海水注入中断有無について原子力安全委員長が私は何だったのでしょう…と云ったのにはにはビックリしました。
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110526k0000e…1000c.html
要するに東電本社からから間接情報を得ているだけで、現地情報を直接得ることをしていなかったのだ。これで企業の審査・監督が出来るのかしら。企業の本社が隠しても現地から正確な情報を得る…ということをしないでも責任が全うできると思っているようだ。
監督とか監査の責任を保つ者は性悪説の立場で相手を見て行動しないと無理。平素は時々の把握でもいいだろうが、建設時と事故時は全てを知っていないと困る。電力会社の原子力についての専門家でないトップよりは詳しくないと困る。例えば東電が無視した一次情報を直接見て、東電とは異なる解釈をベースに対処方法を検討できないと困るし、そうでないと技術的事項について東電案を評価し東電を指導することは出来ない。三次情報や四次情報、それも誤情報が頼りではあまりにも無責任である。
東海村JOC臨界事故でも現場ではマニュアル通りにやっていないことを発見出来ていなかった。本社が現場のことを知っていようが知らないでいようが、それとは無関係に実情を把握しないと責任を全うできる筈はない。
私は責任のある当時の科学技術庁から刑事責任をとらされる人が出てこないことを不思議に思って会社の社内ネットのフリートーク掲示板に当時書いたことがある。
技術をチェックする責任を持つ者が現場から遊離してはならない。
民間企業においては、発注側の品質監査は受注側のマニュアルと実作業を見比べることをやるのが普通だ。私はマニュアル重視には反撥しており、実作業を見るだけでいいと思っていましたが。
安全に関する審査・監査はさらに現場に接していることが重要です。
今日気づいたが、独立法人 原子力安全基盤機構(INES)というものも存在する。電力会社が義務として実施する検査の実施・記録・保管についての書類審査、実地審査、立ち会い、抜き打ち検査をすることが業務のようだ。他にも文部科学省関係の機構がいくつかあるようだが、権限のあるのは上記のものの気配。
原子力安全委員会、原子力安全・保安院、原子力安全基盤機構の分担がどうなっているのか知らない。電力会社が防御レベルとして設定した地震、津波の規模の適正かどうかの判断、メーカーや電力会社が設定・承認された(どこが?)レベルに対して行った設計は工学的にまたシステム的に充分耐えるものかどうかの審査をどこが責任を持って行うのか決まっているのだろうか。責任を持つ…ということは、判断が間違っていれば首が飛ぶ…ということだ。設計者の間違いを発見できる能力がなければ勤まらない。御用学者では話しにならない。あら探し能力が要る。ランランと目を光らしていなければならない。
一つ一つの機構が無責任だから、更に原子力事故調査委員会を作る…など、屋上に屋根を重ねる必要が出てくるのだ。
原発依存率が当面低下することはないと思われるので、このような無責任体制は改めてもらわないと困る。