118頁から「地球を暖め続ける原発」 という章が始まります。これは事実です。しかし、これも原発に限った事ではありません。 火力発電の効率は通常は30~50%であり、原子力発電の30%と較べると少しいいようですが、大した差ではありません。ちなみにDCモータにおいては一般的には最大効率60~70%程度、ガソリンエンジン20~26%、ジ―ゼルエンジン35~45%だそうです。それぞれのエネルギーロスは地球を暖めている訳です。 火力も原子力も水蒸気でタービンを回しますが、タービンを回した後の蒸気は復水器で冷却して凝集・液化されます。この冷却に使用した水(普通は海水)の熱が放出される訳です。原子力は直接水の中で熱を発生させて蒸発させますが、火力は水のパイプの外で石油やLNGを燃やすので、この時の高熱燃焼ガスは水を過熱したあとは大気に放出されますが、最近はこの燃焼ガスで更にガスタービンを廻すことで、火力の熱効率が大幅に改善されるようです。 復水器で暖められた海水の熱の利用方法を考えれば、さらに効率は上がるでしょう。 多分、これまでは原発の発電コストは低い…とされていたので、廃熱回収によりコストが上がる…ということで省みられなかったのではないかと思います。原発のコストも結構高いようですからいずれ検討されるものと思います。 原発において冷却材に超臨界流体である超臨界圧軽水を用いた超臨界圧軽水冷却炉が現在研究中であり、それによれば効率は47%位になるそうです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%…A%E9%9B%BB ![]() 小出氏への反論として http://d.hatena.ne.jp/nyango10/20100507/1273190019 ![]() データを探して来て検証する態度は、特定の著者のものであれば何でも鵜呑みにして自分の意見を決めてしまう人よりは遙に立派だと思います。ただここには他の発電方式との比較のないのが残念です。 そこの後の方にアップされているいくつものコメントは行儀の悪い、無意味な罵り合いですから見ない方がよろしい。 重要なことはこれらの熱が、現在の地球温暖化の傾向にどの位まで寄与しているのかです。その寄与がもし微々たるものであれば、我々は意味のない議論をやっているものと思われます。その寄与の程度を知りたいものです。 (その六)のテーマである炭酸ガスの発生も同様でしょうね。 ………………… 原発のウソ(その一) メリットとリスク http://www.sns.ochatt.jp/modules/d/diary_view.phtml…=&l=30 ![]() 原発のウソ(その二) ホルミシス効果 http://www.sns.ochatt.jp/modules/d/diary_view.phtml…=&l=30 ![]() 原発のウソ(その三) 福島とチェルノブイリとの比較 http://www.sns.ochatt.jp/modules/d/diary_view.phtml…=&l=30 ![]() 原発のウソ(その四) このシリーズの日記への反論を下さるようお願いします。 http://www.sns.ochatt.jp/modules/d/diary_view.phtml…=&l=30 ![]() 原発のウソ(その五) 原発のコストは安くない http://www.sns.ochatt.jp/modules/d/diary_view.phtml…=&l=30 ![]() 原発のウソ(その六) 大量の二酸化炭素を出す http://www.sns.ochatt.jp/modules/d/diary_view.phtml…=&l=30 ![]() |