西村幸祐氏の意見
>ロシアによるウクライナ侵攻から何を学べるかが、国家のリーダーに問われている。 >それはまた、国民一人ひとりにとっても重要なテーマだろう。 >岸田文雄首相は就任半年後に起きた歴史的暴挙をどう捉えたのか。 >ウクライナは、ソ連時代にもスターリンに蹂躙(じゅうりん)された。 >地政学的に難しい位置にあるウクライナだが、1991年のソ連崩壊で自由を享受できる西側欧州諸国に近寄れると思ったはずだ。 >しかし、ソ連崩壊でウクライナに残った核兵器が国連常任理事会に問題視された。 >ウクライナは核兵器放棄を受け入れる代わりに、米国と英国、ロシアが安全保障を約束するという「ブダペスト覚書」に94年に調印してしまう。 >この29年前の出来事を、ウクライナ人が悔やんでいることは言うまでもない。 >もし、ウクライナが少数でも核を保有していたら、ロシアによる2014年2月のクリミア併合はなかったし、ロシアによる22年2月のウクライナ侵攻も起きなかっただろう。 >ただ、ウクライナ人は「自分の国を自分たちで守る」と立ち上がった。 >ウォロディミル・ゼレンスキー大統領を先頭に、国際法を無視したロシアの暴挙に対し、多くの国民が強い意志で戦った。 >民間人もコンピューターやドローン操縦など、自身の得意な分野で軍に協力し、人民戦争のような戦いぶりで祖国に奉仕する姿を世界中に示した。 >その姿に、米国やNATO(北大西洋条約機構)諸国も、ウクライナへ援助を続けることになった。 >もし、ゼレンスキー氏が侵略者と戦う意思を見せず、ロシアの侵略直後に国外へ逃れていたら、昨年の早い時期にウクライナ全土はロシアに占領されていたはずだ。 >日本は今年、G7(先進7カ国)議長国である。 >岸田文雄首相は5月の広島G7サミットにゼレンスキー氏を招聘(しょうへい)した。 >ただ、岸田首相の演説は、私にはきれいごとに聞こえた。 >「核兵器のない世界」という訴えも、チグハグ感しかなかった。 >9月の国連演説も同じで、「核兵器のない世界」や「人間の尊厳」などを訴えても、何のリアリティーも伝わらなかった。
そうですね。わが国には力の裏付けがありませんからね。力は正義である。Might is right. 我が国には正義がない。
>日本はユーラシア大陸の東にあり、ロシアにとって西のウクライナと対称な位置にある。 >北方4島の主権を78年も侵されている日本は、それだけでもウクライナよりひどい状況なのだ。 >しかも、中国とロシア、北朝鮮という全体主義国家が、核で日本を恫喝(どうかつ)している。
そうですね。
>岸田首相は国連演説で、核軍縮の議論促進を支援するため、海外の研究機関・シンクタンクに30億円を拠出すると表明した。 >そんなお花畑のために国民の血税をバラまくのはどうか。 >岸田首相からは「二度と日本に核兵器を使わせない」ための現実的な提案は聞かれない。
そうですね。岸田首相は声なき国の声ですね。 ウクライナはソ連崩壊により核兵器を放棄した。しかし、プーチン大統領は非核国ウクライナに侵攻し核兵器使用をちらつかせて恫喝した。 これにより我が国の非核三原則に依拠した安全神話は消滅した。非核三原則とは 核兵器を「持たない、つくらない、持ち込ませない」の三原則を指すものと1967年 (S42) 12月に佐藤栄作首相は説明した。日本人のお花畑はもうない。 「世界大戦を含むあらゆる戦争はすぐ終わらせられる。講和条約を結んだ場合、あるいは1945年の米国による広島と長崎への原爆投下と同じことをした場合だ」 (ロシアのメドベージェフ前大統領) ‘ウクライナでの戦争の教訓は、抑止力によって未然に戦争を防ぐ方が、侵攻してきた敵を後退させることよりも遥かに望ましいということだ。’ (マシュー・ポッティンジャー) ‘ロシアが力による現状変更を行っている国はG7(主要7カ国)では日本だけだ。北方領土だ。だから、ウクライナ問題で、ロシアを一番強く批判しなければいけないのは日本だ。’ (小野寺元防衛相)
>■西村幸祐(にしむら・こうゆう) ジャーナリスト。 >1952年、東京都生まれ。 >慶應義塾大学文学部中退。 >在学中、「三田文学」の編集を担当し、80年代後半から、作家、ジャーナリストとして活動。 >2002年日韓サッカーW杯取材後、拉致問題や歴史問題などにも、取材・執筆分野を広げる。 >アジア自由民主連帯協議会副会長。 >著書に『報道しない自由』(イースト・プレス)、『安倍晋三黙示録 「安倍晋三回顧録」をどう読むべきか』(エムディエヌコーポレーション)など。
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