラムを隔日以上もしくは4日に1度200グラム以上食べると越えるかも。 実はヨウ素以外にセシウムでも汚染されているようだし、ホウレン草以外の汚染もあるので、問題はもう少し複雑ですが…。 我が老夫婦はもう子供を作る意思はないので、DNAに傷ができても実害なし。規制値を越えた野菜や原乳を安価で分けて欲しいものです。 余命10年(そんなにある?)の間の蓄積量って少しだと思われ、死ぬ時の蓄積量なんていくらあっても問題にはなり得ない。 ………………… 以下ブログ全文 原発 緊急情報(27) なぜ、そんなに違うのか? (昨日、3月23日になって、メールのご返事が時間的にできなくなりました。申し訳ありません。全数、読んではいます。そこでご質問を中心にブログをすこし詳しくして書きます。) 今日は、「法律の規制値では厳しい数字が出ているのに、政府やテレビでは大丈夫、大丈夫と言っているのは、どうしてそんなに違うのか」ということを説明したいと思います。 多くの人がこれに疑問を抱いてどちらが正しいかと心配しているからです。 ・・・・・・・・ すでに述べたことですが、単なる計算間違いがあります。 「20マイクロは大したことない。1回のレントゲンが600マイクロだから」 といった東大教授はかけ算ができずに間違っただけです。 20マイクロは1時間あたりですから30時間で1回分のレントゲンにあたります。 もし20マイクロでも大丈夫と言っていると福島市に住んでいる幼児は1ヶ月に24回のレントゲンを受けることになります。 このような計算間違いは人の命に関することですから、この際、テレビは責任を持って一度修正をしておいたほうがいいと思います。 ・・・・・・・・・ 「54000ベクレルのホウレンソウは大丈夫だ。規制値の3000ベクレルは毎日、1年間、食べ続けた時の値だから」 と言った広島の放射線の専門家も割り算ができなかっただけで訂正が必要です. 54000のホウレンソウは水洗いした後の茨城産のホウレンソウです 54000を3000で割ります. そうすると18になります。つまり規制値の18倍です. 365日を18で割ると20日になります。毎日、ホウレンソウを食べると20日で規制値を超えます 毎日でなくても、1ヶ月に20回食べると1年分の規制値を超えることになります。 ・・・・・・・・・ 「ヨウ素の半減期は8日だから、すぐなくなる」 と言う人が多いのですが、規制値はもちろん半減期を考慮しています。専門家が議論して決めている数字ですから、半減期は大切な数字で、それを入れているのは当たり前です 特に、現在のように継続的に原発から放射線物質がでている時には、半減期はほぼ関係がありません。(つぎから次と新しいヨウ素が降っているから) ・・・・・・・・・さて、準備を終えて・・・・・・ 一般人が1年に浴びてもいい放射線の量は、1ミリシーベルトと決まっています。これに対して、テレビの専門家は100ミリシーベルトまで大丈夫だと言っています。 この100倍の差は何でしょうか。 まず第1に国際的な取り決めです。例えば食品ですと日本だけが特別な規制をしていると輸出ができません。日本の食品を絶対に輸出しないと決めれば、日本だけの規制ができますが、それは無理なのです。食品以外でも日本だけが規制が緩いと外国人旅行客や外国企業の進出も難しくなります. そこで今まで放射線についてはICRP(国際放射線防護委員会)、食品についてはWHO(世界保健機構)の規制を使っていました。この震災で規制要求に高くすることになりましたが、そうすると外国は日本産の食品の輸入を禁止すると思います。 2番目の理由は、放射線をあびる原因を一つだけに限定するとテレビで言っているように100ミリシーベルトぐらいでも安全ですが、その人はレントゲンを受けたり、今度の事故のように、空気からの被曝、水からの被曝、ホウレンソウからの被曝、牛乳からの被曝などいろいろなところから放射線を受けます。 これだけなら5種類ですが、例えば10種類の被曝原因があると100を10で割って規制値は10ミリシーベルとになります。 さらに人間にはいろいろな人がいて、赤ちゃんや妊婦、それに放射線に感度の高い人がいます。赤ちゃんは3倍ぐらい感度が高いので、10を3で割って、3mm シーベルトぐらいになります。 わたくしの知っている限りでは、日本の規制値の議論では3ミリシーベルトぐらいが良いということもありましたが、国際基準が1ミリシーベルトなので、1990年の国際勧告に従って1ミリシーベルトになっています。 ただ日本国内だけの法律ではこれの5倍から6倍ぐらいになっていますが、いずれにしても1年で5ミリシーベルトぐらいより大きな数字は非現実的です . そもそも、この値のもとになっている「電離放射線障害防止規則」は昭和47年に制定されて平成23年の1月14日に改正されるまで、長い間の議論を経てますから、それが突然おかしな数字だというのも奇妙なことなのです。 ・・・・・・・・・ 推定ですが、テレビに出た専門家は悪意はなかったと思いますが、規制値をそのまま言うと福島市の人が怯えてしまうのではないかとか、疎開する先がないとか、水が飲めなくなるとどうするかとか、ほうれん草の代わり何を食べるかということを心配されたのではないかと思います。 これは考え方の問題ですが、私はそのようなことは専門家が発言すべきことではなく、専門家をあくまでも自分の専門に沿って正しいことをいうべきだと思います。 また、「安全である」というのが風評を煽ることなのか、規制値をそのまま言うのが煽るのかは簡単ではありません。 わたくしが風評の専門家に説明を受けた時には、「風評とは正しい情報が伝わらない時に起こる」と教えていただきました。 煽るか煽らないかというのは専門家が考えることではなく、専門家は事実を述べるだけで、あとは行政とか政治がそれをどうするかを決めるべきだとわたくしは考えています。 ・・・・・・・・・ 数字が大きく違う第三番目の原因は、今回の事故はどのくらい長く続くかという見方にあります。 1週間で終わるというならば、1年間に1ミリシーベルトという基準値は厳しいでしょう。 1ヶ月で終わるというならば規制値を12倍ぐらいはできます(12ミリシーベルトまでOK)。 さらに原発から出る放射性物質の大物は半減期が30年ぐらいありますから1年以上影響があるとするならば、最初から1年ぐらいの規制値を考えておかなければならないということになります。 これが「直ちに健康には影響がない。」という言葉になって繰り返し言われるようになりました。 確かに福島原発が爆発してから2、3日の時点では、すぐ収束すると考える人と、少し長引くと思っている人がいたと思います。 わたくしのスタンスは、すぐ終わっても長引いても、一応は安全サイドで考えておいて、すぐ終われば「それでよかったな」と思うというのがわたくしの考え方でした。 なにしろ、相手が放射線ですから、このような見方をするのが今までの規制の考え方でもありました。 ・・・・・・・・・ 極端に心配する必要はありませんが、一度浴びた放射線は体の免疫力以外に回復するのは難しいので、できるだけ注意して生活をするという必要があると思います。 従って、すでに言っていますけれども、福島市の人は危険ですが、東京の人はまだ余裕があるというのが現状ですから、それを全体的に頭に入れて行動されるのが良いと思います。 (また時間を見てブログを書くことにします。また十分にチェックする時間がなく、誤字脱字が多く皆さんにご迷惑をおかけしています。どうぞご容赦ください。) (平成23年3月24日 9時 執筆) |