>東京新聞 >【全文あり】選択的夫婦別姓に自民党が「考え方」 河野太郎氏ら推進派、 採決「それぞれの思いで行動させて」 >7時間・ >与野党は3日、衆院法務委員会の理事懇談会で、選択的夫婦別姓制度の導入をめぐり、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党がそれぞれ提出した3つの法案について、4日に野党のみの質疑を行うことで合意した。 >一方、自民党では、3日に開いた総務会で、推進派から関連法案の採決時に党議拘束をかけないよう求める声が上がった。 >◆与党の質疑時間はわずか45分 >衆院法務委の理事懇で合意した4日の野党による質疑時間は、2時間15分。 >与党の質疑は6日に45分行い、10日に各党が参考人を招いて質疑を行うことまで決まった。 >与党の質疑時間が45分にとどまることに対し、一部野党が、余った時間に野党側の質疑時間を追加するよう求めたが、与党は「不平等になる」と応じなかったという。 >野党筆頭理事を務める立憲民主の黒岩宇洋氏は、記者団に「審議があまりに短時間では、国民に十分な説明ができない」と話し、法務委の定例日(火、水、金曜)すべてを使い、十分な審議時間を確保するよう改めて求めていく考えを示した。 >与党筆頭理事を務める自民の小泉龍司氏は、審議への臨み方に関し、党内の賛否が割れている状況を踏まえ「各質疑者がそれぞれの立場で考え方を申し述べると思う」と話すにとどめた。 >◆「個人の価値観の問題だ」 >自民は3日に開いた総務会で、氏制度のあり方に関する検討ワーキングチーム(WT)幹部が一任を取り付けてまとめた「基本的考え方」を報告。 >これに対し推進派が「推進の意見が反映されていない」と不満を示し、野党案が採決される場合には党議拘束をかけないよう訴えた。 >総務会には、正規メンバー以外に10人ほどの議員がオブザーバーとして出席した。 >複数の出席者によると、正規メンバーの中では河野太郎氏が「個人の価値観の問題だ」として党議拘束を外すよう強く求めたという。 >オブザーバー参加した井出庸生氏(党の「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」事務局長)は総務会終了後、「(採決の際は)それぞれの思いで行動をさせていただきたい」と発言したことを記者団に明らかにした。 >◆「精いっぱいのぎりぎりの表現」 >WT幹部がまとめた「基本的考え方」は、推進派が求めていた「選択的夫婦別姓」などの文言は盛り込まれなかった。 >一方で、「旧姓の単記も可能とする法制化を含めた基盤整備の検討を進める」と記載した。 >このくだりの意味について問われたWT幹事長の木原稔氏は「何かカチッと決まったことがあるわけではない。 >検討を進めるということだ」と説明した。 >WT座長の逢沢一郎氏は記者団に、「合格点ということにはならないかもしれないが、ある意味で精いっぱいのギリギリの表現だということがご理解いただけるよう今後、努力したい」と理解を求めた。 >別姓制度に関する野党の3法案は、5月30日に衆院法務委で趣旨説明を行い、審議入りしている。(坂田奈央) > ◇ ◇ >◆自民「基本的考え方」の全文 >自民党「氏制度のあり方に関する検討ワーキングチーム」が3日にまとめた「氏制度のあり方に関する基本的考え方」の全文は以下の通り。 > × > 本ワーキングチームは、「これまでの議論を踏まえた論点」(※別紙1)を確認した上で、わが国の伝統的な価値観を尊重するとともに、多様化する国民の価値観、女性活躍の推進といった社会情勢の変化等に留意し、関係省庁、有識者、関係団体等からヒアリングを行うなどしながら、国民世論の合意形成を目指した氏制度のあり方について議論を重ねてきた(※別紙2参照)。 > 氏制度のあり方は、わが国の経済社会・生涯活躍社会の基礎となるものであり、また、家族のあり方を含めたわが国の社会制度の根幹に関わり、国民一人一人の社会生活に直結する 問題であるため、より幅広い国民の理解が得られるよう、これまでの議論を整理した上で引 き続き熟議を重ね、国民の経済・社会活動における不便を解消し、真に国民の期待に応える 施策の実現を目指していく。 >第1 「これまでの議論を踏まえた論点」 に対する議論の整理 >1 戸籍制度の原則の維持 > 戸籍制度は、国民の親族的身分関係を登録・公証する唯一の公簿として、個人と家族を結び付けるとともに、出生から死亡、相続等に関する事項を統一的に把握することができる世界に誇る制度であり、その意義やその原則等の重要性を改めて認識した上で、それらを堅持すべきである。 > これを踏まえた上で、氏制度のあり方について国民にあるべき姿を示すには、戸籍の具体的な姿をその具体的な規律と共に示すことが必要である。 >2 経済・社会活動の不便解消 > 政府は、これまで旧氏使用の推進に取り組んできた。 >その結果、現在においては、全ての国家資格、免許等で旧氏の使用が認められているほか、マイナンバーカード、運転免許証、住民票、 旅券等において旧氏の使用が認められている。 > このように、経済・社会活動における不便の多くが解消されるに至っているものの、いまだ不便を感じているとの声がある。 >こうした国民の声に真摯に耳を傾けてその期待に応えるべく、それら不便の徹底的な解消に向けた施策を具体的に示す必要がある。 > もっとも、その検討に当たっては、政府による現状の取組みに対する国民の声を世代横断的に拾い上げる必要がある。 >また、文言上氏が登場する規定を含む法律は650以上に及び、 2700を超える政省令も存在することに照らせば、旧氏使用においての更なる施策の具体的なあり方を考えるには、 それら関係法令においてどのように旧氏が扱われることになるのかについて、網羅的ではなくとも、社会生活の具体的な場面における取扱いが想起できる範囲で明らかにする必要がある。 >3 子供への影響 > 親子別氏になることについては、世論調査において、「子供にとって好ましくない影響があると思う」との回答が約7割を占めているほか、報道機関による小中学生を対象とした調査においても、否定的な意見が多い現状にある。 > これら国民の声を尊重した上で、(本ワーキングチームでヒアリングを行ったように)有識者の意見等も十分に踏まえつつ、また、これからのわが国の社会を支える若い世代の声に直接触れる努力をし、夫婦の選択によって子供の福祉を害することのないよう、氏のあり方が子供に与える影響について十分に配慮して慎重に検討する必要がある。 >4 家族の一体感維持 > 世論調査において、夫婦別氏になることについて、「家族の一体感・きずなが弱まると思う」との回答が約4割に上っているほか、夫婦同氏制度を合憲とした最高裁大法廷の判断においても、家族の呼称を一つに定めることには合理性があることが理由とされている。 > これらに照らせば、氏が個人の呼称・アイデンティティであるとともに家族の呼称・アイデンティティでもあることを十分に踏まえた上で、家族の一体感を損なうことのない制度のあり方や、それが家族に与える影響について、十分に吟味する必要がある。 >5 国民の意見を反映した合意形成 > 氏制度のあり方については、世論調査等からも分かるとおり、国民の間に様々な意見がある上、旧氏使用の取組み等を含めた夫婦の氏のあり方を巡る現状や検討課題等について、必ずしも国民の理解が十分に深まっているとは言い難い。 >国民の意見を十分かつ適切に反映した合意形成を行うためには、より幅広い丁寧な議論を行う必要がある。 > そして、その議論においては、多様な意見を広く受け止め、より多くの国民が共感を得られるようにしなければならない。 >第2 今後の議論について > わが党は、かねてから「旧氏使用ができないことで不便を感じられている方に寄り添い、運用面で対応する形で一刻も早い不便の解消に取り組みます」と公約に掲げ、その実現に着実に取り組んできた。 >その結果、上記のとおり、全ての国家資格、免許等のほか、マイナンバーカード、運転免許証、住民票、旅券等において旧氏使用が認められるようになり、これらにより、経済・社会活動における不便の多くが解消された。 > もっとも、これら旧氏使用の多くは、直接の法律上の根拠を有するものではないため、その位置付けが不明確であることによりいまだ不便を感じるとの声がある。 > そこで、わが党は、責任政党として、世界に誇る戸籍制度を堅持した上で、経済・社会活動における不便を徹底的に解消するため、これまでの「旧氏の通称使用の拡大・周知」をより一層推し進める。 >その上で、更なる国民の期待に応えるべく、これまでの公約をより前に進める取組みとして、旧氏の単独使用を可能とする法制化を含めた基盤整備の検討を進める。 >この検討にあたっては、氏制度のあり方に関する立場にかかわらず、国民の不便の解消に不可欠であり、また、世論調査における旧氏使用についての法制度を求める声が多いことも踏まえた上で、政権を担う責任政党として、精緻な検討を進めなければならない。 >また、この施策は、国民がいかなる呼称を用いてわが国の社会において活動し得るのかに直結するものであるほか、わが国の社会システム全般に影響し得るものであるため、相応の社会的・経済的コストがかかることもあり得る。 >これを踏まえれば、この種の基盤整備の検討については、政府横断的な施策としての調整・検討も行うべきとの考え方もある。 > このようにして国民の不便を解消した上で、氏制度のあり方については、社会の基礎単位として位置付けられた家族のあり方の根本に関わるなどわが国の社会制度の根幹に関わるとともに、国民の社会生活に直結するため、国民一人一人が自らの問題として当事者意識を持っていけるような環境の下で考えていくべきものである。 >しかし、近時の状況を見ると、国民にも様々な意見があり、それらは収斂されてはいない。 >また、経済・社会活動における不利益が残っているという意見、イデオロギーに基づくというべき意見のほか、アイデンティティを考慮すべきという指摘も出てきていることからすれば、上記のような問題の本質を踏まえた、より広く、多数少数を問わず様々な意見を包摂した国民的議論を行うことが必要である。 > わが党としては、こうした現状等を冷静に踏まえた上で、責任政党として、国民の意見を真に反映した合意形成を図るとともに、社会の分断を招くことのないよう十分に留意しながら引き続き熟議を重ね、国民の期待に応える適切な施策を実現する。 >以上 >※別紙1「これまでの議論を踏まえた論点」(令和7年2月20日) >※別紙2「令和7年における開催状況」
与党筆頭理事を務める自民の小泉龍司氏やWT幹事長の木原稔氏やWT座長の逢沢一郎氏は、自分自身が具体的にどのような改革を実現したいのかが不明ですね。 たたき台がないと議論がはかどらないのではないですか。能率的な改革の推進には牽引車が必要ですね。 政治には常に未来の先取りが必要です。それぞれに未来社会の有様を描いて見せる必要が在りますね。
|