サルスベリの花を見かける季節になりました。
漢字では百日紅(ヒャクジツコウ)。長い期間咲き続ける花です。
実際、6月半ばから咲き始め、9月の終わりくらいまで咲いています。
赤色だけでなく、紫色や白色もあります。それも濃い色や薄い色、いろいろ。
白色は8~9月に、よく見かけるように思います。
私は濃い赤色が特に好みです。
ずっと以前、奈良の元興寺で見た光景が印象的でした。
太陽がギラギラ輝く群青の空に、真っ赤な百日紅が燃えるように咲いていました。
白い幹、黒々とした屋根瓦。
そこで一句。
百日紅 雲水一人 板の間に
雲水は私の想像の産物。当時、ちょっと俳句に凝っていました。
最近はこんな句。
百日紅 のっけてみたい おさるさん
かなりレベルが落ちましたね。
伏見に、色とりどりの百日紅がいっぺんに見られる公園があります。
私の秘密の場所なので教えませんが、ちょっとヒントを言うと、龍馬とお龍さんの銅像がある公園です。ここだけの話、内緒ですよ。
英語では、Monkey Sliding Tree…なんて言いませんよ。
Crape myrtle というそうです。crape(クレイプ)は「ちりめん(縮緬)」の意。なるほど確かに、花びらがちりめんのように縮れています。ちょっと脱線すると、クレープというパンケーキに似たあのお菓子も、同じ単語だそうです。これには越後のちりめん問屋の隠居もビックリです。
サルスベリは、小さな花がたくさん集まって咲きます。1つ1つの花の中心には黄色いシベがかわいらしく並んでいます。でも、この小さな花が集まると、とてもゴージャスで目立ちます。
いったい何個ぐらいの花が集まっていると思いますか?
百十個です。 ………ヒャクジツコウだけに。
あ、すべりましたね。